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旅立ち-5
しおりを挟む次の日、私達はベリアル王国国王陛下と王妃様との謁見に臨みました。
国王陛下は白髪混じりの黒い髪に青い瞳の線の細い小柄な方で御年50歳。
王妃様は前髪に一房明るいオレンジが混じる黒い髪で瞳はペリドットのような明るい緑です、とても優しい雰囲気の方でお年は47歳。
お二人とも王太子殿下の30歳のお誕生日を待って譲位されるそうです。
王妃様は
「今から二人で隠居するのを楽しみにしているのよ」
と、とても嬉しそうにおっしゃいました。お二人を見ていると、この国がとても平和で穏やかな国だと言う事が感じられました。
謁見では、私とリオネル様の結婚についてや、これからも両国の関係が良好であるようにと約束を交わして終了しました。
謁見が終わって、私達が与えられた部屋に戻る為回廊を歩いていると、前から明るいオレンジ色のドレスを着た明るい茶色の髪のゴージャスな美女が現れました。光に透けてオレンジ色にも見える茶色の髪に明るいオレンジ色のドレスがとてもよく似合っていらっしゃいます。
「お兄様!」
「エトワール王女殿下、お久しぶりですね」
「まぁ、王女殿下だなんて他人行儀ね、昔のようにエトワールと呼んでちょうだい」
「相変わらずですね」
「人間そうそう変わるものではなくてよ、それより、お父様達との謁見はもう終わりましたの?」
「ええ、たった今」
「でしたら一緒にお茶でもいかが?そちらの婚約者様も紹介していただきたいわ」
ゴージャス美女が私にチラリと視線を寄こしました。
そして目が合うと、ニッコリと笑って下さいました。
ゴージャス美女はエトワール様とおっしゃって、ベリアル王国の第三王女でいらっしゃいます、今は公爵家に降嫁されていて二人のお子様がいらっしゃるそうです。
現在24歳で、リオネル様とは年齢も近かった為、小さな頃からリオネル様の事を『お兄様』と呼んで慕っていらっしゃったそうです。
「今日はお兄様に会いたくて実家に戻って来たのよ」
と、朗らかに笑っていらっしゃいます。
「さぁお兄様、そろそろ そちらの可愛らしいお嬢さんを紹介していただきたいわ」
「相変わらずだな、エトワールは」
そう言ってリオネル様は、ニコニコしながら私を見て手を差し出し、隣に引き寄せました。
「私の婚約者、シルビアリリィ=ノースウッド王女だ。シルビア、こちらはエトワール=ワイオミング公爵夫人、ベリアル王国の第三王女だ」
「初めてお目にかかります、シルビアリリィ=ノースウッドと申します、どうぞよろしくお願いいたします」
「まぁまぁ、私はエトワール=ハートンよ、お兄様とは小さな頃からの仲良しなの、私の事はエトワールと呼んでちょうだい、これからもよろしくね」
そう言ってニッコリと笑ってくださるエトワール様の朗らかで優しい雰囲気は、国王陛下や王妃様にとてもよく似ていらっしゃいます。
「はい、どうぞ私の事もシルビアとお呼びください」
「シルビア様、お年は?」
「少し前に15歳になりました」
「まぁ!お若いのね、ではまだ学生?」
「はい、トルティア帝国に留学する予定です」
「まぁ、そうなの?ではご結婚はもう少し先になるのかしら?」
「いや、彼女が16歳になったら正式に籍を入れて婚姻の儀を行うつもりだ」
リオネル様がエトワール様の質問に素早く応えました。
「まぁ!そうなの?それはおめでとう!式には私も呼んでね、お兄様」
「ああ、もちろんだ」
初めて聞く予定に私の方がびっくりしてしまいました。
まさか学生のうちに婚姻するなんて。もう、1年しかありません。
お父様達も既にご存知なのかしら?
私が頭の中でぐるぐると考えている間もお二人の会話は続いています。
「お兄様達はいつまでこちらにいらっしゃるの?」
「1週間の予定だよ」
「お父様が舞踏会の準備をしているって聞いているわ、もちろんお兄様達が主役なんでしょう?」
「本当にいつも良くしてもらってありがたいよ。明日と明後日は視察の予定をしているんだ。5日目には城にマーケットを開いてくれるらしい。」
「あっ、それは私も聞いているわ私も旦那様と子供達と参加するつもりよ」
「あの…マーケットって?」
「シルビア様は初めてよね。マーケットはお天気が良ければ城の庭にテントをたくさん建てて、色んな商会を呼んでね、好きな物を買うのよ。城に呼ぶだけあってとても良い品が多くて、こちらでは毎年春に1回開くんだけれど、今回は特別にお兄様の為に開くみたいね、お父様もお母様もお兄様の大ファンだから。私もね、5歳と4歳の子供がいるんだけれど、二人ともとても楽しみにしているのよ。」
「シルビアも色々買い物すると良いよ。市場と違ってゆっくり買い物出来るから安心すると良いよ」
「はい、ありがとうございます。楽しみです。」
それからも、エトワール様とたくさんおしゃべりして、マーケットで会いましょうねと言ってお別れしました。
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