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取り合い
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sideリラ
ルシアス様に頭を掴まれていた私だけど、待っていろの一言で今はソファーに座らされている。
ルシアス様、どこ行ったんだろう…?
ドーンッガシャーンッガラガラドーン!!!
「!?」
私はいきなり下から聞こえた爆音に飛び上がった。
何???何事??
明らかにおかしな音がした。
物が壊れる音と、何かが転がり落ちるような音だ。
「何変なポーズ取ってんだ。」
「わぁぁぁぁあっ!!!」
いきなり戻ってきたルシアス様に驚いて今度は私が大きな声を出した。
「おい、耳がキーンってなっただろうが。」
ルシアス様でもキーンとかなるんだ…。
「だ、だって、ルシアス様がいきなり出てくるから……」
驚いたんです。
そう言いたかたったけど、ルシアス様が私の頬を片手で掴んだから言えなかった。
「人のせいにしてんじゃねぇぞ、犬っころが。それより、ルシアス様?何おかしな名前で呼んでくれてんだ?」
記憶をなくしてもこんな所は一緒なんだね、ルシアス様。
「もしかしてご自分の名前をお忘れですか?」
私が親切に聞いてあげたら…
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
ルシアス様がまた私の頭を片手で掴んだ。
「そんな馬鹿に見えるのか、失礼な奴だ。」
あ、頭が割れる~!!!
「リラ、ただいま。」
頭が痛くて変な顔をしている私の目の前に、ライアスの国宝級の顔が現れた。
「おい。」
ルシアス様はその途端に私の頭を握りつぶすのをやめて私を後ろに隠す。
「リラ、僕結構頑張ったんだけどご褒美くれないの?」
「ご褒美って何がいいの?」
「拳がいいってさ。」
私が聞くとルシアス様が即答えた。
「リラがくれる物ならなんでも僕は嬉しいよ。」
私がくれる物なら…か。
それって食べ物でもいいのかな?
「え、えっと、じゃあ、今度日を改めて持ってくるとかじゃダメ?」
手作りクッキーをあげよう!
たくさん愛情込めて、飾りも豪華にして!
「いいよ。楽しみにしてるね。いつどこに迎えに行けばいい?」
今日は帰っていろいろ報告とかあるだろうから無理だよね。
「明日の夜、この間の路地は? 」
ライアスが記憶をなくして私と初めて会ったのはあの時だ。
たまたまライアスとぶつかってそのまま路地に引き込まれたんだっけ。
「あぁ、あそこね。初めてキスした所。」
私の顔と耳が真っ赤になった。
「無理矢理キスしたの間違いじゃねぇのか?」
ルシアス様の一言にライアスは笑う。
「お互い楽しめたと思ったけど?」
その一言にルシアス様の額に筋が入る。
ライアスは完全にルシアス様を怒らせた。
「あ?」
すごく怖い声だった。
「ルシアス様!違うんです!楽しいとか楽しくないとか関係なくて、事故だったんです!!!」
自分の口からフォローにならないフォローが飛び出した。
私は必死にルシアス様の服の裾を引っ張る。
「ルシアスはすぐに怒るから怖いって。」
ライアスも煽るのやめて!!
「僕にしなよ。僕はこんなにも怒りっぽくないよ?」
ライアス!!目の前の怒れる鬼神のような男が見えてないの!?
そんなに怒らせらた殺されるよ!?
「俺の妻だ、何度言えば分かるんだ?」
「今度から僕の妻にするよ。」
ライアスから笑みが消えた。
そして私は確信する。
これはヤバい!!!
「まぁまぁまぁまぁ、冷静になってよー、大人でしょー?」
世界一勇気のある行動を取ったのは、ライアスのジャケットで前だけ隠したルディだった。
「あ!!もうこんな時間だ!!リラ!俺たちはもうお暇しないとな!ご迷惑だし!じゃ、お邪魔しましたー!!」
ルディは強引にも私の手を引いた。
「ほら、挨拶しなきゃ!挨拶は礼儀だぞ!」
もうこのノリで帰るしかなさそう。
帰れるうちに帰っておこう。
決して見誤ってはいけない。
「そ、そうだね!お邪魔しましたー!私はこれでー!!」
********************
sideライアス
僕の可愛いリラがバタバタと帰っていく。
結構焦っていたみたいだし今日は何も言わずに帰してあげようか。
帰った方がいいのは確かだった。
あまり僕たちの周りに長いこといると死んだフリをしている意味がないからね。
「さて、僕たちもいがみ合ってないで仕事をしようか。」
ルルド達がさっきの死体を地下室に運んだはずだから、僕は早速それを解剖しようかな。
「黙れ。」
全く、僕とルシアスはいつになったらまともな会話ができるのかな。
できなくても生きてはいけるから大丈夫だけどね。
まぁ、そんなことより仕事だね。
僕は一瞬で移動して地下室の扉の前に立つ。
「?」
おかしいな。
ここには扉があったはずなのになくなってる。
と言うか、大破している。
「あぁ、入らなかったから押し込んだらこうなった。」
ルシアスは隣で勝ち誇ったように笑っていた。
「分解して入れるって言う馬鹿でも分かるようなことが分からなかったんだね。いいよ、これくらい。」
「あ?」
それからもちろんの事くだらない争いは数時間続いた。
ルシアス様に頭を掴まれていた私だけど、待っていろの一言で今はソファーに座らされている。
ルシアス様、どこ行ったんだろう…?
ドーンッガシャーンッガラガラドーン!!!
「!?」
私はいきなり下から聞こえた爆音に飛び上がった。
何???何事??
明らかにおかしな音がした。
物が壊れる音と、何かが転がり落ちるような音だ。
「何変なポーズ取ってんだ。」
「わぁぁぁぁあっ!!!」
いきなり戻ってきたルシアス様に驚いて今度は私が大きな声を出した。
「おい、耳がキーンってなっただろうが。」
ルシアス様でもキーンとかなるんだ…。
「だ、だって、ルシアス様がいきなり出てくるから……」
驚いたんです。
そう言いたかたったけど、ルシアス様が私の頬を片手で掴んだから言えなかった。
「人のせいにしてんじゃねぇぞ、犬っころが。それより、ルシアス様?何おかしな名前で呼んでくれてんだ?」
記憶をなくしてもこんな所は一緒なんだね、ルシアス様。
「もしかしてご自分の名前をお忘れですか?」
私が親切に聞いてあげたら…
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
ルシアス様がまた私の頭を片手で掴んだ。
「そんな馬鹿に見えるのか、失礼な奴だ。」
あ、頭が割れる~!!!
「リラ、ただいま。」
頭が痛くて変な顔をしている私の目の前に、ライアスの国宝級の顔が現れた。
「おい。」
ルシアス様はその途端に私の頭を握りつぶすのをやめて私を後ろに隠す。
「リラ、僕結構頑張ったんだけどご褒美くれないの?」
「ご褒美って何がいいの?」
「拳がいいってさ。」
私が聞くとルシアス様が即答えた。
「リラがくれる物ならなんでも僕は嬉しいよ。」
私がくれる物なら…か。
それって食べ物でもいいのかな?
「え、えっと、じゃあ、今度日を改めて持ってくるとかじゃダメ?」
手作りクッキーをあげよう!
たくさん愛情込めて、飾りも豪華にして!
「いいよ。楽しみにしてるね。いつどこに迎えに行けばいい?」
今日は帰っていろいろ報告とかあるだろうから無理だよね。
「明日の夜、この間の路地は? 」
ライアスが記憶をなくして私と初めて会ったのはあの時だ。
たまたまライアスとぶつかってそのまま路地に引き込まれたんだっけ。
「あぁ、あそこね。初めてキスした所。」
私の顔と耳が真っ赤になった。
「無理矢理キスしたの間違いじゃねぇのか?」
ルシアス様の一言にライアスは笑う。
「お互い楽しめたと思ったけど?」
その一言にルシアス様の額に筋が入る。
ライアスは完全にルシアス様を怒らせた。
「あ?」
すごく怖い声だった。
「ルシアス様!違うんです!楽しいとか楽しくないとか関係なくて、事故だったんです!!!」
自分の口からフォローにならないフォローが飛び出した。
私は必死にルシアス様の服の裾を引っ張る。
「ルシアスはすぐに怒るから怖いって。」
ライアスも煽るのやめて!!
「僕にしなよ。僕はこんなにも怒りっぽくないよ?」
ライアス!!目の前の怒れる鬼神のような男が見えてないの!?
そんなに怒らせらた殺されるよ!?
「俺の妻だ、何度言えば分かるんだ?」
「今度から僕の妻にするよ。」
ライアスから笑みが消えた。
そして私は確信する。
これはヤバい!!!
「まぁまぁまぁまぁ、冷静になってよー、大人でしょー?」
世界一勇気のある行動を取ったのは、ライアスのジャケットで前だけ隠したルディだった。
「あ!!もうこんな時間だ!!リラ!俺たちはもうお暇しないとな!ご迷惑だし!じゃ、お邪魔しましたー!!」
ルディは強引にも私の手を引いた。
「ほら、挨拶しなきゃ!挨拶は礼儀だぞ!」
もうこのノリで帰るしかなさそう。
帰れるうちに帰っておこう。
決して見誤ってはいけない。
「そ、そうだね!お邪魔しましたー!私はこれでー!!」
********************
sideライアス
僕の可愛いリラがバタバタと帰っていく。
結構焦っていたみたいだし今日は何も言わずに帰してあげようか。
帰った方がいいのは確かだった。
あまり僕たちの周りに長いこといると死んだフリをしている意味がないからね。
「さて、僕たちもいがみ合ってないで仕事をしようか。」
ルルド達がさっきの死体を地下室に運んだはずだから、僕は早速それを解剖しようかな。
「黙れ。」
全く、僕とルシアスはいつになったらまともな会話ができるのかな。
できなくても生きてはいけるから大丈夫だけどね。
まぁ、そんなことより仕事だね。
僕は一瞬で移動して地下室の扉の前に立つ。
「?」
おかしいな。
ここには扉があったはずなのになくなってる。
と言うか、大破している。
「あぁ、入らなかったから押し込んだらこうなった。」
ルシアスは隣で勝ち誇ったように笑っていた。
「分解して入れるって言う馬鹿でも分かるようなことが分からなかったんだね。いいよ、これくらい。」
「あ?」
それからもちろんの事くだらない争いは数時間続いた。
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