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プロポーズ-3
しおりを挟む【リオネル】
今日は学園に行くという彼女に無理やりついていった。
馬車でしばらく行くと、レンガ作りの瀟洒な建物が見えてきた。馬車停から騎士科の鍛錬場へ向かう。
着替えてくるという彼女を見送って広場にいる学生達をぼんやりと眺めていると、広場から何人かの男子生徒が、こちらに駆け寄ってきた。
「不躾にお声をおかけする事をお許しください。あの…もし間違っていたら申し訳ないのですが、もしかしてあなたはトルティア帝国王太子殿下でしょうか?」
「ああ、そうだが君は?」
「帝国の若き太陽にご挨拶申し上げます。私はこの騎士科、3年のクラークシン=ケースと申します。本日はシルビア殿下と学園視察にいらしたのですか?」
「ああ、お邪魔するよ。どうか気にしないでいつも通り鍛錬してくれ。」
「あの…不躾なお願いをしてもよろしいでしょうか?」
彼の後ろに、チラチラとこちらを見て、早く言え、お前が行けよと、ざわついている生徒達がいる。13~15歳くらいか?可愛いな。
「いいとも、聞こう。」
パッと嬉しそうな顔をして
「稽古を付けていただけませんか?」
真っ赤な顔をしてほんとに可愛いな。
「ああ、もちろんいいとも。では広場に出ようか。他にもやりたい者がいるなら、まとめて面倒見るぞ!」
「おお…!」
「私も!」
「私もお願いします!」
わらわらと子供達が寄って来る。
「じゃあ、一人ずつかかってこい!」
木剣で1人、1人打ち合い、稽古をつけていく。
「脇が甘い!」
「よそ見するな!」
「相手から目を離すな!」
「もう一歩踏み込め!」
「最初の一撃で力を使い切ると次がかわせないぞ!」
次から次へ、連続で打ち込んで来る子供達を1人1人見ながらアドバイスしていく。
しばらくすると、鍛錬場の入り口にシルビアを見つけた。
子供達の相手を切り上げて、彼女のもとへ向かう。
「「「ありがとうございました!」」」
元気な声が背後で響く。
彼女のもとへ向かうと、何故か彼女は寂しそうにうつむいていた。
何かあったのか?
こちらを見た彼女に向かってニッコリ笑った。
すると、彼女の顔がほんのり赤くなった。私の額に光る汗を見て、慌ててタオルを差し出してくれる。
可愛い。
彼女からタオルを受け取り、ありがとうと言うとますます赤くなる。
見てるこっちまで恥ずかしくなってきた。
彼女を見てると飽きないな。
「次はシルビアと手合わせしたいな。」
どさくさに紛れて名前を呼んでみた。
真っ赤になって広場に向かう彼女の後ろをついて行く。
シルビアを視線で追う男が1…2…ざっと7人か…
「シルビア。」
彼女に声をかけて肩を抱き寄せた。
「リ…リオネル殿下?どうかされましたか?」
「うん?チョットね。牽制しておこうかと思って。」
「牽制?ですか?」
キョトンとこちらを見る彼女が可愛い。
なんでこんなに可愛いのに悪女なんて呼ぶんだろうね、脳ミソ腐ってるのかな?
きっと根性がネジ曲がってるんだな。
それから彼女と少しの時間手合わせをして、普段の様子を教師から聞いて、このまま彼女を帝国へ一緒に連れ帰るつもりだと言う事を、教師に告げた。
彼は、学園が途中になる事を残念がっていたが、帝国へ留学という形を取って、学園卒業資格を取らせるつもりだと納得させた。
シルビアは自分が全てから嫌われていると思っているようだが、そうではない様だ。
嫌っているのはほんの一部だけだ。
第一王女に傾倒している者や第一王女の目を気にしてシルビアに近づけないだけの様だ。
よく見るとさりげなくシルビアを庇う様な姿勢を見せる者がいる。
あと、シルビアに熱い視線を送る男もチラホラ…
こちらは、しっかりと私達の仲睦まじい様子をみせておかなければ。
その日、私はべったりとシルビアに張り付いて男共を牽制したのだった、
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