悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

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討伐依頼-3

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【リオネル】



今年も南の砂漠に竜討伐にやって来た。毎年砂漠に発生する火の季節の主、火竜の討伐は我が国の最重要案件の1つでもある。
火の季節は火竜の繁殖期。
ここで討伐しておかないと火竜が増えすぎて砂漠の国を超え、他領や王都までもが危険に晒される事になる。

10年前から私が父に代わり毎年火竜の討伐にやって来ているのだが、私の身を狙っているのは火竜だけではなかった。

16歳で初めて竜討伐にやって来たその夜私の寝所に女が入り込んできた。
私は暗殺者だと思いその女を瞬殺した。
女は筆頭族長カーンの娘だった。
私の妻の座を狙ってカーンが送り込んできたのだ。
その頃の私は女性に対し、非常に冷めていたので近づく女をことごとく排除していたのだ。
カーンの娘もその例に漏れず、私の手によって殺された。
私は

「死にたくなければ二度とこのような事はするな。次は無いと思え」

そう言って釘を刺したが族長達がそれに懲りることは無かった。

次の年は堂々と私に女をあてがって来た。
私の寝所で待っていた女が4人。
全て族長からの貢物だそうだ。
私は寝台に寝転がり、女の好きにさせたがピクリとも反応する事は無かった。

「用が済んだならさっさと出ていけ邪魔だ」

次の日、王子は不能だと噂が回った。
全く碌でもない女達だ。
好きでもない女に反応するわけがないだろう。
それから今まで毎年毎年、手を変え品を変え私を籠絡しようと頑張っていたみたいだが、私は族長達の罠に嵌ることはなかった。

気に入らない女に直接手を下した事もある。
魅了を使おうとした女は極刑に処した。
あれは第三族長の娘だったか…

私は彼らに恨みを買うような非道な事をした自覚はある。
だが、この街の男は女を道具のように思っている節がある。
女はアクセサリーであったり、奴隷であったり、都合良く使える物なのだ。
だから、失敗したと思う事はあっても、使えない女だったと思うだけで何の感情も湧かないようだった。
女達には気の毒だと思うが私にも感情がある。族長達の思い通りになる気はない。

今年はシルビアを連れてきた。

私の最愛、強く美しく正義感あふれる私の妃。
まだ婚約者だが…
もしも族長達がシルビアに手を出すようなら容赦はしない。
まぁ、シルビアは負けないだろうが…

「シルビア、族長達の魔の手から私を助けてほしい」

私はシルビアを自分の寝室に呼び、同衾する事に成功した。

「シルビア、そろそろ寝ようか」

「は…はい…」


「リオ、本当に来るんでしょうか?」

「ああ、間違いなく来るね。毎年毎年、彼らは懲りると言う事を知らないんだ」

暗闇の中、リオの腕の中でもぞもぞと緊張した様子のシルビア

可愛い…

すると、コトリと音がした。
腕の中のシルビアの身体が緊張して硬くなるのが分かる。
そして、衣擦れの音。
私達の横たわる寝台の天蓋がそっとめくられ、

「リオネル殿下…」

男を誘惑する艶めかしい声がした。

「誰だ?」

私は火魔法で火を灯す。
腕の中に愛しいシルビアを囲い、女を睨みつける。

「夫婦の寝室に夜這いとは随分厚かましい女だな」

「え?ウソ…!」

私の腕の中で顔を真っ赤に染めたシルビアを見て、女の顔が青ざめた。

「お前は第二族長シリカの娘か…命が惜しければ今すぐここから出ていけ!」

絶対零度の低い声が響く

「も…申し訳ありません…」

そう言うと女は慌てふためいて部屋から出て行った。

「あはは…シルビア、ありがとう。君のお陰で今日からゆっくり眠れそうだ」

「リオのお役に立てて良かったです。では、私も部屋に戻りますね」

そう言って寝台から出ようとしたシルビアの腕を掴み、私の胸の中に再び抱き寄せた。

「リ、リオ…」

「シルビア、帰らないで、何も不埒な事はしないと誓うから、だからどうかこのままで朝まで君と一緒にいたい」

そう言って、シルビアを寝台に押し倒し上掛けを被ってそのままシルビアを抱き締め、その唇に貪るようなキスをした。

ああ、このまま彼女を抱いてしまいたい。
そんな欲望を笑顔で隠して

「さぁ、もう何もしないからゆっくりお休み」

そう言ってもう一度シルビアの唇を奪った。

「何もしないって言ったのに…」

拗ねたような彼女の言葉に理性が飛びそうになるが、私は耐えた。
こんなに可愛いシルビアを前にして私は自分の忍耐の限界に挑戦した。

「ゴメンゴメン、さぁ眠って。もう本当に何もしないから」

そう言いながら、シルビアの髪を撫で、前髪を避けて彼女の額にお休みのキスをした。

しばらくすると、シルビアの規則正しい寝息が聞こえてきた。

私の腕の中で眠るシルビアをそっと窺うと、スリスリとまるで猫のように私の胸に身体を寄せて来る。

なんて可愛いんだ。

ここにいる間は、毎日一緒に眠ろう。
私は心の中でそう決めて、シルビアを抱きしめて眠りについたのだった。

















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