週末、パパはダンジョンに潜る〜家族に内緒で健康のために始めたら、Sランク探索者になっていた案件~

いぬがみとうま🐾

文字の大きさ
8 / 26

Ep.8:包帯男と社内の異変(覚醒と代償)

しおりを挟む
 月曜日の朝。窓の外は生憎の雨だった。
 いつもの俺なら、低気圧のせいで偏頭痛を起こし、満員電車の湿気と他人の体臭に胃液を逆流させていたはずだ。
 だが、今朝の俺は妙にスッキリとしていた。脳内の不要なキャッシュデータを全て削除した後のように、思考がクリアだ。

 左腕には、昨日ドラッグストアで買った仰々しいの包帯と、分厚いサポーターが巻かれている。
 Yシャツの袖は当然通らないので、袖を切り取り、上からジャケットを羽織って強引に隠している。
 左手が不自然に膨れ上がっている姿は、傍から見れば異様だろう。

「おはようございます」

 営業部のフロアに入ると、数人の視線が俺の左腕に突き刺さるのがわかった。
 給湯室の近くで、若手の女性社員たちがヒソヒソと囁き合っている。

「ねえ、見た? 二条係長の腕」
「見た見た。あれ、絶対ただの怪我じゃないよね」
「奥さんにやられたのかな?」
「うわー、ありそう……」

 聴覚が鋭敏になっているのか、彼女たちの小声がクリアな音声データとして鼓膜に届く。
 以前の俺なら、この時点で心拍数が上がり、変な汗をかいてトイレに駆け込んでいただろう。
 「部下に変な噂を立てられている」という事実は、中間管理職のメンタルを削るには十分すぎる攻撃力を持っている。

 だが、今は何も感じない。
 恥ずかしさも、情けなさも、怒りもない。
 ただ、「ああ、そういう噂が流れているのか」というファクトチェックとして認識されるだけだ。
 彼女たちの声は、コピー機の駆動音や雨音と同じ、環境音の一部に過ぎない。

 俺は自分の席に着き、PCを起動した。
 キーボードを打つ。
 左手の包帯が邪魔で打ちにくいが、指先の感覚は以前よりも鋭敏だ。
 ガントレットが神経に直結しているおかげか、ブラインドタッチの速度はむしろ上がっている。
 淡々とメールをチェックし、タスクを消化していく。
 自分でも驚くほど、心が凪いでいた。

          ◇

 昼過ぎ。
 その静寂は、大山おおやま部長の怒声によって破られた。

「二条! ちょっと来い!」

 フロア中に響き渡る大声。
 営業部の空気が一瞬で凍りつく。
 大山部長。
 典型的な体育会系で、自分のミスを部下になすりつけることを「教育」と呼ぶタイプの人間だ。
 俺が今の窓際部署に追いやられた元凶の一人でもある。

 俺は立ち上がり、部長席へと向かった。
 周囲の社員たちが、同情と好奇心の入り混じった目で俺を見ている。
 「また二条さんが生贄か」そんな心の声が聞こえてきそうだ。

「はい、何でしょうか」

 俺が大山のデスクの前に立つと、彼は真っ赤な顔で書類を叩きつけた。

「何でしょうか、じゃないだろ! この『九州プロジェクト』の発注ミスはどうなってるんだ! 納期が三日も遅れてるぞ!」

 九州プロジェクト。
 先週、大山が直々に担当すると言い張り、俺たち部下を一切触らせなかった案件だ。

「それは、部長がご自身で進めると仰っていた案件では?」
「口答えするな! 俺の補佐をするのがお前の仕事だろ! 俺が忙しいのは分かってるはずだ。だったら、お前が裏でチェックして、不備があれば指摘するのが筋だろうが!」

 めちゃくちゃな論理だ
 大山は立ち上がり、俺に詰め寄った。
 唾が飛ぶほどの至近距離。顔を紅潮させ、額に青筋を浮かべている。

「どうすんだよこれ! 損害が出たらお前の責任だぞ! 土下座でもして詫びるか? あぁ!?」

 いつものパワハラ風景。
 以前の俺なら、ここで胃がキリキリと痛み出し、「申し訳ありません」と頭を下げていただろう。
 嵐が過ぎ去るのを待つ貝のように、ただ縮こまってやり過ごす。それが俺の処世術だった。

 だが。
 今の俺は、奇妙なほど冷静だった。
 目の前で怒鳴り散らす大山を見ても、恐怖を感じない。
 それどころか、俺の脳内では、勝手に「観察」と「分析」が始まっていた。

(……声量が大きいな。推定九十デシベル。電車のガード下並みか)

 俺は冷めた目で大山を見た。
 顔が赤い。
 首の血管が浮き出ている。
 瞳孔が開いている。
 多量の発汗。

(血圧は一六〇を超えているな。興奮状態によるアドレナリン過多。呼吸が浅い。このまま叫び続ければ過呼吸になるリスクがある)

 昨日のゴブリンを思い出す。
 あのはぐれゴブリンの殺意に比べれば、この男の威圧感など、幼児の癇癪レベルだ。

 ゴブリンは生きるために俺を殺そうとした。だが、この男はただ、自分の保身のために吠えているだけだ。殺気がない。命のやり取りをする緊張感がない。
 つまり、脅威度Eランク以下。スライム未満だ。

「……聞いてんのか二条ォ!」

 大山が俺の胸倉を掴もうと手を伸ばしてきた。
 その動きが、スローモーションに見える。
 避けるまでもない。
 俺は一歩も動かず、大山の目を真っ直ぐに見つめ返した。

「部長」

 俺の声は、自分でも驚くほど低く、冷徹に響いた。
 大山の手が、俺の襟元でピタリと止まる。

「……あ?」
「その件につきましては、三日前にメールでリマインドを送っております。読んでいただけましたか?」
「は、はあ? 知らねえよそんなメール!」
「では、今ここで確認しましょう」

 俺はポケットから社用スマホを取り出し、画面を大山に見せた。
 そこには、『件名:九州PJ 発注期限の確認について【重要】』というメールが表示されている。
 送信日時、三日前の午前十時。
 そして、開封通知もしっかりとついている。

「開封済みですね。さらに、サーバーのログも確認しましたが、部長はこのメールを開いた五分後に、発注システムにログインされています。ですが、発注ボタンを押さずにログアウトされた。……操作ミス、ではありませんか?」

 俺は淡々と事実だけを並べた。
 感情を込めず、事実確認を行う機械のように。
 大山の顔色が、赤から青へと変わっていく。

 図星なのだ。
 酒でも飲んで仕事をしていたのか、もしくはキャバクラの姉ちゃんのLINEに夢中だったのか。
 いずれにせよ、これは彼の単純なオペレーションミスだ。

「な……お、お前……」
「ログは嘘をつきません。システム管理部に問い合わせれば、もっと詳細な操作履歴も出せますが……どうされますか?」

 俺は首を傾げた。
 脅しているつもりはない。
 ただ、最適解を提案しているだけだ。
 ここで騒げば騒ぐほど、部長の管理能力不足が露呈する。
 静かに処理して、取引先に頭を下げるのが最善手だ。

 大山が後ずさりした。
 いつもなら「うるさい!」と怒鳴り返してくるはずの男が、今日は言葉を詰まらせている。

 彼の目には、俺がどう映っているのだろうか。
 大山の視線が泳ぎ、俺の目を見て、そしてすぐに逸らした。
 本能的な恐怖。
 野生動物が、天敵に出会った時に見せる反応だ。

「……ち、チッ! 分かったよ! 俺が先方に連絡すりゃいいんだろ!」

 大山は捨て台詞を吐くと、逃げるように執務スペースを出ていった。
 フロアに静寂が訪れる。
 周囲の社員たちが、信じられないものを見る目で俺を見ていた。
 あの「謝り屋」の二条係長が、あの大山部長を黙らせた。
 ざわめきが広がるが、俺にはそれすらもBGMにしか聞こえない。

「さて、仕事に戻るか」

 俺は包帯を巻いた左手でジャケットの襟を正し、自分の席へと戻った。
 心拍数は、平常時のまま。
 かつてあれほど恐ろしかった上司の怒号が、今はただの「不快な音波」にしか感じられない。

 胸のすくような勝利のはずだ。
 ざまぁみろ、と思っていい場面だ。
 なのに、俺の胸の中には、喜びも興奮もない。
 あるのは、冷たい水のような静寂だけだった。

          ◇

 深夜二時。
 家族が寝静まった後、俺は自宅のガレージにいた。
 今日の会社での出来事を反芻するが、やはり感情が湧いてこない

 それよりも、問題はこの左手だ。
 今日はなんとかなったが、この包帯ぐるぐる巻きの状態を続けるのは限界がある。
 キーボードは打ちにくいし、何より目立つ。
 部長を撃退しても、この左手がバレたら社会的に死ぬことには変わりない。

「……なぁ、お前も不便だろ?」

 俺はサポーターと包帯を解き、黒いガントレットを剥き出しにした。
 蛍光灯の下で、艶消しの黒い装甲が鈍く光る。

 昨日のDIYでスライムの不純物を吸って以来、ガントレットは以前より俺の腕に馴染んでいる。そう、皮膚の下に根を張ったかのようにだ。

「もっと、目立たなくできないか? 普通の腕みたいにさ」

 俺は念じた。
 命令ではない。
 相棒への相談だ。
 俺の社会生活を守ることは、宿主である俺を生かすことにも繋がるはずだ。

 ドクン。

 ガントレットが応えた。
 脈動と共に、黒い装甲の表面が波打つ。
 次の瞬間、ガントレットの周囲の空気が揺らいだ。

 シュゥゥゥ……。

 黒かった装甲の色が、薄れていく。
 いや、色が消えたのではない。
 表面に周囲の景色――俺の机や、壁の色――を映し出し、さらに俺の肌の色を再現トレースしているのだ。

 数秒後。
 そこには、ごく普通の、中年男性の腕があった。
 血管の浮き具合、産毛、そして日焼けの跡まで完璧に再現されている。

「……すげぇ」

 俺は恐る恐る右手で触れてみた。
 感触は硬い。コンクリートのようだ。
 見た目は皮膚だが、実体は金属のまま。
 光学迷彩。
 カメレオンの擬態を、魔法レベルで再現している。

『スキル:影の偽装(シャドウ・スキン)を習得しました』

 脳内にインフォメーションが流れる。
 成功だ。
 これなら、明日から包帯なしで出社できる。温泉だって入れるぞ。完璧だ。

 俺は喜びを感じるはずだった。
 だが。

 ゾワリ。

 背筋に、冷たいものが走った。
 ガントレットが擬態を完了した瞬間、胸の奥から「何か」が吸い出される感覚があったのだ。
 痛みではない。
 スプーンで脳みその一部をすくい取られたような、喪失感。

「……ッ」

 俺は作業机に手をつき、荒い息を吐いた。
 なんだ、今の感覚は。
 ガントレットが、代償コストを持っていったのか? 俺の中にある「何か」を?

 ふと、ガレージの窓ガラスに映る自分の顔を見た。
 そこに映っている男は、笑っていた。
 口角は上がっている。

 「やったぞ」という表情を作っている。
 だが、目が笑っていない。
 まるで精巧に作られた能面のように、瞳の奥が空洞だ。

「……あれ?」

 俺は自分の頬を触った。
 今日一日。
 俺は一度でも、本気で笑ったか? 一度でも、本気で怒ったか? 部長に詰め寄られた時、俺は「怖い」と感じなかった。
 同僚に噂された時、俺は「恥ずかしい」と感じなかった。

 それは、「強くなった」からなのか? それとも、「感じなくなってしまった」のか?

 恐怖心。羞恥心。
 人間が社会で生きるために必要な、ブレーキとなる感情。
 それを、この左手は「不要な不純物」として食べてしまったんじゃないか?

 窓ガラスの中の俺が、他人行儀に俺を見つめ返している。
 その不気味さに、俺は背筋が凍るのを感じた。
 いや、正確には、「背筋が凍るべきだ」と頭で理解しているだけで、心臓の鼓動は一定のリズムを刻み続けていた。

 俺は静かにガレージの電気を消した。
 闇の中で、左手だけが微かに熱を帯びていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

スキル【土いじり】でパーティを追放された俺、開墾した畑からダンジョンが生えてきた。

夏見ナイ
ファンタジー
「役立たず」の烙印を押され、パーティを追放されたアルフォンス。彼のスキルは戦闘に不向きな【土いじり】。失意の彼は都会を離れ、辺境の地で静かに農業を営むことを決意する。 しかし、彼が畑を耕すと、そこから不思議なダンジョンが生えてきた! ダンジョン内では、高級ポーションになる薬草や伝説の金属『オリハルコン』が野菜のように収穫できる。地味だと思われた【土いじり】は、実はこの『農園ダンジョン』を育てる唯一無二のチートスキルだったのだ。 噂を聞きつけ集まる仲間たち。エルフの美少女、ドワーフの天才鍛冶師……。気づけば彼の農園は豊かな村へ、そして難攻不落の要塞国家へと発展していく。 一方、彼を追放したパーティは没落の一途を辿り……。 これは、追放された男が最強の生産職として仲間と共に理想郷を築き上げる、農業スローライフ&建国ファンタジー!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

追放された”お荷物”の俺がいないと、聖女も賢者も剣聖も役立たずらしい

夏見ナイ
ファンタジー
「お荷物」――それが、Sランク勇者パーティーで雑用係をするリアムへの評価だった。戦闘能力ゼロの彼は、ある日ついに追放を宣告される。 しかし、パーティーの誰も知らなかった。彼らの持つ強力なスキルには、使用者を蝕む”代償”が存在したことを。そして、リアムの持つ唯一のスキル【代償転嫁】が、その全てを人知れず引き受けていたことを。 リアムを失い、スキルの副作用に蝕まれ崩壊していく元仲間たち。 一方、辺境で「呪われた聖女」を救ったリアムは自らの力の真価を知る。魔剣に苦しむエルフ、竜の血に怯える少女――彼は行く先々で訳ありの美少女たちを救い、彼女たちと安住の地を築いていく。 これは、心優しき”お荷物”が最強の仲間と居場所を見つけ、やがて伝説となる物語。

処理中です...