死神ちゃんと天使くん 【完結】

君影 ルナ

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第3部 死神の代替わり

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 パタンと扉を閉める。やっと自分の部屋に戻ってこれた。ここまでちゃんと戻ってこれた自分を褒めてやりたい。今にも崩れ落ちそう。

 ふらふらと部屋の中を歩き、ぼふっとベッドに突っ伏す。ここまでずっと我慢していたが……

「うっ……ううっ……」

 ボロボロと涙が溢れ出る。先程のアンジュとけんけんの会話を思い出す。

『っていうことは天使になる人は、死神が自殺したことで、その人と相性のいい人間が殺されているってことっすか?』

『まあその認識でいいかな。だから君に付く天使も大事にしなね?』

 私のせいでアンジュは死んだ。私が死神にならなければ、私が自殺しなければ、アンジュが若くして死ぬことはなかったというのに。後悔しきれない。













 しばらく泣いていたら、急に頭を撫でられる。

「クロ、泣くのは俺がいる所にしろって言ったよね? なーんで一人で泣いてるのさ。」

 音もなく入ってきたことに驚きはしたが、それよりもアンジュの優しい声が余計に涙を誘うことに気づいているのだろうか。

「……アンジュ、」

 本人には言えない。ごめん、なんて。謝ったところでアンジュが生き返る訳でもないし、謝っても謝りきれない。

 でもそれ以外にどう言っていいか分からない。

「もー、なんで泣いてるか教えてよー。あ、もしかしてご飯を盛る時に火傷した? だったら冷やさないと!」
「……ごめん。」
「……もしかして、けんけんとの話、聞いてた?」
「……。」
「そっかー。でもどこら辺を聞いてたかにもよるけど……多分この感じだと天使の生まれを聞いちゃった?」
「……うん。」

 まだ頭の中でぐるぐると先程の言葉が回る。

「そっかー。」
「私が自殺しなければアンジュは長生き出来たかもしれないのに……私がアンジュを殺したも同然だよね。」
「……ちょっと、話最後まで聞いてなかったでしょ。確かに死神と相性がいい人間が殺されるわけだけど、それでもまだまだ寿命が来ない人間は殺されないんだよ。」
「……?」

 どういうこと……? 顔を上げてアンジュの方を向く。

「天使になれるのは死神と相性がいい、且つ死期が近い・・・・・人間だけなんだよ。」
「死期が近い……? ってことは、私の自殺がなくてもアンジュは死んでいたってこと?」
「そゆこと。だから一概に死神のせいだなんて言えないよ。(仕事はしないといけないけど)むしろ自分の意識が無くならずにいられるんだから、って死神に感謝する天使も少なくないんだよ。」
「……、」
「だからいいの。クロが責任を感じなくても。」
「……ありがとう、アンジュ。」

 これから残り少ない死神の仕事をもっと頑張るね。それがアンジュの死期を少し早めてしまった償いになるかもしれないから。

「どういたしましてー。さ、解決したところでご飯食べよ!」
「……うん!」

 決意を新たに、代替わりのためにこれからけんけんに教えることを頭の中で整理しながらご飯を食べるのだった。
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