悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

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討伐依頼-1

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学園で起きた全ての事件処理が終わって2ヶ月。私はいつもの生活を取り戻し、毎日平穏で充実した日々を送っていました。

「討伐依頼ですか?」

「あぁ、毎年火の季節になると南の砂漠地方から『火竜』の討伐依頼が来るんだが、今年はシルビアも一緒に付いて来て欲しいと思っているんだ」

「私もですか?」

「あぁ、丁度火の季節には学園も2週間の長期休暇があるし、その時一緒に付いて来て欲しいんだ」

「行きたいです!」

「決まりだな。詳しい日程はアンドレからまた連絡させるよ」

「わかりました。アンドレ様よろしくお願いします」

そうして、私も火竜討伐に参加する事が決まりました。

朝食を終えて、いつもの様に学園に向かう馬車にリオと二人で乗り込みます。
馬車の中、二人手を繋いで、イチャイチャタイムです。

今年の火の季節は南の砂漠で竜討伐。
でも、これって二人で旅行?
いやいや、お仕事だよね。
でも…ノースウッド王国からトルティア帝国に来る時の旅とはまた違うよね。
あの頃から比べると二人の距離はずっと近づいているし…
口づけだってもう何度もしてるし…

「シルビア?顔が赤い、熱があるんじゃ…」

そう言ってリオがおでこをコツンと、私が熱を出していないか確かめようとします。
リオの突然のアップにますます顔が赤くなります。

「可愛い」

チュッ!

すかさず、軽くキスされてしまいました。

そうこうしている内に馬車は学園に到着しました。
赤い顔のままリオにエスコートされて馬車を降りると、エリオ様とシンディに呆れたような目で見られ、

「殿下、いい加減にして下さいね」

と、リオが怒られていました。
なんか、ごめんなさい。


その日の午後、早速アンドレ様から竜討伐に関する資料が届きました。
夕食後、私はその資料をシンディ達と一緒に確認しました。

日程は火の季節の10日間。
場所は南の砂漠地帯。
討伐対象は『火竜の群れ』
毎年10頭から50頭ほどの群れを討伐しているようです。
今年は雨が少なかったので多くの竜が繁殖していて50頭ほどの群れになりそうだという事です。

「シンディ達はこの討伐に参加した事はあるの?」

食後のお茶を飲みながらシンディ達に討伐について聞いてみます。
シンディが

「私はありませんが、ビビアンやエリオは毎年殿下付きの騎士として竜討伐に参加していますよ。ねぇビビアン。」

「えぇ、毎年エリオ達と一緒に殿下に同行していますよ。砂漠はとにかく暑くて大変なんです」

「火竜は?強い?」

するとエリオ様が…

「火竜の討伐自体は問題ないですよ。毎年の事で我々も慣れていますからね。砦の近くに群れで毎年やって来るんですが、追い込んで纏めて殿下が火炙りにするんです。ただ相手も火の属性なのでなかなかしぶとくて、殿下が魔力量に任せて力尽くで燃やし尽くすって感じです。でも、今年は姫様が参加して下さるから討伐はもっと楽になるかもしれませんね?」

「私がですか?」

「火竜は水に弱いんですよ。」

ビビアンが答えてくれました。

「水?」

「えぇ、水魔法で攻撃すると動けなくなるんです。ただ火力が強いので、反撃されると水が蒸発しちゃって、並みの水魔法では威力が足りなくて、でも、今年は姫様が参加して下さるので、水もそうですが、氷魔法で核を砕けたら一瞬で終わると思いますよ。シルバーウルフの時も思いましたが殿下と違って姫様の魔法は討伐対象が綺麗なままなので、素材を丸ごと回収出来て、皆んな喜ぶと思います」

エリオ様が拳を握って力説して下さいます。

ビビアンが

「殿下は何もかも全て消し炭にしてしまいますからねぇ」

そう言って苦笑いしていました。

翌日、朝食にやって来たリオと討伐について話しました。
エリオ様達に聞いていた通り、毎年砂漠地方での討伐は骨が折れるそうです。
アンドレ様が私達にお茶のおかわりを注ぎながら、

「とにかく暑いんです。こまめに水分を取って、日差しをなるべく避けて、充分気を付けていないと、あっという間に熱中症になります。」

アンドレ様に続いてリオも

「火属性の私は他の者に比べればまだマシな方なんだが、もしかしたらシルビアにはキツイかもしれないな。砂漠の暑さを経験した事も無いし…」

「そんなに暑いんですか?」

「「物凄く暑いです!!」」

ビビアンとエリオ様が揃って答えました。

私は少し考えてリオに言いました。

「あの…リオ、こんな魔法はお役に立ちますか?」

私はそう言ってリオの隣に立ち、リオの手を取りました。
そして、少しだけヒンヤリする魔法を発動しました。

「これは…涼しいな… でも、シルビア、魔力は大丈夫なのか?ずっと発動し続けるのは大変じゃないのか?」

「このくらいだと殆ど使っていないのと同じですよ。気を抜くと魔力が勝手に漏れるので、その魔力の有効活用です。よく、料理長に氷室みたいだって言われて食材の傷みが遅くなるので喜ばれていました。」

「成程、確かにこれはとても良いかも知れない…」

「姫様、私も良いですか?」ビビアンが

「姫様、私も…」シンディが…

「姫様、俺も!」エリオ様が…

「お前はダメだ!」リオが…

「えーーーーー?!」

「お前はダメだ!」

エリオ様がリオに秒で拒否されました。

「殿下のケチ…」

私はビビアンとシンディに挟まれて、ほっぺたを膨らませるエリオ様を見て、笑いました。

ビビアンとシンディは

「「姫様、ひんやりして気持ちいいですう!」」

そう言って喜んでくれました。
私も嬉しくなります。

「ビビアン、シンディ、そろそろ離れろ!」

そう言って、私から二人を引き離したリオは私を横抱きすると、

「そろそろ学園に向かう時間だろう?送っていくよ。」

そのまま私を横抱きにして歩き出しました。

「リ…リオ、私歩きますから…」

「ダメ、これ以上シルビアを他の者に触らせたくない」

リオの言葉に私は顔を赤くし、ビビアンとシンディは呆れた目で私達を見ていました。

馬車に乗り込むと、私はリオの膝の上に乗せられたまま、学園まで送られたのでした。


















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