私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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3章 マジョルカ学園編

味は聞くまでもなかったようです

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数多の生徒達を押しのけてガラスのテーブルに並べられたパウダースノーを勝ち取った猛者30名が、一口目を食べた直後に私は聞いた。

「お味はいかがでしょう?気に入っていただけました?」

と私が聞くまでもなくあどけなさの残る凛々しい顔立ちの王子達だけでなく、甘いもの好きの学園長や満月クラス担当のクリセント先生、お菓子目当てではなく負けず嫌いなのだろう勝負事であった為だけに参加したであろう数名の生徒達の顔が緩みきっており笑顔になっていたからだ。

<ナツメ!また腕を上げたな!!すっげぇ美味いよ。>


《ナツメの作るお菓子はいつも美味しいけど、この熱帯気候のせいか今日は一段と美味しいね。》


【さすがは俺の嫁になる女だ!お前の作る料理にも心を掴まれてしまったぞ。】


『ナツメちゃん!とっても美味しいよ、これはきっと販売したら絶対に大ヒットするよ。少なくとも僕なら買うよ!!』


“ナツメ嬢、美味しいですよ。長年生きてきましたが今まで食べた中で1番です。大人げないとは思いましたが、イベントに参加して良かったです。”


'私も参加して悔いはありません。こんなに美味しい甘味が食べられたんですから…'

と皆口々に褒めてくれた。

まだ半分ほど皆の器には、パウダースノーかき氷が残っていたので、一味違った味を楽しんでもらおうとトッピングを勧めた。

ナイト君や楪(ユズリハ)の兎族には、キャメロン(キャロットの中でも最上級グレードで、メロンのような甘さが特徴)のジャムを、雹や霙には地球で好物であったオレオのフレークを渡し、先生方には抹茶のパウダーなどそれぞれの好物を用意してあげると皆一様にパウダースノーに掛けて食べて味の違いを楽しんで涼んでいた。


食べられなかった生徒たちは、その美味しそうな絵面にヨダレが垂れてきそうなほど目を見開き私をガン見してくるので、苦肉の策として私は告げた。

「後日、1週間ほどの期間を予定して食堂の一部をお借りしてこちらの氷菓を販売するつもりです。

価格は、5プニ(1プニ=100円 獣人達の国なので肉球が硬貨の単位になっています)で毎日期間限定で販売致します。暴動になっては困りますので、毎日食堂前に空箱を用意し、欲しい方は自分の名前を書いて入れてください。不公平にならないように1度当選した方は、2度当選しません。毎回昼食時間開始になる12時の10分前、つまり11時50分頃になったら学園長のトリック先生にクジを引いてもらい当選した生徒の名前を放送してもらいます。

強奪などや乱闘の騒ぎにならないように当選した方は、食堂の一室で食べていただきます!以上ですわ。」

と告げると傍観していた生徒達の目がキラキラと輝き私を眺めていたのだった。
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