彗星蘭に音を尋ねて

青笹まりか

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 私は、ずっとこんな青春に憧れてきた。一つのことに熱中すること、充実した毎日を送ること。そして、憧れの先輩を作って、思い出に残る楽しい生活を送ること。それが、私の理想の青春だ。言っては悪いが、小学校での日々はダラダラとしていて、刺激に溢れていなかった。確かに小学校に刺激的な青春を強いても、どこか当てはまらないような気もする。でも、それでもどこかそういう刺激が欲しい。だから私は、ずっとそういう青春に憧れていた。そういうものの中にいる自分に、主人公になりたかった。小学校の頃からずっと秘めてきたこの思いを、私は現実に変えようと思う。
 突然だが私にとって、この世で一番燃える青春の熱き戦いは、全日本吹奏楽コンクールだと思う。全国大会の出場枠の三校に入るべく、たった十二分間に全てをささげるという、なんとも熱き戦いだ。私は小学校で吹奏楽部に入っていた。だが、県内屈指の弱小校で、とてもだが全国大会なんて目指せなかった。悔しかった。もっと頑張れば、もっと努力すれば、きっと行けるはずなのに。でもその考えは、とある人に突然打ち壊された。冷ややかな声色の先輩部員が、私の中で蘇る。それは、私の今までの信念を全否定する言葉だった。
 私は変わりたかった。二度とこのような考えをしないようになりたかった。
 だから今日も私は、あの人の背中を追いかける。
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