74 / 218
第1章
74.失礼だがアホくさい発言。
しおりを挟む
色々と服を着せられ、どうせ着せ替え人形にされるんだろうなと覚悟して入った試着室。しかし渡されたのは1着のマリン服のようなものだった。
上の服は半袖で白ベースに、襟や袖、リボン…ネクタイのようになっている部分のみが紺色になっており、その紺色の部分に入った白のラインに山吹色の刺繍があしらわれていた。ズボンは半ズボンに色は紺色ベース。上の服と色を反転させたデザインだった。
セットのようについてある帽子。これもまた同じようなデザインで、白や紺、刺繍の山吹色。とても可愛く、素敵なものだった。
「とりあえずサイズみたいから、着てくれ」
「あい」
言われた通りに着替えるべく、試着室のカーテンをあけ、入る。しかし、自分の服に手をかけ、思い出した。
俺、1人で着替えれないんだ…と。
「あにょ、てちゅらっちぇ…」
「あ、そういえばそうだね」
そう言って直ぐにライさんが入っていいかと訪ね、入ってくる。
俺の着替えを手伝ってもらい、ついでにリスさんにも同じものを着せる。
「うわぁぁー!!かわっ、可愛いいっっ!!」
「「っ!入っていいか!!??」」
興奮気味のライさんが、期待にランランとした2人を試着室の中へ招き入れる。
別に入ってくる必要ないのでは?と思ってしまった。だって大人3人も入れば、流石に試着室という小さな個室では狭いのだから。
「「!!!!!」」
「……俺、もう死んでもいいかも」
2人はしばらく固まり、ようやくノアさんが口を開いたかと思えば発される言葉は意味不明で、失礼かもしれないがとてもアホくさかった。そしてそれに取れるのではないかという程縦に首を振るガイさんとライさん。
ちょっともう怖いかもしれない、この人たち。
「………あ、あにょ…………」
いつまでも引いていちゃいけないなと思い、感激のあまりなのか分からないが、瞳を潤ませる3人へと声をかけた。
「ノア、今すぐ手続きしてこい」
「そうだね!早く!今すぐ!」
「そうだな!!一刻も早く手続きをしなければ……!!」
そんな3人の会話は意味がわからず、まるでこちらに気づいていないようなその振る舞いに思わず呆れたような溜め息がこぼれてしまった。
「と、とりあえずこれ買おう!ね!」
「「あぁ!俺が買ってくる!」」
「「はぁ?!俺が買うんだよ!」」
「「っ!!」」
仲良く声を揃え今度はこの服の購入権で争い出した2人。まったくこの人たちは……。
「そ、そうだユキ。大事な事聞いてなかったね。この服、どう?気に入った?私たちだけで盛り上がってしまってるけど…」
そんな2人を横目に、ライさんが控えめに聞いてきた。
「しゅき!こえ、きりゅ!!」
「っ!そっか!なら良かった~!」
そうほっとしあようにこぼすライさん。
そして、未だ争っている2人にため息混じりに声をかけた。
「あのさ、1点ずつ買えばいいんじゃないの?」
「「え?」」
「じゃんけんでそれぞれどれを買うか決めればいいじゃない!私だってユキに買ってあげたいし。ちょうど買うものも3点あるじゃん」
「「あぁ、なるほど!じゃあじゃんけんだな!!」」
「「っ!また…!」」
ライさんのナイスな提案に賛同する2人だが、いつまで経っても息ぴったりでついイライラしてしまうようだ。
2人は割と息ぴったりになりがちで、そろそろ諦めたらいいのになと思ってしまうがそうはいかないのだろう。
上の服は半袖で白ベースに、襟や袖、リボン…ネクタイのようになっている部分のみが紺色になっており、その紺色の部分に入った白のラインに山吹色の刺繍があしらわれていた。ズボンは半ズボンに色は紺色ベース。上の服と色を反転させたデザインだった。
セットのようについてある帽子。これもまた同じようなデザインで、白や紺、刺繍の山吹色。とても可愛く、素敵なものだった。
「とりあえずサイズみたいから、着てくれ」
「あい」
言われた通りに着替えるべく、試着室のカーテンをあけ、入る。しかし、自分の服に手をかけ、思い出した。
俺、1人で着替えれないんだ…と。
「あにょ、てちゅらっちぇ…」
「あ、そういえばそうだね」
そう言って直ぐにライさんが入っていいかと訪ね、入ってくる。
俺の着替えを手伝ってもらい、ついでにリスさんにも同じものを着せる。
「うわぁぁー!!かわっ、可愛いいっっ!!」
「「っ!入っていいか!!??」」
興奮気味のライさんが、期待にランランとした2人を試着室の中へ招き入れる。
別に入ってくる必要ないのでは?と思ってしまった。だって大人3人も入れば、流石に試着室という小さな個室では狭いのだから。
「「!!!!!」」
「……俺、もう死んでもいいかも」
2人はしばらく固まり、ようやくノアさんが口を開いたかと思えば発される言葉は意味不明で、失礼かもしれないがとてもアホくさかった。そしてそれに取れるのではないかという程縦に首を振るガイさんとライさん。
ちょっともう怖いかもしれない、この人たち。
「………あ、あにょ…………」
いつまでも引いていちゃいけないなと思い、感激のあまりなのか分からないが、瞳を潤ませる3人へと声をかけた。
「ノア、今すぐ手続きしてこい」
「そうだね!早く!今すぐ!」
「そうだな!!一刻も早く手続きをしなければ……!!」
そんな3人の会話は意味がわからず、まるでこちらに気づいていないようなその振る舞いに思わず呆れたような溜め息がこぼれてしまった。
「と、とりあえずこれ買おう!ね!」
「「あぁ!俺が買ってくる!」」
「「はぁ?!俺が買うんだよ!」」
「「っ!!」」
仲良く声を揃え今度はこの服の購入権で争い出した2人。まったくこの人たちは……。
「そ、そうだユキ。大事な事聞いてなかったね。この服、どう?気に入った?私たちだけで盛り上がってしまってるけど…」
そんな2人を横目に、ライさんが控えめに聞いてきた。
「しゅき!こえ、きりゅ!!」
「っ!そっか!なら良かった~!」
そうほっとしあようにこぼすライさん。
そして、未だ争っている2人にため息混じりに声をかけた。
「あのさ、1点ずつ買えばいいんじゃないの?」
「「え?」」
「じゃんけんでそれぞれどれを買うか決めればいいじゃない!私だってユキに買ってあげたいし。ちょうど買うものも3点あるじゃん」
「「あぁ、なるほど!じゃあじゃんけんだな!!」」
「「っ!また…!」」
ライさんのナイスな提案に賛同する2人だが、いつまで経っても息ぴったりでついイライラしてしまうようだ。
2人は割と息ぴったりになりがちで、そろそろ諦めたらいいのになと思ってしまうがそうはいかないのだろう。
73
あなたにおすすめの小説
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める
亀野内アンディ
ファンタジー
「佐藤さんはお亡くなりになりました」
「え?」
佐藤竜、独身リーマン。ビルの倒壊で享年(40)案内役に連れられ天へと向かうが⋯⋯⋯⋯
「佐藤竜はさぁ、色んな世界でも特に人気の高い地球の日本に産まれて一体何を成し遂げたの?」
「え?」
「五体満足な体。戦いの無い安全な環境で育ち、衣食住は常に満たされて、それで何をしたの?」
俺は恵まれた環境であまりにもショボい人生を送っていたらしい。このままでは⋯⋯⋯⋯
「はぁ。どうしようかな。消すかな」
「な、何をですか?!」
「君を」
「怖いです!許して下さい!」
「そう?消えれば無に還れるよ?」
「お、お願いします!無は嫌です!」
「う~ん。じゃあ君は佐藤と真逆の人生を歩ませようかな?そこで人生経験ポイントを佐藤の分まで貯めなよ?佐藤とこれから転生する君の二人分の体験だよ?失敗したら今度こそは無にするからね」
「はい、死ぬ気で頑張ります!!」
ここから真逆の人生で経験ポイント貯める佐藤の戦いが始まる?!
モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!
ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。
一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて?
主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍?
「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」
『わふっ』
もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる