尽くすことに疲れた結果

ぽんちゃん

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20 レオン

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 今注目を浴びている舞台俳優が、パーティー会場の中心に立ち、大勢の人に囲まれている。
 いつもは、俺の隣で肩を落とすエドワードを励ましていたのにな……。


 「あんな奴じゃなかったのに……。調子に乗ってるんじゃない?」
 「ま、まあまあ……。お世話になってるから、挨拶に行ったんだろう」
 「でも、僕たちに一言言うべきじゃない?!」
 「ハイ。ごもっともです……」
 

 予定通り二人で飯にしようと、アルバートと会場を後にしようとすると、会話を切り上げたエドワードが戻って来た。

 アルバートのブスッとした顔を見て、もう帰るのだと察したようだ。
 そして謝罪するのかと思いきや、後援者から貰ったプレゼントを俺に渡してきた。
 さすがにそれは貰えないからと、俺は戯けたように両手を上げる。
 

 「帰るなら、これをノエルに渡して欲しい」
 「…………は?」


 戸惑う俺を他所に、自信に満ち溢れた男は、上着のポケットから金を出した。
 真顔でチップまで渡された俺は、ついに堪忍袋の緒が切れた。


 「俺が行っていいんだな?」
 「ああ。今夜はエレーヌ様と約束があるから」
 「ノエルちゃんが寂しがってるのに?」
 「……ノエルがそんなことを?」
 「それくらい、言われなくてもわかるだろーがッ!!」
 

 怒りで殴りかかりそうになったが、すんでのところで必死に堪える。
 血が滲みそうなくらいに拳を握りしめる俺は、友人に軽蔑の眼差しを向けた。
 

 友人のエドワードが、変わってしまった。
 

 やる気はあるのに空回りしてばかりで、見ていて可哀想になるくらい必死だった男。
 俺も田舎出身だし、先輩として面倒を見てあげないとなって思っていたのに……。

 ノエルちゃんの誕生日を共に過ごす予定だったのに、ギリギリでパーティーに参加したエドワード。
 思わせぶりな態度を取るようなことなんて出来ない真面目な男は、今回も後援者を獲得出来ず、落胆していた。
 そんなエドワードを心配していたのだが、まさかの大物を捕まえていた。

 話を聞いた時は信じられない思いもあったが、俺も涙が出るくらい嬉しくて……。
 これでノエルちゃんを幸せに出来るなって、二人で馬鹿みたいに泣きながら祝杯をあげた。
 
 それなのに……。
 祝杯をあげた日から三ヶ月経った今では、四年もの長い年月を、身を粉にして支え続けてくれた相手を蔑ろにしている。
 どんなに忙しくても、少し顔を見せに行く時間くらいは作れるだろう。

 
 「本気で信じらんねぇ……。あとで後悔しても知らないからな!!」


 結局、俺はプレゼントを受け取った。
 ずっと密かな恋心を抱いていた相手に、会いに行くために──。






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