廻道めぐるは決まった道しか散歩しない

卯月春吉

文字の大きさ
16 / 31
第4話:附田仁花の災難?

付き合うという事は

しおりを挟む
  「仁花ちゃんって付き合うという意味って分かっていないのね。」
  「え?」
  「あのね、付き合うっていう事は恋人同士だし2人きりで帰るのは当たり前よ!」
  
    委員長は仏頂面をしながらコーヒーを飲んだ。
   今、4人で喫茶店で飲んでいるのだが、彼と彼女はカウンター席、私と委員長はソファー席に座っている。
   友達に怒られたのは初めてであり、私は空気の読めない存在と思われている。

    コーヒー皿を鳴らし、委員長は叱った。

  「彼女なら彼の気持ちを察してあげないと可哀想だよ!」
  「はい…。」
   
    私は自分の行いに反省をした。
    確かにあたしのやっている事は彼を勝手に巻き込んだようなものだ。
    
   その話を聞いていた彼が私達の方へとにこやかにやって来た。

  「委員長、良いんだよそれは!
    俺が自分勝手なのがいけなかったんだ。
    どっちも空気読めないもの同士のカップルなんて似た者同士でいいと思わないか?」
  「…。」
  「まあ俺も1回怒られたからお前の気持ちが痛い程分かるけどな。」
  「こっちだってこの2人に怒るのに体力消耗したからね…。」

    委員長が呆れられるのは確かにそうだと思った。

  「まあ経験が無い私が言うにもなんだけど、付き合う事というのは人を巻き込むトラブル的な事は絶対に避ける事、相手側の考えも寄り添うというのが幸せに導くものなの。
     私も本当は巻き込みたくないからなるべくは避けて欲しいんだよね…。」
  「…なんだかごめんな、委員長。」
  「間さん、ごめんね…。」
  「いいわ、楽しい話になればいいわね。」
  「うん…。」

    委員長の一言で私も彼も誓った。
   そして3人となった私と彼と彼女はその道が一緒の為、帰り道歩きながら話した。

   「委員長、たまにいい事言うよな…。」
   「どうして?」
   「道徳心があるなと思って、まるで先生に叱られたような気分だった。」
  「あんたって、先生に怒られているもんね…。
   『服装がだらしがない』とか『髪型を整えなさい』とかさ。」
  「お前…なんでその事を…。」
  「彼女だからかしらね。」
  「そんなの関係あるのか?」
  
  「あるわよ。」

  ────彼女足を止めた。




   「気になる相手を理解してないなんて興味が無いし、好意を持っているならその相手の弱点や、いい所を探すと思うわ。」


    
     
    確かにそうだと思う。
    これは女子にしかできない事、好きでもないなら気にならないのもそうかもしれない。
    もし、彼の事を興味すら無ければ私は知り合いのようなものでしか彼を見ないだろう。

    彼は言った。

   「じゃあ俺のような男はどう考えるんだ?」
  「貴方は他の男子達に答えを貰っているはずよ。」
  「男子に答えなんてねぇよ、女子には答えを貰うけどよ。
   自分で探せっていう世界だ。」
  「そうなの?」
  「まあな。」

   彼の男子の世界というのはそういうものなのだろうか?
   私には理解出来ず、結局家で父に相談を持ちかけた。

   「ははははは!
     まさかお前を付き合ってくれる優しい男子が居たとは知らなかったよ…。
    相手はどんな子だ?ん?」
  「サッカー部に入ってて面白い子かな?」
  「面白い子か… 恋愛経験は?」
  「何人か片思いがいてそれだけで終わったっていう事だからゼロかな。」
  「そっか…。」

    父は関心しながらその子の事を考えている。
   父は思いつきで言った。

 「きっと真面目な子かもしれないな…。
   仁花の事を大切に思っているという子だ!」
  「そうね、きっと優しい子なのよ!」
  
   両親は盛り上がるが、アイツはチャラ男だぞとは言えず、唯々その様子を見ている事しかできなかった。

  「仁花、結人君を誘って家へ呼びに来てあげなさい!
   お父さんもその子に会いたいからな…。」
  「お父さん、自分の恋愛経験をブイブイ言いたいだけでしょ?」
  「そんな事ない!お父さんは上から自分の経験を押し潰すような事はしないぞ!」
  「本当かな?」

    彼女が小学生の時、父がの前で自分の経験を話す所を見たため、恥ずかしさを感じた事がある。
   口だけで本当にやりそうで危険だ。
   

   そして翌日、登校する時に彼と話した。
  「結人。」
  「なんだ?」
  「お父さんが結人に家に呼びたいんだってどうする?」
  「行く!」
  「え?」
  「だって家だなんて結構ラッキーな事じゃん!俺もお前のお父さんに会いたいしな!」
  「やる気が違うな…。」

    普通であればアタフタ困惑するのが当たり前だが、彼はやる気がある。
   その意思を壊してはいけないと思い、その日時を相談した。

  「何時だったら空いてるの?」
  「来週の土曜日だったら空いてる!」
  



                                                                   続
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

くすのき君は妖怪が見えるけどそれはともかく趣味の人である。

くずもち
キャラ文芸
楠 太平は模型作りが趣味の高校生である。 彼には昔から妖怪という普通の人間には見えない存在が見えているのだが、それはそれとして楽しく暮らしていた。 そんな太平の通う学校に、神木杏樹という転校生がやって来る。 彼女にも実は妖怪が見えているらしいのだが、どうやら彼女は妖怪が見えることを持て余しているらしい。 そんな神木さんに見えることが速攻でバレた楠 太平はマイペースにやっていくつもりが、彼女のペースに呑まれてゆく。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...