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第7章 お前らの相手は俺じゃない!

王国騎士団入門

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…エヴァンデールの起こした事件から約2年、俺は16歳になった。

「…ここに来るのも久々だな…」

懐かしい学園の中道を通り王国騎士団の本部へと入って行く…向かうのは3階の騎士団長室……制服を整え、深呼吸…それからノック…

「…入れ」
「失礼します」

返事を聞いてから、ドアをゆっくりと開けた…

「よぉ、待ってたぞレオ」
「…本日より王国騎士団へ入隊しました、アブソリュート・レオンハルトです、宜しくお願い致します」

俺はビシッとグレイへ敬礼して見せる…が、グレイはほんの少し渋い顔をしている。

「…お前、いくら何でもそこまで真面目に挨拶されると寂しいだろ…初対面じゃねぇんだし…」
「うっせ、礼儀だ礼儀…新人が真面目に挨拶してんだ、ちゃちゃ入れてんじゃねーよ騎士団長様」

グレイのため息交じりなひと言で何時もの口調へと戻す、すると真面目そうな雰囲気を出して居た周りの騎士団達からも笑みがこぼれた。まぁ、全員顔見知りだしグレイとのやり取りは入団前からこんなだしな…

「…まぁ良いか…改めて、王国騎士団へようこそレオンハルト、歓迎するぜ」

そう言って右手を前へ差し出してくる。

「…おう!」

俺はその手を握り返すとグレイへ微笑み返して手を離したが…突然に腕を掴まれて引っ張られる。

「ぅわ…!?」

そのままグレイに抱き締められると、抵抗する間もなく腰に手を回され捕獲された…

「久し振りのレオはやっぱ良いな」
「意味分かんねぇ事言ってんな!人が居る前でなんつーことを…」

俺が慌てていると、グレイは楽しそうに喉奥で笑いながら俺の帽子を取り自分の机へ置いた。

「他の奴らならとっくに部屋の外に行かせたぞ、それに子供の時はハグなんて沢山しただろ?」
「用意周到すぎだろ!つか子供の頃のと今のハグは違うだろ!!」
「ん?何が??どう違うって??」

そう言うとグレイは楽しげに俺を執務机に押し付けた…グレイのスキンシップは前から多いと思ってたけど、15歳からランクアップした気がする…

「セクハラだぞ騎士団長…」
「セク…?どう言う意味かは知らねぇけど、お前もお子様じゃねぇんだ…自分の身くらい自分で守れんだろ??」

優しく額へと落とされた唇は、からかうように頬や首筋へと続けて落とされた…

「おい…初日から手ぇ出してんじゃねぇ…!」
「良いじゃねぇか、何時も居る邪魔な執事も今は居ねぇし…」

グレイが俺の制服に手をかけた瞬間、ドアが勢い良く開かれてイグナシオが入ってきた。

「…何時もは邪魔な…誰が居ないと?…」

…た、助けに来てくれたのは嬉しいけど…人を殺しそうなくらにの殺気を放ちながら微笑むのは止めてくれ…怖い…

「げ…お邪魔執事…」
「レオンハルト様に万が一何か御座いましたら大変ですので、私も此方へ入隊する事になりました。宜しくお願い致します……?」

…もしかしたら、笑顔恐怖症とかになるかも……

初日からなんとも言えない気持ちになった俺は、無事騎士団への入隊手続きをすることが出来た…。
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