ペンギンなう❤ レベル100を目指して戦っていたが死んじゃったので、ペンギンに転生して友達作ってほのぼのする話

サカナタシト

文字の大きさ
19 / 24

第十五話 Said エマ

しおりを挟む

「もうやだ~」

 森からさらに奥に入って、山の途中に出たと思ったら動けなくなっちゃった。
 なんでこんなことになっちゃったんだろ。
 最初は森の入り口で花を探していたんだけど、なかなか見つからなくってどんどん森の奥に入っちゃって、気が付いたら坂道を登っていたの。
 そしたら道がすごいズルズルすべって、気をつけなきゃって思ってたら、足を滑らせていて・・・・・・。
 すっごい高い崖から転げ落ちたから、アニーちゃんとエニーちゃんが怪我したみたい。大っきな声で泣いている。
 私も手足をうったらしくった体中痛い・・・・・・。
 それに、見ると服も顔も手足も泥だらけ。これじゃママにまた叱られる。
 今度は裸の刑だって言ってた。恐い。
 っていうか、こんなダンガイゼッぺキ登れない。
 もうここで死んじゃうのかもしれない。
 なんでこんなことになっちゃったんだろ。
 確かに、初めは私が考えた事だったんだけど。

 うちは、この間までアンお婆ちゃんと、リースお姉ちゃん(ホントはアニーちゃんエニーちゃんのママでオバさんなんだけど、オバサンって呼んじゃいけないんだって、なんでかな? )がお病気で寝てたの。
 長い間熱が下がらなかったんだけど、デミ姉ちゃん達が森でなんか草を取ってたらそれがよくって、お病気が治ったんだって。
 だから今度、ヤミバライだかトコバライだかのお祝いをすることになったの。
 うれしい。
 それでデミ姉ちゃんは、草を売るとお金になるから、それでプレゼントを買うって言ってた。でも、私そんなお金ないよ。
 どうしようかと困ってたんだけど、思い出したの。小従兄ちゃん(ちいにいちゃん)と本を見てたときに教えてくれた事を。お婆ちゃんが好きなお花の事を。
 白いきれいなお花。森にあるらしいって教えてくれたの。
 リースお姉ちゃんも好きなんだって。
 お花の形は大っきな本で見て覚えたからダイジョーブ。絶対見つけてプレゼントするんだから。
 ……って思ってたんだけど。
 なかなか見つからないなぁ。
 白い花なんて目立つから、すぐ見つかると思ってたんだけど。
 一日目は見つからないで帰ったら、ママに怒られた。
 服がいつの間にか泥だらけになってて。……恐かった。
 小従兄ちゃんのパパさんも時々怒られてる。
 その時のママはオーガ? みたいな顔してたってよく言ってる。それで余計に怒られてた。
 今日は怒られないようにお洋服汚さないようにしないと、と思ってシンチョーに森へ。
 だって、出かけるときにママに見つかって、

「もし服を汚したらあんた裸でいてもらうからね」

 って言われちゃった。
 裸の刑はよく分からないけど多分、とっても恐ろしい刑だと思う。
 気をつけなくっちゃ。
 と思ってたら、森に来た所でアニーちゃんとエニーちゃんに見つかっちゃった。

「なんで二人は付いて来るの? 」
「だってメグお姉ちゃんに見張っててってっててって? い、言われたもん」
「エニーも言われた、あたし達にはエマちゃんを見張るガム? ギム? があるんだよ」

 聞いたらママに見張りを頼まれたんだって。
 ママ酷い。私にジユウやジンケンはないのか、って言いたい。ジンケンってなんだかわかんないけど。
 もうこうなったら、二人を味方に引き込むしかない。決意した私は二人に秘密を打ち明ける。
「う~ん・・・・・・じゃあ、内緒だよ」
「え、う、うん」

 秘密のプレゼント大作戦(作戦名は今考えたよ)を二人に打ち明ける。

「うん、アニーもやる。プレゼントダイサクセン」
「えっとエニーもやるよ、そのダイサクセン」

 二人は意外とノリノリで私を手伝ってくれることになった。
 二人もお婆ちゃんが好きみたい。
 三人で探せばすぐ見つかるはず・・・・・・って思ってたけど。やっぱりお花は見つからない。
 二人も私を疑わしそうな目で見てくる。
 探しているうちに、どんどん森の奥に入っちゃうし、エニーちゃんは枝にぶつかるし、いいことが無い。
 ときどき、アニーちゃんやエニーちゃんが「足が痛い」とか、「お腹すいた、帰りたい」とか行ってくる。
 だったらついて来なければいいのに。
 私だって早く帰りたい。でも花が見つからないとプレゼントも出来ない。
 そのたびに「もうちょっとだから」とか「この先にあるよ」と言ってなんとか宥める。
 でもホントに見つかるのかな。だんだんと不安になる。
 そしてなんだか細い坂道に差し掛かったら、今度はアニーちゃんが足を滑らせて・・・・・・。
 
 見上げると三人が転げ落ちてきた崖が目の前にある。とっても高いところから落ちたみたい。しかもこんな断崖絶壁、上れそうも無い。
 大怪我したのかな、アニーちゃんもエニーちゃんも泣き出しちゃった。
 もう、泣きたいのはこっちだよ。

 服は汚すし、体のあちこち痛いし、お花は見つからないし、空は暗くなってくるし、帰り道もわからなくなっちゃった。
 私たちはここで誰にも知られすに寂しく死んじゃうんだ。
 そう思うとホントに悲しくなる。
 ママ、お婆ちゃん、ごめんね、サキダツフコウをお許しください。サキダツフコウってよくわかんないけど、なんかこういう時に言うらしい。
 眼に涙が浮かんできて回りがにじんだとき、天使が舞い降りてきた。
 シロクロのパンダみたいな天使だった。 

「ペンペン……? 」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

処理中です...