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ドレス
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sideリラ
私はついこの間の出来事をダリアちゃんに全て話した。
「あの日全然帰ってこないと思ったらそんなことがあったの!?」
ダリアちゃんは驚いていた。
「黙っててごめんね。ちょっと色々考えたくて。」
私が謝るとダリアちゃんは首を横に振った。
「いいんだよ、リラちゃん。それより大丈夫?水の中に放り込まれたって言ってたけど怪我してない?」
私の周りにいる人はみんな優しい。
参っちゃうよ。
「うん。放り込まれたって言っても一瞬だったし、すぐに引き上げられたから。」
あの時は本当に驚いたのは確かだけどね。
「よいしょっと。リラちゃん、オールも貸して。」
私とダリアちゃんはさっきまで魚釣りをしていたから今はお片付けをしている。
「はい。本当に1人で持てる?」
ダリアちゃんはボートを片手で持ちオール2本をもう片方の手で持ってる。
釣った魚は私が持っていた。
「全然余裕!何ならこのままリラちゃんも抱っこできるよ!」
さすがヴァンパイア。
「ダリアちゃんは逞しいね。」
私にもその逞しさがあったらな。
こんなにウジウジ悩んでいる私は自分が嫌になるよ。
ダリアちゃんが眩しい。
「リラちゃん、大丈夫だよ。ルシアス様はリラちゃんのこと大好きだもん。」
ダリアちゃんはそう言って私を元気付けてくれるけど、私の胸の中は悲しみに暮れていた。
「そもそもライアス様が今回は悪いからリラちゃんは何も気にすることないよ。」
ライアスはたまに恐ろしいくらい大胆になる。
「ライアスは本当に何するか読めないからいつも違う意味でドキドキするよ。」
もちろん、あの整いすぎた容姿にも優しい声にも惑わされることがある。
呪いの力とは言え、心の底から愛していた時もあったのだから。
「そんなに情熱的なタイプに見えないのにね。腹の中では虎視眈々、って感じ。」
虎視眈々、か。
「確かにそうかもね。」
ライアスは狙った獲物は逃さないって感じだもん。
「リラちゃん、例のパーティー行くのやめる?ライアス様とルシアス様は王族だから絶対あの場にいるよ?」
ダリアちゃんは今度王宮で開かれるパーティーのことを言っている。
クロウ先生の付き添いで私たちはそのパーティーに行くことになっていた。
「それは行く。大丈夫だよ、クロウ先生も私たちの姿を少し変えるって言ってたし。2人が私に気付くこともないだろうから。」
大事な情報収集の場をそんなことですっぽかさない。
ボロボロでも行くしかない。
それこそ、這ってでも行かなくちゃね。
「そうだけど…リラちゃんがつらいなら私に任せてくれていいんだよ?大親友がつらいときくらい私は頑張れるよ。」
あぁ、頼もしい、格好いい、好き。
「大丈夫。私はダリアちゃんの大親友だもん、こんな事でめげないよ。」
自分の仕事くらいちゃんとやらないとね。
ラルフとルディも頑張ってるんだから。
・
・
・
「あぁ…うーん、悩む~!!!ねぇ、リラちゃん!どっちが似合う!?」
「そうだなぁ……美人は何着ても似合うからなぁ……。」
私たちはついさっきまで恋愛相談をしていた。
それこそすごく暗い雰囲気で。
けど、クロウ先生の家に帰ればドレスのお店かと言うくらいのドレスがズラリと並んでいた。
クロウ先生にその中から好きなものを選んでいいと言われたから私たちはかなり真剣に選んでいる。
この時ばかりは、最近の悲しみを忘れられた。
「美人!?私美人!?」
「ダリアちゃんは絶世の美女だよ!全部似合うけど、私的にはこの黒いドレスが好き!胸元ぱっかりですごく色気があったよ!」
本音を言うとダリアちゃんは嬉しそうに笑った。
「じゃあこれにする!!リラちゃんに可愛いって思われるドレスがいい!」
この言葉に私は倒れそうになった。
美女め…あざといことを言いよって……。
「私はこれにするとして、リラちゃんはどれにするの?」
私はまだ全然決まっていなかった。
「それが何が似合うかよくわからないんだよね。」
私が困り果てて笑うと、ダリアちゃんは真紅の背中がかなり空いているドレスを選ぶ。
「これ!絶対これ!」
私はそんな派手な服を着たことがない。
「こ、これ!?」
しかも足の部分にもスリットが入っていてかなりセクシーなドレスだった。
「これ!王宮のダンスパーティーなんだから弾けちゃおうよ。」
とは言うもののこれはちょっと弾けすぎなのでは……?
「それに、私がこのドレスをしてほしいな。」
美女が何か言ってる。
「リラちゃんのおみ足を見たいのもあるけど…」
ん?おみ足??
「もしも、あのお二人に正体がバレた時にびっくりさせてやりたい。リラちゃんが大人っぽくて大胆なドレスを着て歩いていける強い女性だって、ね。」
美女が泣けることを言った。
そんなことを言われたら…
「絶対このドレスにする!!絶対、絶対、絶対!!」
私強くなるよ!!
この大胆なドレスは私の鎧だ。
悲しみや不安が消えるわけじゃないけどやれることはやろう。
私はついこの間の出来事をダリアちゃんに全て話した。
「あの日全然帰ってこないと思ったらそんなことがあったの!?」
ダリアちゃんは驚いていた。
「黙っててごめんね。ちょっと色々考えたくて。」
私が謝るとダリアちゃんは首を横に振った。
「いいんだよ、リラちゃん。それより大丈夫?水の中に放り込まれたって言ってたけど怪我してない?」
私の周りにいる人はみんな優しい。
参っちゃうよ。
「うん。放り込まれたって言っても一瞬だったし、すぐに引き上げられたから。」
あの時は本当に驚いたのは確かだけどね。
「よいしょっと。リラちゃん、オールも貸して。」
私とダリアちゃんはさっきまで魚釣りをしていたから今はお片付けをしている。
「はい。本当に1人で持てる?」
ダリアちゃんはボートを片手で持ちオール2本をもう片方の手で持ってる。
釣った魚は私が持っていた。
「全然余裕!何ならこのままリラちゃんも抱っこできるよ!」
さすがヴァンパイア。
「ダリアちゃんは逞しいね。」
私にもその逞しさがあったらな。
こんなにウジウジ悩んでいる私は自分が嫌になるよ。
ダリアちゃんが眩しい。
「リラちゃん、大丈夫だよ。ルシアス様はリラちゃんのこと大好きだもん。」
ダリアちゃんはそう言って私を元気付けてくれるけど、私の胸の中は悲しみに暮れていた。
「そもそもライアス様が今回は悪いからリラちゃんは何も気にすることないよ。」
ライアスはたまに恐ろしいくらい大胆になる。
「ライアスは本当に何するか読めないからいつも違う意味でドキドキするよ。」
もちろん、あの整いすぎた容姿にも優しい声にも惑わされることがある。
呪いの力とは言え、心の底から愛していた時もあったのだから。
「そんなに情熱的なタイプに見えないのにね。腹の中では虎視眈々、って感じ。」
虎視眈々、か。
「確かにそうかもね。」
ライアスは狙った獲物は逃さないって感じだもん。
「リラちゃん、例のパーティー行くのやめる?ライアス様とルシアス様は王族だから絶対あの場にいるよ?」
ダリアちゃんは今度王宮で開かれるパーティーのことを言っている。
クロウ先生の付き添いで私たちはそのパーティーに行くことになっていた。
「それは行く。大丈夫だよ、クロウ先生も私たちの姿を少し変えるって言ってたし。2人が私に気付くこともないだろうから。」
大事な情報収集の場をそんなことですっぽかさない。
ボロボロでも行くしかない。
それこそ、這ってでも行かなくちゃね。
「そうだけど…リラちゃんがつらいなら私に任せてくれていいんだよ?大親友がつらいときくらい私は頑張れるよ。」
あぁ、頼もしい、格好いい、好き。
「大丈夫。私はダリアちゃんの大親友だもん、こんな事でめげないよ。」
自分の仕事くらいちゃんとやらないとね。
ラルフとルディも頑張ってるんだから。
・
・
・
「あぁ…うーん、悩む~!!!ねぇ、リラちゃん!どっちが似合う!?」
「そうだなぁ……美人は何着ても似合うからなぁ……。」
私たちはついさっきまで恋愛相談をしていた。
それこそすごく暗い雰囲気で。
けど、クロウ先生の家に帰ればドレスのお店かと言うくらいのドレスがズラリと並んでいた。
クロウ先生にその中から好きなものを選んでいいと言われたから私たちはかなり真剣に選んでいる。
この時ばかりは、最近の悲しみを忘れられた。
「美人!?私美人!?」
「ダリアちゃんは絶世の美女だよ!全部似合うけど、私的にはこの黒いドレスが好き!胸元ぱっかりですごく色気があったよ!」
本音を言うとダリアちゃんは嬉しそうに笑った。
「じゃあこれにする!!リラちゃんに可愛いって思われるドレスがいい!」
この言葉に私は倒れそうになった。
美女め…あざといことを言いよって……。
「私はこれにするとして、リラちゃんはどれにするの?」
私はまだ全然決まっていなかった。
「それが何が似合うかよくわからないんだよね。」
私が困り果てて笑うと、ダリアちゃんは真紅の背中がかなり空いているドレスを選ぶ。
「これ!絶対これ!」
私はそんな派手な服を着たことがない。
「こ、これ!?」
しかも足の部分にもスリットが入っていてかなりセクシーなドレスだった。
「これ!王宮のダンスパーティーなんだから弾けちゃおうよ。」
とは言うもののこれはちょっと弾けすぎなのでは……?
「それに、私がこのドレスをしてほしいな。」
美女が何か言ってる。
「リラちゃんのおみ足を見たいのもあるけど…」
ん?おみ足??
「もしも、あのお二人に正体がバレた時にびっくりさせてやりたい。リラちゃんが大人っぽくて大胆なドレスを着て歩いていける強い女性だって、ね。」
美女が泣けることを言った。
そんなことを言われたら…
「絶対このドレスにする!!絶対、絶対、絶対!!」
私強くなるよ!!
この大胆なドレスは私の鎧だ。
悲しみや不安が消えるわけじゃないけどやれることはやろう。
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