悪虐氷姫の幸せな結婚

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花嫁探し-2

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ノースウッド王国に着いて3日目の今日、華やかな会場に色とりどりのドレスを纏った花嫁候補が集められ、舞踏会が開催されている。

今日こそはと、気合いを入れていたのに王女の姿が見えない。

今日は私の為の舞踏会で、独身で婚約者のいない女性が全て集まっているはずなのに、彼女は今日も姿を現さなかった。
王の子は勿論、甥やら姪やらまで集まっているのに…
まさかもう婚約者がいるとか?
だが影からの報告には無かったはずだ。

「一体どうゆう事だ?」

「殿下、やはり会場の何処にも第二王女らしき方は見当たりません。」

「そうか…」

アンドレの言葉に気が落ちる。

直接国王に聞いてみるか?
こうも会えないと何が何でも会いたいな…

「帝国の若き太陽にご挨拶致します。」

その時、この国の第一王女、アリシアローズ王女に声をかけられた。

「これは、王女殿下、本日は私の為にこの様な盛大な舞踏会を開いていただきありがとうございます。」

私は胡散臭い笑顔を貼り付けて王女に挨拶を返した。
この女が第二王女に関する悪い噂を流している第一王女か…

「恐れ入ります。お気に召していただけて良かったです。あの… 一曲踊っていただけますか?」

「ええ、勿論喜んで。」

頬を赤らめて上目遣いでこちらを見上げてくる彼女に少しばかりウンザリする。
手を取り、しれっと彼女の魔力を探ってみるが大した魔力は無い様だ。
これでは候補にも上がれない。

彼女に妹姫の事を聞いてみるか?

「えっ?!シルビアの事ですか?」

私が妹姫の事を口にした瞬間、王女の顔があからさまに歪んだ。

「あの子は公務には出席させない事になっておりますので、頻繁に魔力を暴走させ、危険極まりないものですから…それに…」

彼女か語るシルビアリリィ王女は報告書にあった通りのものだった。

「お恥ずかしい話です。」

「いえ、どの家にも外には出せない事情があるものですから。」

「そう言っていただけると、私も胸のつかえが取れるようです。」

そう言って笑う彼女の顔が酷く醜悪なものに見えた。
何故、実の妹をこうも貶める言葉を吐けるのか、妹に同情し、良き姉を取り繕っているが本心が透けている。
彼女は決して妹の事を心配している訳ではない。寧ろ憎んでいるように見える。
どうしてここまで徹底して妹姫を嫌うのか…

ダンスが終わり、彼女と離れる。
私の前から去る時の横顔がとても冷たかったのが深く印象に残った。

これはチョット詳しく調べてみるか…

舞踏会もお開きになり、部屋に戻って私は早速側近の3人を呼んだ。

私は3人の顔を順に見渡した。

「第二王女殿下は離宮にいらっしゃるそうです。公式の夜会はおろか、デビューもまだのようです。」

アンドレが報告してくれる。

「15歳だろう?しかも第二王女。それなのにデビューもまだなんて…」

「私が聞いた話もこちらの影が調べた事と殆ど相違ありませんでした。どうしますか?殿下。」

オスカーの聞き取りも今迄の報告と変わらない。

「あの、魔導師団ではそこまで酷い噂はありませんでした。団長が大層可愛がっていて、小さな頃から後見しているそうです。団長の妻が乳母もしているとか…」

エリオの報告は今迄に無いものだった。

「新しい情報だな、調べるならそちらからか…」

3人が私の次の言葉を待っている。

「アンドレ、私の明日の予定はどうなっている?」

「明日は舞踏会の翌日と言う事で、予定らしい予定は入れておりません。夕刻の国王との晩餐くらいでしょうか…」

「そうか… アスラン。」

空に向かって私が声をかけると、頭上の空間が歪み眩いほどの光を放つ炎の鳥が姿を現した。

『何だ?主』

「少し頼みたい事がある。明日鳥を飛ばしたい。私の目になる小鳥を頼めるか?」

アスランは私の契約する聖獣だ。
今は部屋の中の為、鳩ほどの小さなサイズになっているが、その本性は空を覆うほどの巨大な火の鳥だ。

『承知、雀で良いか?』

「あぁ、十分だ。」

『では、明日 準備が出来たら私を呼ぶがいい。その時に一緒に連れて行こう。』

「頼んだよ。」

来た時と同じ様に空間が歪むと彼はその中へ帰って行った。

「相変わらず殿下の聖獣様は美しいですね…」

エリオがウットリと呟いた。

「それでは明日の為、街に部屋を準備して参ります。」

そう言ってアンドレが部屋を出て行った。

「では、殿下。明日は学園を探りますか?王太子と第二王女が在学中ですし、そこでなら第二王女の普段の姿も見れるでしょう。」

オスカーの言葉にそうだなと頷く。

「さぁ!そうと決まれば明日は街へ出て偵察だ!」

「「かしこまりました!!」」

これでやっと第二王女に会える。
明日が楽しみだ。

次の日、私は朝から王宮を出てアンドレが手配してくれた宿に入った。

「アスラン。」

『ここに。』

昨日と同じ様に空間が歪み、小さなサイズになったアスランが可愛らしい一匹の雀を連れて現れた。

『主、この子が今日の同調相手だ。』

アスランが連れてきた雀に視線を合わせ、

「今日はよろしく頼むよ。」

と声をかける。

「同調、」

雀に魔力を通すと、私の視界が雀のものに変わっていく。

『じゃあ行ってくる。後は頼んだぞ。』

「お気を付けて。」

念話でアンドレ達に後を頼み、私は学園に向かって飛び立った。





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