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第六章 災害
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嫌味のように感じるほど、まだ爽やかな冬の風が辺りに漂っている。
清一郎たちは昨日と同じように足場に気をつけながら郷へと入っていった。
足音に気がついてこちらを見る郷の住人の視線は相変わらず鋭いが、その中でもフミとその周りの女たちだけは優しく手を振ってくれた。
「あにぃ、勝兄さん、本当に来てくれたんじゃな。」
昨日よりもわずかに亡骸が多い。奥では夫か子どもを亡くしたのだろうか、若い女が泣いていた。
そういった中なのでフミもいつも通りとはいかず、空元気のように清一郎には見受けられた。
「フミちゃん、少しだが食糧と薪を持ってきた。これは皆の分だが、私たちもご相伴に預かっても良いか?」
「うん。……ええよな、ミヨおばちゃん。」
「ああ。アンタのおかげで夕べはみんな飯が食えた。ここにいる間は私ら協力するよ。」
勝がそうして女たちと親交を深めている最中だったが、清一郎は荷物を下ろすと無言で自宅のあった場所に向かい、昨日と同じように家族を探し始める。
「おはよう、清二郎。」
手を動かしながら弟に声をかけるがまるで反応がない。やはり自分は許されないほど大変な思いをさせたのだと、清一郎が心に影を落とす中、女たちの歓声が聞こえてきた。
どうやら物資の中に麦と米を混ぜたものがあることに喜びを隠せなかった様子だ。どちらも郷では作っていないので、久しぶりに食べるのかもしれない。
「こっちは和夫だ。普段は清一郎と一緒に仕事をしている。」
「お願いします。しっかしフミ、さんは清一郎さんそっくりだなあ。」
父親の遺伝が強い二人は、幼いころから顔が似ているとよく言われてきた。
そうは言っても女性らしく快活なフミに、和夫も思わず動揺してしまっているらしい。話しかける声が時々裏返っている。
「……け。沖の者が仲間を増やしよって。郷に悪さする準備か。」
和やかな様子が気に入らないのか、清二郎は物資に喜ぶ女たちと勝を睨みつけて言った。
その氷のような視線に同調するような人間もちらほらいる様子だ。もちろんこの惨状のせいもあるかもしれないが、沖の者は全て悪だとばかりに言われた教えは根深い。
「清二郎、やめんか。和夫には沖も津波のせいで人手が必要なとこ無理を言って来てもらったんじゃ。」
「そうじゃ。助けの間はいてええって決めたじゃろうが。」
現実的に少しでも多く救うには清一郎たちの力を借りなくてはいけないと、特に年嵩の者はわかっているようで、今郷に必要な食べ物と薪を持ってきたことで堪えると決めた住民もいるようだった。
だが、清二郎や郷の教えを深く信じている者はそれも気に入らない。
今度は清一郎たちの滞在を許した者にさえ怒りを向けそうな勢いであった。
「助けてもらわんでええ。沖の者は信用できんし、裏切り者はもっと信じられん!フミもフミじゃ。こいつのせいでどんな目にあったか忘れたんか?都合の良いときにだけ来て何企んでいるんじゃ!!」
その弟の叫びは何よりも清一郎に応えた。
もう故郷にも家族にも、自分の居場所がないのだと確認するには十分な言葉が、清一郎の心にどうしようもないものへの諦めを思い起こさせる。
「にぃにぃ、やめるんじゃ。」
フミの悲壮な声が味方してくれたが、それは清一郎には何の救いにもならない。
返す言葉もなく、それでも途方に暮れることも出来ず土と砂を撫でるだけの清一郎は、おそらくツバを吐きたいような気持ちでいるであろう弟の顔を見ることができなかった。
「な、なんじゃお前ッ、乱暴か?!」
心を亡くしてしまいそうな清一郎すぐ近くで弟の慌てたような声が森中に響いた。
ハッと顔を上げれば、和夫が清二郎の胸ぐらを掴んで鬼の形相で睨みつけている。
さすがに止めないと、と清一郎は立ち上がるが勝は動く気配すら見せない。気持ちは和夫と同じとでも言いたげな表情だ。
「和夫、喧嘩はいかんと言ったじゃろう。よさんか。」
「止めねえでください。俺は、俺がバカにされんのは我慢できるが、清一郎さんを悪く言うなら話は別だ!もう許せねえんです!!」
自分を思ってのこととなれば清一郎も宥めることが難しい。困惑のままに勝を見るが、こちらも清一郎の弟を睨みつける表情のまま腕を組むだけである。
和夫は噛み付くように間近まで顔を近づけると、その胸ぐらを揺さぶって清二郎を怒鳴りつける。
「てめえが苦労してきたのは清一郎さんから聞いたけどよぉ、弟にそんなこと言われちゃあ清一郎さんは二度と故郷に帰れねえだろうが!!てめえに帰れねえ切なさが分かんのかよ?!」
言葉だけでは足りなかったらしく、大きく息を吸い込むと清二郎の額に思い切り頭突きをしてから胸ぐらを解放した。
和夫は心ない言葉で故郷を追われ、二度とその敷居をまたげない心持ちでいる。
自分の時と重なったからこそ清二郎の振る舞いが許せなかったのであろう。
双方額が赤くなっていて、清二郎に至っては両手でそこを押さえて、悔しそうに顔を歪ませている。和夫は興奮に痛みを忘れているのか、今度は清二郎に同調した者を一人ずつ睨みつける。
「てめえらもだ!!揃いも揃って必死に助けに来た清一郎さんを悪く言いやがって、気に入らねえ。でもこの下にも清一郎さんの仲間がいる。さっさと助けてこんな胸糞悪いとこ、三日なんて待たねえで出てってやらあ。二度と来たくもねえ!!」
フンと鼻を鳴らして肩を怒らせたまま和夫はフミたち女のもとへ行くと「どこが進んでねえんだ?」と聞き出した。
目つきが悪いままだったので若干女たちも怯えてはいたが、そんな和夫の肩を勝が愉快そうに何度も叩いた。
「よく言った、和夫。」
「勝まで何を言い出すんじゃ。」
「清一郎、私だって町の代表だから黙っていたが、お前を傷つけられて内心腸が煮えくり返っていた。お前は一度として家族への愛を絶やしたことがないというのに。」
その言葉に勝が決して清一郎の心を諦めないことを思い出した。この男はいつだって清一郎が思いやりで自分を捨てることも、傷つけられることも良しとしてこなかった。
「……皆、和夫から聞いた通りだ。我々は三日間のみ人命救助のために滞在する。そのための物資も持ってきた。その後の身の振り方は各々考えると宜しい。だが、このような場所に清一郎を渡すとは思ってくれるな。」
勝はそう清一郎の弟を睨みつけて宣言をすると、何事もなかったような顔に戻って、女たちの案内で荷物を残った家の方へと運んでいった。
三日という期限に郷の住人も動揺している様子だ。勝の言い方はこれ以降、救援物資は届かないことを匂わせていた。
おそらく清二郎も気づいているようだった。手を動かしながらも、周囲と清一郎の顔を交互に眺めている。
これ以降の救援がないのは町の方針でもあるので、早々に言えたのは郷の人間に考える時間が出来て良かったとは思いつつ、清一郎は埋まらない郷と自分との距離に焦りを感じてしまう。
だが、それに集中もしていられず、必死になって地面を掘り起こす作業へと戻っていった。
清一郎たちは昨日と同じように足場に気をつけながら郷へと入っていった。
足音に気がついてこちらを見る郷の住人の視線は相変わらず鋭いが、その中でもフミとその周りの女たちだけは優しく手を振ってくれた。
「あにぃ、勝兄さん、本当に来てくれたんじゃな。」
昨日よりもわずかに亡骸が多い。奥では夫か子どもを亡くしたのだろうか、若い女が泣いていた。
そういった中なのでフミもいつも通りとはいかず、空元気のように清一郎には見受けられた。
「フミちゃん、少しだが食糧と薪を持ってきた。これは皆の分だが、私たちもご相伴に預かっても良いか?」
「うん。……ええよな、ミヨおばちゃん。」
「ああ。アンタのおかげで夕べはみんな飯が食えた。ここにいる間は私ら協力するよ。」
勝がそうして女たちと親交を深めている最中だったが、清一郎は荷物を下ろすと無言で自宅のあった場所に向かい、昨日と同じように家族を探し始める。
「おはよう、清二郎。」
手を動かしながら弟に声をかけるがまるで反応がない。やはり自分は許されないほど大変な思いをさせたのだと、清一郎が心に影を落とす中、女たちの歓声が聞こえてきた。
どうやら物資の中に麦と米を混ぜたものがあることに喜びを隠せなかった様子だ。どちらも郷では作っていないので、久しぶりに食べるのかもしれない。
「こっちは和夫だ。普段は清一郎と一緒に仕事をしている。」
「お願いします。しっかしフミ、さんは清一郎さんそっくりだなあ。」
父親の遺伝が強い二人は、幼いころから顔が似ているとよく言われてきた。
そうは言っても女性らしく快活なフミに、和夫も思わず動揺してしまっているらしい。話しかける声が時々裏返っている。
「……け。沖の者が仲間を増やしよって。郷に悪さする準備か。」
和やかな様子が気に入らないのか、清二郎は物資に喜ぶ女たちと勝を睨みつけて言った。
その氷のような視線に同調するような人間もちらほらいる様子だ。もちろんこの惨状のせいもあるかもしれないが、沖の者は全て悪だとばかりに言われた教えは根深い。
「清二郎、やめんか。和夫には沖も津波のせいで人手が必要なとこ無理を言って来てもらったんじゃ。」
「そうじゃ。助けの間はいてええって決めたじゃろうが。」
現実的に少しでも多く救うには清一郎たちの力を借りなくてはいけないと、特に年嵩の者はわかっているようで、今郷に必要な食べ物と薪を持ってきたことで堪えると決めた住民もいるようだった。
だが、清二郎や郷の教えを深く信じている者はそれも気に入らない。
今度は清一郎たちの滞在を許した者にさえ怒りを向けそうな勢いであった。
「助けてもらわんでええ。沖の者は信用できんし、裏切り者はもっと信じられん!フミもフミじゃ。こいつのせいでどんな目にあったか忘れたんか?都合の良いときにだけ来て何企んでいるんじゃ!!」
その弟の叫びは何よりも清一郎に応えた。
もう故郷にも家族にも、自分の居場所がないのだと確認するには十分な言葉が、清一郎の心にどうしようもないものへの諦めを思い起こさせる。
「にぃにぃ、やめるんじゃ。」
フミの悲壮な声が味方してくれたが、それは清一郎には何の救いにもならない。
返す言葉もなく、それでも途方に暮れることも出来ず土と砂を撫でるだけの清一郎は、おそらくツバを吐きたいような気持ちでいるであろう弟の顔を見ることができなかった。
「な、なんじゃお前ッ、乱暴か?!」
心を亡くしてしまいそうな清一郎すぐ近くで弟の慌てたような声が森中に響いた。
ハッと顔を上げれば、和夫が清二郎の胸ぐらを掴んで鬼の形相で睨みつけている。
さすがに止めないと、と清一郎は立ち上がるが勝は動く気配すら見せない。気持ちは和夫と同じとでも言いたげな表情だ。
「和夫、喧嘩はいかんと言ったじゃろう。よさんか。」
「止めねえでください。俺は、俺がバカにされんのは我慢できるが、清一郎さんを悪く言うなら話は別だ!もう許せねえんです!!」
自分を思ってのこととなれば清一郎も宥めることが難しい。困惑のままに勝を見るが、こちらも清一郎の弟を睨みつける表情のまま腕を組むだけである。
和夫は噛み付くように間近まで顔を近づけると、その胸ぐらを揺さぶって清二郎を怒鳴りつける。
「てめえが苦労してきたのは清一郎さんから聞いたけどよぉ、弟にそんなこと言われちゃあ清一郎さんは二度と故郷に帰れねえだろうが!!てめえに帰れねえ切なさが分かんのかよ?!」
言葉だけでは足りなかったらしく、大きく息を吸い込むと清二郎の額に思い切り頭突きをしてから胸ぐらを解放した。
和夫は心ない言葉で故郷を追われ、二度とその敷居をまたげない心持ちでいる。
自分の時と重なったからこそ清二郎の振る舞いが許せなかったのであろう。
双方額が赤くなっていて、清二郎に至っては両手でそこを押さえて、悔しそうに顔を歪ませている。和夫は興奮に痛みを忘れているのか、今度は清二郎に同調した者を一人ずつ睨みつける。
「てめえらもだ!!揃いも揃って必死に助けに来た清一郎さんを悪く言いやがって、気に入らねえ。でもこの下にも清一郎さんの仲間がいる。さっさと助けてこんな胸糞悪いとこ、三日なんて待たねえで出てってやらあ。二度と来たくもねえ!!」
フンと鼻を鳴らして肩を怒らせたまま和夫はフミたち女のもとへ行くと「どこが進んでねえんだ?」と聞き出した。
目つきが悪いままだったので若干女たちも怯えてはいたが、そんな和夫の肩を勝が愉快そうに何度も叩いた。
「よく言った、和夫。」
「勝まで何を言い出すんじゃ。」
「清一郎、私だって町の代表だから黙っていたが、お前を傷つけられて内心腸が煮えくり返っていた。お前は一度として家族への愛を絶やしたことがないというのに。」
その言葉に勝が決して清一郎の心を諦めないことを思い出した。この男はいつだって清一郎が思いやりで自分を捨てることも、傷つけられることも良しとしてこなかった。
「……皆、和夫から聞いた通りだ。我々は三日間のみ人命救助のために滞在する。そのための物資も持ってきた。その後の身の振り方は各々考えると宜しい。だが、このような場所に清一郎を渡すとは思ってくれるな。」
勝はそう清一郎の弟を睨みつけて宣言をすると、何事もなかったような顔に戻って、女たちの案内で荷物を残った家の方へと運んでいった。
三日という期限に郷の住人も動揺している様子だ。勝の言い方はこれ以降、救援物資は届かないことを匂わせていた。
おそらく清二郎も気づいているようだった。手を動かしながらも、周囲と清一郎の顔を交互に眺めている。
これ以降の救援がないのは町の方針でもあるので、早々に言えたのは郷の人間に考える時間が出来て良かったとは思いつつ、清一郎は埋まらない郷と自分との距離に焦りを感じてしまう。
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