婚活パーティーで、国一番の美貌の持ち主と両想いだと発覚したのだが、なにかの間違いか?

ぽんちゃん

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婚約編

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 サプライズでシュヴァリエ様の誕生日パーティーを開き、みんなで豪華なディナーを楽しむ。
 ジャスティン様だけでなく、使用人からもプレゼントを貰ったシュヴァリエ様は、満面の笑みだ。

 実は、今まではライトニング公爵子息としてパーティーを開いたことはあるものの、身内で祝われたのは初めてだったそう。
 感動でちょっぴり泣きそうになっていたシュヴァリエ様は、僕からのプレゼントはないのかと、終始そわそわしていた。

 そんな可愛いシュヴァリエ様と別れた僕は、湯浴みの際に、いつも以上に丁寧に体を磨かれていた。

 「素敵な夜を」
 「っ…………は、はいぃぃっ」

 毎度言われている言葉だけど、その意味を理解してしまった僕は、声が裏返る。
 
 去っていく使用人の背を笑顔で見送るけど、僕の心臓はバクバクと音を立てていた。
 だって、いろいろとやらかしていることに気付いてしまったから……。

 「清い関係なのに、僕はシュヴァリエ様に骨抜きにされているって、言っちゃってるよぉ~~!!」

 枕を叩いてジタバタする僕は、恥ずかしすぎて死にかけている。

 毎晩、二人で濃厚な時間を過ごしていると思われていたから、セバスさんが僕を、だと言ってくれていたんだ……。

 騙すつもりは全くなかったのだけど、ライトニング公爵家にいる全員が勘違いをしている。

 そして、素朴な疑問が頭に浮かぶ。


 「ガンガン頑張りますと宣言していたけど……そもそも、婚姻前にしてもいいことだったの……?」


 ガンッと扉が叩かれる音がして、僕は慌てて寝台から飛び降りた。
 そっと扉を開ければ、口元を隠しているシュヴァリエ様が立っており、僕たちは無言で見つめ合う。
 
 そろそろと二人でソファーに腰掛けるけど、まるで婚活パーティーの時のように距離がある。

 ……僕の独り言は確実に聞かれてしまっていた。


 「お、お誕生日おめでとうございます!」
 「……ああ。ありがとう」


 いつもならすぐに今日の出来事を話しまくるのに、室内はシーンと静まり返っていた。

 とにかくプレゼントを渡そうと立ち上がった僕は、綺麗にラッピングした青い薔薇の花をシュヴァリエ様に差し出した。

 「僕が作った、世界に一つだけの花です」
 「っ……」

 驚きすぎて言葉を失っているシュヴァリエ様は、いろんな角度から青い薔薇を眺めている。
 きっと気に入ってくれたんだと確信した僕は、自然と笑顔になっていた。

 「シュヴァリエ様の瞳の色より、少し濃いですけどっ」
 「いや、すごく嬉しい……。奇跡の花だ。みんなに自慢したい気持ちは山々だが、やめておく」
 「ふふっ。サルース商会でも、青い薔薇だけは販売するつもりはありませんのでっ。シュヴァリエ様だけの、特別な贈り物ですっ!」
 「っ……ありがとう、リュセ」

 大切そうに青い薔薇を手にしているシュヴァリエ様は、世界で一番かっこよかった。

 今日から、青薔薇の貴公子様と呼ぼう。

 「今まで貰った贈り物の中で、一番嬉しい。圧倒的に、ダントツ……」
 「ふふふっ、誉め殺しだぁ~っ、んっ」

 ぐっと引き寄せられた僕は、普段よりも男らしい仕草を見せたシュヴァリエ様に口を塞がれていた。

 「んんっ……!?」

 唇を啄まれて、舌を吸われる。
 大人のキスにクラクラしている僕は、いつのまにか膝の上に乗って、抱きしめられていた。

 されるがままになっていた僕は、シュヴァリエ様にくたりともたれかかる。
 酸欠になって、ふわふわしている。

 触れるだけのキスも嬉しいけど……。
 すごく、しあわせだぁ……。

 
 「噂を……真実にするか?」


 うっとりとしていた僕の口の端を、優しく拭ってくれたシュヴァリエ様。
 真剣な瞳に射抜かれる僕は、とろんとしていた目を見開いた。

 かっこよすぎて気絶してしまいそうになったけど、首に腕を回して触れるだけのキスをした僕は、真っ赤な顔で頷いた。

 至極幸せそうに微笑んだシュヴァリエ様に抱き上げられ、寝台に向かう。


 みんなが話していた通りの熱い夜を過ごした僕たちは、身も心も結ばれた──。







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