子連れの界渡り

みき

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朝から・・・

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私とアルフレットさんだけになった部屋。

シーン

と静まり返る部屋。


ちょっと気まずい。


アルフレットさんはずっとシーツを持ったまま立っているだけだ。



以前までは娘を毎日寝かしつけていたのは私で、元旦那が子育てを手伝うことなんてなかったから何だか落ち着かない。

私以外の人が寝かしつけても、素直に寝たままでいてくれるか心配だ。



ロルフさんの申し出は本当に嬉しく思えたが、何もしていないとソワソワしてしまう。





私が中途半端な食事を目の前にどうしたものか迷っていた時、


ア「どうぞ娘さんはマスターに任せて召し上がってください。」
とアルフレットさんが私に言った。

由「でも、娘が素直に寝ててくれるか心配で・・・。やっぱり私、ちょっと見てきます。」
と腰を浮かせた私にアルフレッドさんは止めた。

ア「それこそ心配は無用ですよ。娘さんはたくさん遊んでいましたし、お腹も満たされていますから途中で起きてしまうことはないかと。」


由「そう・・ですか。」
と私はソファーに座り直す。


ア「あなたは病み上がりなのですから、もう少し周りに頼ってもよろしいんですよ?幸いにもここのギルド員は皆、子ども好きな者達しかおりませんから。安心してゆっくり“心”を休ませてあげてください。」
とアルフレットさんが優しくそう言ってくれた。




“心”を休ませる・・・



あぁ、そうか。

元旦那から離婚を切り出されてから、一人で子育てをすることに不安を感じ、

この知らない世界に来てしまってからも
「優愛を守らないと!」って気を張っていたから


もう心がいっぱいいっぱいではち切れそうだったんだ。




少しだけ休んでもいいかな・・・




一筋の涙が頬を伝っていると、
後は涙腺が決壊したかのように次から次へと涙が頬を濡らす。




声なく泣いていると寝室からロルフさんが戻ってきた。



ロ「今日もいっぱい遊んだから爆睡だな。のわっ!?なっ、なんっ、なっ(略:何で泣いてんだ?)」
と涙を流す私を見て慌て出すロルフさん。




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