髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第2章

127.ガイさんのピアノ。

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楽器部屋がある方向へ進み、目に付いた扉を片っ端から開いては中を確認して…というのを4回程繰り返せば、目的の部屋が見つかった。

「みちゅけちゃ!ここら~!ふわぁぁ~~!」
「着いたな」

中を確認すればたくさんの楽器が置かれていて、ワクワクする。前世で俺は色んな楽器を習っていた。どれも途中でやめさせられて続けることは叶わなかったけど、唯一どこの学校にも置いてあるピアノは暇な休み時間などはよく音楽室へ行って弾かせてもらっていた。

「こえ、こえ、しゃわっちぇもいい?いい?」
「ワクワクだな((クスクス))いいぞ、ほら、これでいいか?」

ガイさんは笑いながら蓋を開けて、俺を抱き上げ、ガイさんは椅子に座り俺を膝の上に座らせた。俺だけが椅子に座っても届かないからだ。

こっちに来てからはもちろんこっちに来る前(前世)も忙しくてあまり触れていなかったピアノ。久しぶりに触れるんだと思うと、ワクワクが抑えられなくて、俺はポローンポローンとピアノの鍵盤をたたいた。

「お、ユキ音わかるのか?」
「ハッ!………わ、わかんにゃい、かも?」

嬉しくて一瞬忘れていたが、俺は記憶喪失設定。ピアノ弾けるなんておかしなことは出来ない。とりあえず知らないフリして、教えて貰ったらすぐ弾けた!ってことにしよう!俺は天才って思われるのも悪くない。この世界には兄はいないんだから、少しくらい天才だとチヤホヤされてみるのも許されるはずだ。

「かぁいしゃん、わかりゅ?」
「ん?俺弾けるぞ?少し弾いてやろうか」
「うぇ?!かぁいしゃん弾けりゅにょ?!」
「おう!これでも伯爵家の三男だからな!ピアノは習ったぞ!」
「しょうにゃにょ?!かぁいしゃんも、きじょくぅ?」
「そうだな。つっても、三男なんて殆ど役に立たない地位だ。今はあいつの護衛で、あいつの持つ騎士団の団長つぅのが俺の肩書きだ!」
「ほぇ~、しゅごい、ね!」
「おう!もっと褒めろ!」
「かぁいしゃんしゅごい!」

ガイさんが騎士団の団長だと言うのもまぁ驚きだが、伯爵家の三男だというのにはかなり驚いた。それに、ピアノ弾けるって、意外すぎる。言われてもあんまりピンと来ない。ほんとに弾けるのだろうか?聴きたい。聴きたすぎる。

「かぁいしゃん!ひーちぇ!こぇ!」
「おう!まかせろ!」

「🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶」

ほわぁ………ガイさん、すごく上手……意外すぎる……やばい……聞き惚れる……

ガイさんの奏でる音は、とても優しくて、でもどこか凛々しい、ガイさんらしい音をしていた。

「🎼.•*¨*•.¸¸🎶, ふぅ…どうだった?」
「しゃいこ~~!かぁいしゃんかっこいかっちゃ!みみ、ほわほわしゅりゅ!しゅき!」
「そうか?かっこよかったか?」
「うん!かっこいかっちゃ!しゅごい!」
「アハハ!そうかそうか、ありがとう」

マジでかっこよかった。俺も弾きたい!

「かぁいしゃん!ぽくみょ!…ぼくも、ひきちゃい!」
「ん、やってみるか!」
「あい!!」

ふわぁぁ~よかった。ほんとに良かった。ライブとかに行った気分だ。行ったことは無いけど。きっとこんな気分なんだと思う。耳がふわふわ幸せで、心がさわさわしてワクワクする。早く俺も以前みたいに沢山弾きたい。下手なふりとかあんなの聴いた後にできる自信が無い。







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