死神ちゃんと天使くん 【完結】

君影 ルナ

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第3部 死神の代替わり

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「なるほど、黒澤 健次郎ね……はっ! クロ、俺気付いちゃったよ!」
「どうしたアンジュ。」

 この子の名前を教えるとアンジュは何かに気が付いたようだった。一体何を言い出すのかと次の言葉を待つ。

「この子も『クロ』澤 健次郎だってことは、この子のここでの名前は……

  『クロJrジュニア』だ!」

 自信満々に言うから何かと思えばそんなことかい。

「え、嫌っす。」
「わあ! 起きてたの!?」

 第三者の声が聞こえてきて私もアンジュも驚く。あの切羽詰まった声ではなく、とても穏やかな声色だったことに少し安堵する。

「あんまりにも五月蝿くて。で、俺死んだんじゃないんすか?」
「その事なんだけどね、黒澤くん、君が次代の死神だ。」
「…………は?」
「確かに黒澤くんは死んだ。そしてここは死後の世界……と言っていいのかな? で、黒澤くんは次代の死神に抜擢されたから天国にも地獄にも行けずにここに留まってるんだよ。」

「なんでだよ!? 俺は自分が嫌になったからこそ死んだのに! それなのに自我があるとかたまったもんじゃねえ!!」

 わー、なんかデジャブ。私も最初先代から聞いた時に似たようなことを先代にぶつけたなあ……。思わず遠い目になる。……そこ、結局包帯で見えないでしょう、なんて言わないの!

「まあまあ落ち着いて。まずは自己紹介しようか。私の名前はクロ。現死神様です! 気軽にクロ先輩なんて呼んでもいいからね! で、こっちの人は天使のアンジュ。」

 この世界に少しでも慣れてもらうためにフレンドリーを意識してみる。まあ、包帯で目の辺りをぐるぐる巻きにしている私を見てフレンドリーも何もないと思うけど、ね。

「よろー!」
「……は? 日本人じゃないんすか?」
「生前はどっちも日本人だったよ。だけど、この世界では本名はあまり推奨されていないの。真名にはその人を縛る力があるからね。だから二人とも偽名で通してるってわけ!」
「……なるほど。なんとなく雰囲気は分かってきた気がするっす。それで俺の名前を考えてたんすね。」

 順応力が高くてやりやすいね。

「そゆこと! だから君の名前はクロJr……」
「だからそれは嫌っす。」
「なんでー!? ね、クロはどう思う?」
「え、私に聞くの? 黒澤くんが嫌がってるなら駄目じゃない?」
「そっかー……じゃあどうする?」
「あれ、二人とも俺の名前は知ってるんすか?」
「もちろん。死神は死んだ人の魂を狩るのが仕事だからね、狩る対象の情報はあるよ。名前と死んだ年齢、死に方。まあ、それくらいだけどね。」
「へぇー。それ、俺もやるんすね?」
「もちろん。これから仕事を覚えてもらって、今度は君が死神として魂を狩るんだ。」

 この仕事を通して死に関しての考え方を変えて欲しいと思ってみたりする。

「えー、めんどくさい。」
「まーまー、そう言わないの。決まっちゃったものは仕方ないよ。」
「えぇー……まあ、それもそうか。じゃあ仕方ないっすね。頑張ってみるかな。」
「よし! じゃあまずは名前を決めよう! クロJrが駄目なら……」
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