私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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3章 マジョルカ学園編

魔法実技テストクラス分け 序盤

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ロウ先輩ですが、漢字変換して公開すると文字化けしてしまうので、カタカナ表記になっていますが漢字は雨冠の下に龍と書いてロウと読みます
以下本編です↓






あれから霙のお姉様と仲良くなった私は、お姉様に自国の手料理であるサンマの塩焼きを振舞っていた。

「どうでしょうか?口に合いますか?」


『えぇ!とても美味しいわ!レモンをかけるとまた味が変わってサッパリするわね』


「気に入っていただけて嬉しいです!ところでお姉様の魔法属性はなんですか?」

『私は翼の色で分かるだろうけど雷と雨を司る一族として水ね!霙だけは他の一族とは違って水の上位互換である氷魔法と稀有で強力な時属性魔法が使えるわね

貴女は知らないだろうけど霙は、貴女が5歳の頃虎の国の王子と結託して貴女の進学先を聞き出す為に貴女の城に忍び込んだのよ!ご丁寧に私の家族、虎の王子の家族やメイドの刻(とき)を止めてね…


たまたま外出して戻って来た私は、びっくりしたわ…霙は毎日特に時属性魔法を練習していたのは知っていたけれど、30分ほど家族やメイドたちの動きが止まっていて、あとで聞いたら理由を教えてくれたわ!貴女と同じ学園にどうしても通いたかったんですって…

貴女はこんなに可愛らしいんだもの数多の殿方に好かれるのは当然ね!!愛されてるわねナツメちゃん』


と鈴の鳴るような声でコロコロ笑ったお姉様の方が何倍も綺麗だと思ったナツメなのだった。


寝る前に、綿飴の好物である月の雫草(ムーンドロップ草)の蜜しか吸わない月蜜蜂(ムーンビー)の巣から取った金平糖のような形をしたハチミツであるスタードロップを小皿に出し2段ベッドの上で横になった私は美味しそうに小さな口でスタードロップを食べる綿飴を微笑ましく横目で見ながら就寝した。


朝日が昇り学園の時計塔の鐘が鳴り、私は目を覚まし今日朝から新入生限定である予定になっているクラス分けをする為の魔法実技テストの為早くに朝食を食べ学園の指定の月のロゴが入ったジャージに着替えた。




テストの集合時間までまだ時間に余裕があり室内のダイニングテーブルで綿飴と雑談しているとベッドから起きてきた霖お姉様に挨拶し、私の朝食と一緒に作り置きしておいた朝食を出してあげると寝ぼけ眼だったお姉様の目がキラキラと見開かれ、その味にも感動していた。

『ナツメちゃん貴女いいお嫁さんになれるわね!とっても美味しいわ…ボソ…他の子には見向きもしない霙が惚れるのも分かるわ…私が男だったら絶対プロポーズしてるわね』


「あ、ありがとうございます!最後何か言いませんでしたか?よく聞こえなかったので…」


『ふふっ。なんでもないわ…今日の試験頑張ってね!』

「はい!ありがとうございます!」


【ナツメそろそろ時間だよ!もう出なきゃ。霖さん僕たちもう行くね!】


『綿飴ちゃん!ナツメちゃんのことよろしくね。2人とも行ってらっしゃい』

と私と綿飴は温かく送り出された。


魔法実技試験の会場である円形闘技場通称"ルナの間"
に向かう途中で、入学式当日に入学手続きなどでバタバタしており、その後そのまま女子寮に向かった為会うことがなかった私の専属騎士見習いになったロップイヤーのナイト君とばったり遭遇した。


“ナツメ様も今からルナの間に行く予定ですか?”


「ええ!そうよ。試験が、始まるまでまだ時間があるし軽く練習しておきたくて…」




“素晴らしい心がけですね!僕も早くに目が覚めたのでルナの間に行って身体をほぐすつもりでした。あ、もしよろしければ僕と練習を兼ねて手合わせしていただけませんか?”


「いいわよ、行きましょうか。ナイト君はちなみに魔法属性はなんだったの?」


“僕は一般庶民の出にしては珍しく3属性の炎、水、風でした”

「そうだったの!?これは油断できないわね…負けないように頑張るわ」


“こちらこそ姫様の胸を借りるつもりで頑張ります"


ルナの間に着くと、魔法実技試験開始まであと1時間ほどあり、会場には職員が数人と試験準備の為朝早くから出てきた生徒会のメンバーのみがいた…


「あのすみません、試験開始前に少しの間練習してもよろしいでしょうか?」と生徒会長である整った顔立ちのブラックタイガーの雨冠の漢字の下に龍と書く(ロウ)先輩に声を掛けた。


ロウ先輩は、他の生徒会メンバーとの打ち合わせを、中断し私を見た。


《君は…もしかして猫又族の姫君ではありませんか?入学式ではお話できませんでしたが…こうしてお話しできるなんて光栄です!

ルナの間の使用許可ですが…試験開始前まででしたら、自由に使っていただいて構いませんよ》


「ありがとうございます!さっそく使わせていただきます」

と私とナイト君はルナの間の中央へと歩いて行った。

その後ろ姿を食い入るように見る職員と生徒会メンバーの視線に気づかずに…





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