廻道めぐるは決まった道しか散歩しない

卯月春吉

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第2話:廻道めぐるのアニヲタ地点

秋葉原へいこう

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   今日は土曜日、私は部活で陸上部という所に所属している。
    短距離走を選び4時間くらい走り込みやトレーニング等をやっているが、初心者の私はすぐに疲れてしまう。
    憧れていた部活へ入るのは良かったが、まさかここまで体力が無くなるとは想像出来なかった。

    彼女はある友人と待ち合わせをしていた。

   「お待たせ!廻道さん!」
   「間に合って良かったわ。」
   「さあ、一緒に出掛けましょう♪」
    
     2人が来たのは秋葉原だった。
     ここは電気街の他にもアニメグッズや腐女子本屋など色々ある店なのだが、彼女たちの目当ては────



  「グッズを買うわよ。」



    ────それが目当てである。


      
       手作りのしおりを持って来た委員長は予定の所を確認した。

     「11時にアニマイルに買い物、13時に昼食、14時は腐女子本屋にて買い物、15時におやつ、16時にイベント、18時に夕食ね…19時にプリクラね…成程…。
    そんな感じの日程だけど大丈夫?」

   委員長はそんな彼女の体調に心配をする。

  「そんなのいつもの事だと思っているし、大丈夫よ。」
  「…ってかなんのイベントなの廻道さん?」
  「イベントというのは、“歌のキングダム様”のDVDとCD発売日の予約をしていたのよ。
    14時に取りに来てくださいと言われたからね。」 
  「そうなんだ。
    なんのアニメのDVD?」
  「銀盤に恋してのやつ。」

    その短い時間帯をイベントというのは違うのではないかと委員長は思ったが、彼女に余り言わないでおこうと黙った。

   アニマイルに着いた彼女達が目にするのは何故かDVDの1話の画面をじっと見ていた。



【やあ、君が天才少年なんだな?】
【いえ…全然…。】
【照れ隠ししなくたって大丈夫だよ!
    君は将来がある、俺みたいな立場と違って若いし、まだ10代だろ?】
【はあ…。】
【さあ!一緒に銀盤を滑って世界を目指そう!】



  「凄いね…こんなの見ているんだ…。」
  「“こんなの”という言い方は無礼だわ。」
  「すみません…。」
  「このアニメの内容って一体どんな感じなの?」
  
  「世界を知らない日本の男子フィギュアスケーター氷川良一っていう10代の子が主人公なんだけど、その女性コーチである鋼兵美弥子がロシア人男性コーチを呼び出して世界を目指す話よ。」
  「へえ~かっこいいね。」
  「そのロシア男性のコーチがかっこい…。
   ディミトリ…。」

   テレビをみながらきゅんきゅんする恋する二次元乙女。
   その若い20代の金色の短髪男性が好きになる気持ちがなんとなく理解できたが、委員長の目線は何がいいのか全く掴みどころがない感じに思えた。

   「買い物、しようか!」
   「そうね。」

    彼女たちはメッセージキーホルダーやキャラクターゴム、ファイルなど全10種類をお買い上げをした。

   そしてお昼はアニマイルカフェで食べる事になったが、初めて行く委員長はなんだか新鮮味な感じで写メを撮っている。

  「いやぁ~買い物ってこんなに楽しいって思ったのは初めてだよ。
   まさか廻道さんがアニマイルカードを持っているなんて知らなかったな…。」
  「いつも行くから。」
  「そうなの?
    私なんか余りアニメとかプリクラで一緒に撮るという事が無縁で勉強漬けだったからいい思い出なんか無かったよ~。」

  「でも、今いい思いをしているじゃない?」
  「そうだね♪」

    委員長が初めてこのアニメの世界観を知ったのは彼女のお陰だ。

   弾ける笑顔を見た顔は彼女にとってプリクラを撮りいい思い出になった。



────そして帰り道、一緒の電車に乗った。



   「1日早かったな…。
     腐女子本屋なんて初めてだったしあそこって…────」
  「りゅうのあな?」
  「そう!りゅうのあなよ!
    あのBL本の良さを初めて知った時はそんな感情で教科書のように読むんだって、隣の人を見て分かったよ!」
  「ニヤついて読む人なんていないからね。」
  「そうよね、変だしね…。

   また、秋葉原へ行こうね♪」
  「うん、今度は貴方を推薦できそうなBL本を探すわ。」



   「ありがとう!」



  ────彼女たちのいい思い出の1ページとなった。

   そして知らない私は部活から帰り、風呂へ入ってすぐに就寝。
   初めての部活動で汗をかくのはいいが、体力の限界まで追い込んで疲れて果てた。

    そして月曜日はまたアニメオタクの話で持ちきりになるだろう。

    彼女のアニメオタクが始まったのは私が見ていた“ぷるキュアからだった”と彼女はいうのがきっかけだったという。
    そのきっかけの話先になるが明らかになりそうだ。


                 
                                             
                                                            続
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