私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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3章 マジョルカ学園編

彼女の怒り

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霖side


私が言ったことにしばらく鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた貴族のお坊ちゃん(アレク先輩)はようやく私に言われたことを理解できたのか顔を野菜のトマリ(この世界でのトマトのこと)のような色に染め憤慨した。








ロウ会長side


[なっ、俺様になんて口を聞くんだ…龍族の姫だからといって言っていいことと悪いことがあるだろうが!あぁ!?]


とハタから見れば、どっちが不敬なのか一目瞭然なのだが、コイツは頭に血が上ってどうやら気づいてないようだが、霖君の周囲だけは氷点下まで気温が下がりなおかつ先ほどから霖君の纏う雷のせいだろうか霖君から離れたはずなのにバチバチとプラズマが飛び交い、そこら中で静電気が発生していた。

【あらあら、私は事実を申し上げただけなのですが…
あと貴方は知っているか知りませんが、貴方の両親どうやら国民の税金を脱税しているという情報を手に入れましたの。

領主であることをいい事に脱税をして、王城に納めるはずのお金をちょろまかしていたことは既に貴方の国である鼠の国の国王様にお知らせしましたわ。後日貴方も含めて一族みんなに追って沙汰があるでしょう。】


と霖君が言うと先ほどまで吠えていたアレクが膝から崩れ落ちて、そ、そんな…と言いながら茫然自失になった。

霖君は、綺麗な顔で微笑んで次の標的に狙いを定めたようで、兎の国の王子である楪(ユズリハ)君と同じネザーランドドワーフ種の彼女の方を向き早口にまくし立てた。

【次にティアさんでしたっけ?ナツメちゃんがいないのをいいことによくも好き勝手言ってくれましたね…
貴女のお母様であるルビー様の事は、よく父から存じ上げておりますよ?


ナツメちゃんのお父様であるシエル様の婚約者候補の1人にいたそうですが、イケメンで一途なシエル様は、ナツメちゃんのお母様であるルーナ様に一目見た時からぞっこんでルーナ様は見た目だけでなく心も優しく美しかったので、民にも受け入れられシエル様のお父様に進言し無事に許可を得て早々に婚約者候補達にルーナ様の事を伝えお断りした。




にも関わらず、ルビー様は諦めきれず自分を溺愛している父親であるサファイア様に頼み込んで何度も何度もマタタビ王国に自分を正妃に選んでくれるよう書状を送りつけ、ストーカーのごとくシエル様とデート中のルーナ様との間に割り込んだり、マタタビ王国に嫁いで結婚式目前の2人の愛の巣である王城に押し掛けたりそれはそれはいい迷惑だったそうよ?

しかもナツメちゃんに入学式当日に聞いたけれど、2人は既に結婚式を挙げる2ヵ月くらい前には、ナツメちゃんを妊娠していたらしいわ。猫又族は心からの愛がなければ子は絶対にできないからね。


貴女のお母様は美しいかもしれないけれど、相手の容姿や地位によって態度を変えると聞いたわ…

そんなところがシエル様にも好かれなかったんでしょうね…まぁ良かったではありませんか、猫又族とは違って他の種族は、愛がなくても子を作ることは可能ですからね。】

と瞳だけが笑っていないのに器用に口元は弧を描き彼女に爆弾を落としたのだった。



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