生贄少女とヴァンパイア

秋ノ桜

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ライアスとルシアス

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sideリラ


今日も仕事は順調。


「リラ、これ運んで。」

「はーい!」



ライさんとの連携もうまく取れるようになってきて、最近は仕事が楽しい。



それに今日はダリアちゃんとまた街に行くことになってる。



あの後、晩ご飯も食べようねってことになったから今日もおいしいものが食べられる♪



晩のためにもお仕事頑張るぞ!!



*********************

sideダリア


「ごめんね!遅くなって!」


衣装脱ぐのに手こずって少し遅れちゃった!



「全然いいよ、お疲れ様!」


あぁ、リラちゃん可愛い…。


「リラちゃんもお疲れ様!お腹ペコペコだし、行こ!」



私は昨日みたいにリラちゃんを抱っこした。



「おおっ!」



やっぱり、リラちゃんは可愛い。



「出発~!」


(30秒後)


「到着~!」


リラちゃん昨日目が回ってたから今日はゆっくり行ってみた。



「す、すごい!本当に速い!」



このペースならリラちゃんは目を回さないんだね。



覚えておこう。



「先にピアス確認するね!すぐ終わらせるから!」



もしなかったらもう諦めよう。


昨日あれだけ探してなかったんだから、もう後悔はない。



「うん!そのあと何食べようか!」


リラちゃん、私とのご飯楽しみにしてくれてたんだ…。



嬉しい!!


「もちろんパスタ!」



昨日のお店美味しかったし、いろんな種類食べたい。



「やった!パスタまた食べたかったの。」



食の趣味も似ていてよかった。



「じゃあ決定!そうとなればさくっと聞きに行こう!」


今日はどんなパスタ食べようかな~♪



**********************

sideライアス


新しい友達は活発な子みたいだね。


リラが楽そうでよかった。


店の屋根の上から眺めてるからリラはこちらに気付きもしない。


こうして笑っている顔を眺めているだけで僕は少し満足してる。



「おい、お前何やってんだ?こんな所で。」


久しぶりにその声を聞いたよ…。



「兄に向かってあんまりじゃない?…ルシアス。」



昔から、僕のことをよく思ってはくれないみたいだね。



「兄?そんな思ってもないこと、二度と口にするな。」



僕は弟が来た時嬉しかったけど、やっぱりあの事件のことは許してくれないみたいだね。



「それよりどうしたの?話しかけてくるなんて珍しい。」



ルシアスは僕には基本話しかけないから。




「お前の騎士団、ネメシアを引かせろ。捜査の邪魔だ。」



いきなり現れたと思えば強引だね。




「それはできないよ、僕だってこの街で調べることがある。」



リラに関することだからね。



手を抜くことはできない。



「それは俺も同じだ、こっちは誰がどこと繋がってるか分からないまま捜査してる、慎重にやりたいのによりによってお前のとこの騎士団にうろつかれたら迷惑だ。」



偶然にも、同じような捜査をしてる。



「こちらもあまり刺激するような捜査はしたくない。むしろ、そっちに引いてほしいくらいだけど?」



どちらも引かない、これはかなり面倒だね。





「リラちゃん、ここまででいいよ!お店の中には私だけで入るね!待ってて。」

「分かった、待ってる!」




ルシアスがリラの声に反応した。




「アイツ、なんで…。」



ルシアスはリラのことを知っているらしい。




そういえば赤い目の人が来たって言ってたね。




あれはルシアスのことか。



それはそれは…気に入らない。




「あの子は僕のものだよ、次首に牙を当てたら許さない。」




大方、リラの首に牙を立てたのはルシアスだろう。



「自分のものみたく言うな、アレは俺が可愛がってやってんだからな。」



自分のものみたく?



「僕のものだけど、何か問題ある?」



リラは本当に、悪い虫ばかり寄せる。


僕も含めてね。



「何言ってる?アイツの飼い主は俺だ。今度聞いてみろ。それより、早く帰れ。」



僕が言い返す間も無く、ルシアスは下の道へ降りた。


そしてリラを後ろから抱きしめる。



「きゃっ!」
「こんなとこで何やってんだ、犬っころ。」
「え!?ルシアス様!?」



見せ付けているつもり?


本当に気に食わない。



だけどもっと気に食わないのは…



「こんな街中で犬っころって言わなでください!」




リラが楽しそうに笑っていることだ。



犬っころなんだから好きに呼ぶ。」




あぁ…本当に……不愉快だ。



「ルシアス様。」



ルルドか。



もう戻ってくるなんて本当に仕事が早い。




「早急にしなければならないことがあります。俺と来てください。」




リラを今すぐ奪い去りたい。



だけど、ルルドのこの様子だと危険なところに行くのは目に見えている。



残念だけど、今はもう引くしかない。



リラを守るために始めたことなんだから。




「わかった、案内して。」



どれほど奪い去りたくても今は行けない。



皮肉にも、ルシアスが隣にいれば危険なことは何もない。



だからこそ、本当に不愉快だ。



**********************

sideルシアス


ルルドが現れて、何かを伝えてアイツは姿を消した。


「お前男見る目ないな。」



よりによってアイツが飼い主か。



「な、なんのことですか!?」



当の本人は起きてても寝ぼけてる感じだしな。



「お前の元飼い主のことだ。何をどうやってルシアスの野郎を選ぶ?」



俺なら絶対にごめんだ。



「どうやって知ったんですか…。それからもう離してください!人に見られてます!!」



人に見られる?何を気にしてるんだ。



「俺の犬なんだからこうして当然だ。」



俺に後ろから抱きしめられているにもかかわらず、犬っころは暴れ出した。


「ふん!!」



やめとけ、やめとけ。



「今度は腰も曲がるぞ、曲げるのは口だけにしとけ。」




俺は…




「もう!!ルシアス!怒りますよ!!」




こうやって子犬みたいにキャンキャン吠えるこの顔と声が気に入っている。




「はは!!」



本当に子供みたいな顔をするから、たまらない。




「わ、笑ってますね!私本気ですからね!!」




わかった、わかった。



「そう吠えるな。」



可愛いだけだからな。




…………ほんの少しだけな。



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