髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第2章

129.丁寧なガイさん。

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アミュートの背に乗って、食堂まで迷いながら向かえば、丁度到着する頃に俺のお腹がなってしまった。タイミングがいいのか悪いのか…恥ずかしかった。
中へ入れば、ノアさん達が昼食をとっていた。

「ユキ、ガイ!遅いぞ!待ってたのに来ねぇからもう先に食べ始めてしまった…」
「わ、申し訳ありません。ユ…坊ちゃんと屋敷の探検をしておりました。」
「そうか……ほらユキ、おいで」
「……」

ガイさんが、丁寧だ……。なんだか今日のガイさんには驚かされてばかりだな…。そう言えばライさんが初日に言ってたよね、この屋敷に来たからには、以前のように楽な話し方はできないって。人前限定だけど、ここは食堂で、使用人さんがいっぱい居るから………ん?俺の部屋の惨事の時もいたよね?え?あ……喋ってなかったわ。最後に俺を連れ出す時に話してただけだわ。

「ユキ?」
「ひゃい!」

ほんと俺考え事してる間ぼーっとしちゃう癖ついちゃったな~……。て言うか、坊ちゃんってやっぱり気持ち悪いな……なんでこう…前世に……

『ユキ!』
『え…』
『大丈夫だよ、また良くないこと考えようとしてたでしょ?お昼食べれなくなっちゃうよ。顔色が悪い』
『あ…ごめん、ありがとう、アミュート。』
『気にしないで。それより、大丈夫?』
『うん、ありがとう!』

危なかった…ナイスアミュート!ここで思考はストップしておこう。

「かぁいしゃん!おろちて」
「……」
「かぁいしゃん?」
「……ん…」

アミュートからおろしてもらおうと思ったら、ガイさんはなんだか切なそうに見つめてきて、どうしたのだろう?と思えば渋々と言ったように俺を下ろした。どこか寂しそう。

「かぁいしゃん、かかんれ!」
「ん?」
「かぁいしゃん、たぇたりゃ、まちゃ、あにょへや、いっちょちにいこね!」
「((パァ~ツ))…おう!」

よかった、嬉しそうだ!
ガイさんと食後の予定をひっそりこしょこしょ話で約束して、俺はノアさん空いている席へと自力で向かった。

「ユキ?俺の膝の上に来てくれるんじゃないのか?」
「ちうんれ!」
「……そうか……」

ノアさんはおいでと言って歩き出した俺を見て、てっきり自分の元へ来てくれると思っていたようで待機していたが、俺は自分で食べたいのだ。今のこのどうにも馴染んでいないように感じるぎこちない身体の動きを、もっとスムーズというか、普通にしたいのだ。ピアノを弾くのにもそうだし、なによりスプーンすら普通の持ち方で握れないのなんて嫌だ。
これからは、本当に出来そうにないもの以外は自分でやろうと思う。

だいたい俺は見た目2歳児だが、中身は15歳!このスプーンの持ち方は恥ずかしい。それだけじゃないけど、何でもかんでも自分でやって、プラス人の世話なども焼いてきた俺からすれば、何かをやってもらうのはなんかこう…ちょっと落ち着かない。

こっちに来た初めの方こそ新鮮でちょっぴり楽しかったりもしたが、そろそろ落ち着かない。なんでも自分でやりたくなっちゃう。やらないで!ってなっちゃう。

……ハッ!俺は今2歳児だからこれが、イヤイヤ期と言うやつなのか?!……いや違うな。俺自身は15歳だから反抗期?……なんか違うな。多分違う。自発的にそう思ってる時点で違う気がする。もうなんか、なんでもいいや。

「ユキ、食べないのか?」
「ッ?!……たえりゅ。いちゃりゃきましゅ!」

早く探検の続きをしたいため、頑張って早く食べ終えようとする。俺のメニューのジャンルは一緒だ。スープの種類が違うのと、パンがふわっふわで、上にチーズが少し乗っているものに変わっているだけだった。










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