流石に異世界でもこのチートはやばくない？

第22話

「そうだなまずは少し昔話をしようか、昔私がまだAランク冒険者で三人パーティー組んでいた頃に、私達がクエストの帰りの森の中で、一人の少年の冒険者が怪我をして倒れて居るのを発見した……」


（そんな感じでエマさんは昔話しを始めた。要約するとその助けたその当時まだ少年だったラミアスの親父さんと、エマさんのパーティーの一人が恋仲になって、ラミアスを身ごもったのでその時にパーティーを解散した。でも、それではラミアスの秘密が何なのか分からないよな？ぶっちゃけそれはテンプレさんだしな。）


「それで？それじゃあただのラミアスの誕生秘話だよな？本当はもっと大切な話があるんだよな？それを言わなければいけないと思うぞ」

そうレンが言うとエマは睨むようにレンを見て、諦めた顔で話を続けた。

「あーもう！仕方ない。そうだよ話は終わりじゃない、そう、ラミアスの父親と結婚したのは……私の妹のメアリーだよ！そして当然私の妹なのだからメアリーもエルフって事さ」

「て、事は………ラミアスはハーフエルフって事か？」

それまで黙って聞いていたラミアスは、戸惑いを隠せないでいた。


「え？私のお母さんがエルフ？そして私がハーフエルフ？……でも私のお母さんは人間でしたよ？」

そう言ったラミアスにエマは、首を横に振りながら言った。

「ラミアスお前昔に母親から大切な物だから、絶対に肌身離さず持ってなさいと言われて持っている物は無いかい？」


そう言われてラミアスは、胸元から金色のネックレスに、エメラルドグリーンのような石が付いている物を取り出した。

「これは昔にお母さんがこれには神様が宿っているから、絶対に外したら駄目だと言われて一度も外した事がありません」

「そうそれがお前のハーフエルフの力を抑えているものだよ。そしてそれと同じような物をメアリーは、指輪にしてつけていたから人間の姿で暮らしていたのだ」


「でも、何故お母さんは自分がエルフって、隠して暮らして居たのですか？」


「それは私がお答えしましょう！それはエルフの国では、エルフと人間での子供は昔からの災いの種と言われているのです。だからメアリーはあなたを産むまで人目のつかない森の中で暮らしていたのです。」

「何故フラウさんがそこまで詳しいのですか？」

フラウは優しそうな顔で言ってきた。


「それは、私もそのパーティーの一人であなたが産まれてからも、しばらくは一緒にメアリー達と暮らしていたからね」

流石にそれには驚いたラミアスはエマとフラウの顔を何度もみた。見られていた二人は笑顔で頷いていた。


「なるほどね、それで俺の鑑定でみても種族を見れなかったのか？ん？でもどうしてスキルも見れなかった？それにスキルが見れないとしても本人には使える筈だよな？」

そんな疑問を口にしていたらエマが答えた。


「それは私が封印をして居るからだよ。もしもそのスキルが発動するとすぐ人間じゃないと周りにバレるからね、だから私が封印した。」


「なるほどそのためにと言うか妹とその子供いや、姪がこの町で暮らせる為にギルマスになったのか？」

「なな、そんな事は無いぞ……ギルマスになれば好きなだけおやつを食べる事が出来ると思っただけだ……」

そんな事を言いながら、顔を真っ赤にして顔を反らした。

「それにしても、エマさんとフラウさんの年齢は何歳なんだ？ラミアスの両親とパーティーを組んでたってことは？」

「うおっほん！レン！女性に年齢を聞くのは良くないな！」

「そうですよ！特にエルフは人族より長生きなんですからね！」

「でも、ラミアスは見た目と年齢は同じだよな？ハーフエルフは人族と同じなのか？」

（鑑定した時に18歳ってなってたよな？）

「いや、それも封印の効果だ。その効果のお陰でメアリーの寿命が短くなったのだからな……」

「え、それじゃあお母さんが死んだのは私を産んだせいなのですか？」

「ああ、結果的にはそうなのだが、でもな勘違いするな！メアリーは何も後悔はしてなかったぞ。お前を身ごもった時に人間として生きる事のデメリットよりも、家族と人間として暮らせる事の幸せを選んだのだからな……本当に幸せそうだったよ。」


「確かにお母さんが死んだのは、私が10歳までの記憶しか無いけど凄く幸せでいつも笑顔でした」


「ああ、でもなお前の父親のランスは、始めは納得していたのだが年月がたつにつれ後悔するように酒に溺れてしまい。自分の娘を恨む事も出来なく結果自分を壊してしまったのだ」


「お父さんはいつも、お酒で酔っぱらうとごめんな、ごめんなと謝っていました……それは自分が家族を守れなかった事への懺悔だったのかもしれませんね。今はきっとあの世でお母さんと出会えて幸せになっていると思います………………」


そう言ったラミアスの肩をレンは抱き寄せ、思う存分泣かせてやっていた。それを見ていたエマとフラウは昔を懐かしむように見守っていた。しばらく部屋の中がラミアスの鼻をすする音だけが響いていた時に、何かを思い出したフラウがエマに話かけた。


「そう言えばエマ？何の為にレンさんを部屋に呼んだの？ただ実力を見るためだけではないでしょ？他に何かあっての事でしょう？」

「あっ！そう言えばそうだったな！なんか話しがそれたから忘れてたわ」

「いや！それはあなたが悪いのですよ？いきなり攻撃した事が、まぁそれはあとでお仕置きしますけど！まずは話しをしましょう」

そう言われたエマは顔が青ざめているが話しをしなくてはと、我慢して話しを始めた。


「そうね！じゃあ話しを始めようか………単刀直入で聞くけどレンあなたはいったい何者なのだ？普通の人間では有り得ない程の魔力を持って、あの殺気を放つなんてお前は人間なのか？それとも魔物なのか？」


（まぁそうだよな……普通の人間では感じ無いけど、元Aランク冒険者でジークのギルドマスターであるエマさんならそう感じるよな……さて、どうするかな………誤魔化す事はできるけど、この三人は信用できそうだしな大丈夫だろう）

「ああ、分かったラミアスにも言ってない俺の全てを…………話そう！ただこれを他に漏らしたらその時は覚悟をしてもらうぞ」

そうレンは殺気をもらしながら言い放った！