私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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3章 マジョルカ学園編

囚われのお姫様

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「ここは…どこな……の?」


目が覚めた私は、高級そうなお姫様が眠るようなベッドに寝かせられていた…まだマタタビ酔いしているようで、身体が痺れたように思うように動かず困り果てていたが、精霊の綿飴達の存在を思い出し連絡が取れるか念話で話しかけた。


「ねぇ綿飴、レオ、朱雀、アルカンシエル誰か私の声が聞こえる?」



<その……ズーザーッ……ツメ?今…ガァーッいる…ブチッツーツー>


回線が悪いのか妨害でもされているのかよく聞こえなかった上に、回線が途中で強制的に切られたようだ。
綿飴達は、時々妖精界などに帰ってこちらの世界で共存する為の力(身体を動かす源である魔素)を得るという生活をしている為、あちら側の世界に行っているときに、こちらの現在地が分かっていないときは契約者の元に転移したくても転移できないようになっている
…簡単に言えば、送る相手の現住所が分かっていないと荷物が送れないのと同義である。


頼みの綱である綿飴達と連絡が取れないと分かり、ムーン様を呼ぼうとしたがあいにく高級マタタビ シルクの持ち合わせが今はなく、どうすることもできない状態であった。



そのうち、カツカツと廊下からこちらに向かってくる足音が聞こえ私はとりあえず相手の出方を伺う為寝たふりをすると相手がドアノブを回し私のベッドまで歩み寄り私をずっと凝視しているのであろう視線を感じた。


(いつまで見てるの!?早くあっちに行ってよ。)


私の思いとは裏腹に相手は、私のベッドに乗ってきて私の顎に手を添え顔が近づいてくる気配がした。



(むきゃゃぁぁぁ、誰か誰か助けて~)


と表情には出さず念じていると、今度は願いが届いたらしい寸前のところで誰かの声がかかった。

<クロム様ここにいらしたのですね、さぁ早く準備をしてください。>


《チッ、いいところで俺様の花嫁との触れ合いを邪魔するな。》



<そんなことおっしゃらずに、儀式が済めば晴れて姫様はクロム様のものになりますゆえ>



《あぁ、そうだな。姫君待っていろよ!すぐに迎えに来る。》


と言って2人は足早に部屋から去って行った。



(冗談じゃないわ!私は誰のものでもないしキスするなら将来好きになった男性とするわ。)

とちょうどタイミングよく身体の痺れが取れたので、そろそろ部屋から抜け出し忍者になったような気分でナツメの逃亡ミッションがスタートしたのだった。
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