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討伐依頼④
無事にノータに到着する。
門番さんの1人が、ギルドに走って行った。
バギーを出して、ルリとクリス、ヒスイを乗せる。お疲れモードだったのか、3匹とも直ぐに丸くなって寝ている。かわいかあ、パシャパシャしたい。
ギルドに着くと、ウィークスさんが出てきてくれた。
「首尾は?」
なんて聞いてくる。
「抜かりなく」
で、良かったっけ?
ギルド内から歓声があがる。
「オルクは弟のアイテムボックス内です」
「では、倉庫に」
手綱持ちの男の子に、ノワールの手綱を預ける。ぞろぞろと倉庫に移動。
解体職員さんが並んでいる。
「では、頼む」
晃太が次々にオルクを出す。
ざわざわ。
オルクソルジャーやアーチャーは24体、キャプテンが3体だ。
最後に、ハイ・オルク、ハイ・オルクシャーマンを出すと、ウィークスさんの顔が険しくなる。
「テイマー殿、この首がひんまがったのは?」
「ハイ・オルクシャーマンだそうです」
ウィークスさんの顔がひきつる。
「あのテイマー殿、これはかなり珍しいのですよ」
「みたいですね。ビアンカやルージュがいるし、ドラゴン見てますから、いまいちピンと来なくて」
「そうですな。解体を始めてくれ。テイマー殿、こちらに」
先日の応接室に案内してくれるが、バギーがあるので、晃太はビアンカと外で待っていてもらう。元気のリードはビアンカに持ってもらう。
私はルージュとコハクを連れて応接室に。
すでにドナートさんが待っていた。
「どうぞ、お座りください」
「はい」
『コハク、いらっしゃい』
「にゃあぁ」
ルージュがゴロリ、コハクはぴったり張り付く。
ウィークスさんがドナートさんに耳打ち。聞いて、ため息を出すドナートさん。
私は、オルクを数匹逃したがしばらく大丈夫な事、橋の事を伝える。
「テイマー殿がいてくれて助かりました。本当に」
なんだか、すごく実感のこもった声だ。
「数が多い為に、成功報酬を上げさせていただきます。ただ、少しお時間頂けますか?」
「はい。あの、ノワールが壊した厩舎の代金ですが」
「それくらい、こちらで持ちますよ」
一旦ドナートさんがウィークスさんを残して退室。女性職員さんが、あの美味しいお茶を出してくれる。
ふーふー、頂きます。
うん、ミルクティーにしてみたい。これどこで買えるのかな?
なんて思っていたら、視線を感じる。
「なんでしょう?」
ウィークスさんだ。
「いや、失礼。あれだけ上位種のオルクを撃ち取る従魔を従えているのに、その、穏やかな女性だなと思いまして」
「私自身、一般人ですよ。たまたまテイマー能力があるだけです。たまたまビアンカとルージュに出会えただけです」
そう言うと、ウィークスさんが苦笑い。
「そうですか」
何か言いたそうだけど。
「何か?」
「失礼、私自身そこそこ冒険者としてあちこち回りましたが、ハイ・オルクシャーマンなんて初めて見ましたので。しかもあの状況を見たら一撃。どれだけの戦闘力を保有しているのか、興味がありますね。オルクの巣の掃討の瞬間を拝見したかったですな」
「えぐいですよ」
私が渋い顔をすると、ウィークスさんが笑う。
「本当に、戦闘を拝見したいですな」
ウィークスさんて変質者なのかな? ちがう、戦闘狂なのかな?
話しているとドナートさんが、戻って来た。何か小脇に抱えている。
「お待たせしました。報酬額は200万となります。それからオルクの魔石は解体後に査定してお支払いになりますが、よろしいですか?」
倍になった。
「はい、ありがとうございます」
書類にサインと魔力を流し、大金貨2枚を受けとる。
「それとこれを、個人的なお礼です。テイマー殿のお陰で誰一人犠牲が出ませんでした。受け取ってください」
ドナートさんが出したのは、小脇に抱えていた綺麗な包装紙の箱。
「これは?」
「ノータ名産のベリーの紅茶です。今、飲まれているものです」
ラッキー、買わなくて済んだ。
「ありがとうございます」
受け取ろう。ミルクティーにしよう。うふふ。
アイテムボックスに入れる。うふふ。
「それとテイマー殿、面会希望者がおります」
「面会?」
「若い夫婦を助けたでしょう? それとあの日の、手綱持ちの両親が来ております」
あの麦畑の若い夫婦と、晃太が蛇のポーションを渡した子達の親御さんね。
何だろう?
「ポーションの代金を払いたいと」
「ああ、そうですか」
「よろしいですか?」
「はい」
ウィークスさんが退室する。
えーっと、上級ポーションは確か、30万だったかな? 蛇のポーションはいくらか分からない。そんなものかな?
直ぐにあの日の若い夫婦と女の子、赤ちゃん。そして私位の年齢の夫婦が。こちらの男性は片目に眼帯している。あ、蛇のポーションが効いたんだね。どちらの夫婦も緊張した表情で入ってきた。
「にゃんにゃん」
女の子がルージュを見て嬉しそうだ。母親に、しっ、と言われている。
『にゃんにゃんって…………』
「よかやん。怖がられるより」
言いながら、私は、若い夫婦の手が目に入る。農作業で、荒れている。よく見たら、着ている服もなんというか、くたびれている。もう一組の夫婦もだ。
「私達を助けて頂きありがとうございます」
若い夫婦の旦那さんがお礼を言ってきた。
「ポーションを頂きありがとうございます。お陰で、片目が見えるようになりました」
私位の夫婦も、深くお礼を言ってきた。
お礼の言葉を聞きながら、ふと、この夫婦にこの額が払えるのかな、と思えてきた。多分数ヶ月分の生活費だ。元はタダのポーション。うーん。お金もらっていいのかな? 緊急時だとは言え、こちらが向こうの許可なくやったことだしねえ。蛇のポーションに関しては、なんの説明もしてなかっただろうし。効果を知って、どんなポーションか理解して、私に会いに来たんだろうし。
うーん。
「あの、ポーションのお代を…………」
あまり、顔色の宜しくない夫婦達。
よし。
「中級ポーションです」
「「はい?」」
「ですから、中級ポーションです。そちらには2本、そちらは1本です」
こちらが、何の説明もしないでやったことだしね。
戸惑う夫婦。
「本当に、中級ですか?」
眼帯の男性が聞いてくる。
「はい、中級です」
私は押し通す。
若い夫婦から6万、眼帯夫婦から3万を受け取る。
その間に女の子は、にゃんにゃん、と繰り返す。
「触ってみる? ルージュ、よか?」
『いいわよ。こんな小さな子に触られる位』
「大丈夫よ」
母親が顔色を変える。だけど、女の子は手を振り払い、ルージュに抱きつく。
「ダメよナラッ」
「いやいやいやいや」
「申し訳ありません」
母親が引き離すが、ナラちゃんは高速いやいやいやいや。
『仕方ないわね』
のそり、とルージュが起き上がり、いやいやしているナラちゃんをペロリ、スリスリ。まあ、母親の顔がひきつるひきつる。ナラちゃんは、一瞬驚いたが、きゃっきゃっ言ってご機嫌になり、ルージュをペタペタ触る。びっくりしている母親、ただ、優しい赤い目に警戒色が薄れていく。
だけどナラちゃんの父親、眼帯夫婦は別の不安を浮かべた様子。この額で、本当にいいのだろうか、そう思っているんだろう。
「確かに受け取りました」
私が言うがまだ不安そうだ。まあ、数万ですんだことや、もしかしたら後で追加で請求されないか、不安なんだろうね。
あんまり、私、長居しない方がいいかな。
「私、そろそろ失礼してもよろしいですか?」
「もちろん、明日までにオルクの魔石の査定を終わらせましょう」
「お願いします」
若い夫婦と眼帯夫婦は深く頭を下げてきた。私もペコリとして応接室を出る。ウィークスさんが見送ってくれた。
門番さんの1人が、ギルドに走って行った。
バギーを出して、ルリとクリス、ヒスイを乗せる。お疲れモードだったのか、3匹とも直ぐに丸くなって寝ている。かわいかあ、パシャパシャしたい。
ギルドに着くと、ウィークスさんが出てきてくれた。
「首尾は?」
なんて聞いてくる。
「抜かりなく」
で、良かったっけ?
ギルド内から歓声があがる。
「オルクは弟のアイテムボックス内です」
「では、倉庫に」
手綱持ちの男の子に、ノワールの手綱を預ける。ぞろぞろと倉庫に移動。
解体職員さんが並んでいる。
「では、頼む」
晃太が次々にオルクを出す。
ざわざわ。
オルクソルジャーやアーチャーは24体、キャプテンが3体だ。
最後に、ハイ・オルク、ハイ・オルクシャーマンを出すと、ウィークスさんの顔が険しくなる。
「テイマー殿、この首がひんまがったのは?」
「ハイ・オルクシャーマンだそうです」
ウィークスさんの顔がひきつる。
「あのテイマー殿、これはかなり珍しいのですよ」
「みたいですね。ビアンカやルージュがいるし、ドラゴン見てますから、いまいちピンと来なくて」
「そうですな。解体を始めてくれ。テイマー殿、こちらに」
先日の応接室に案内してくれるが、バギーがあるので、晃太はビアンカと外で待っていてもらう。元気のリードはビアンカに持ってもらう。
私はルージュとコハクを連れて応接室に。
すでにドナートさんが待っていた。
「どうぞ、お座りください」
「はい」
『コハク、いらっしゃい』
「にゃあぁ」
ルージュがゴロリ、コハクはぴったり張り付く。
ウィークスさんがドナートさんに耳打ち。聞いて、ため息を出すドナートさん。
私は、オルクを数匹逃したがしばらく大丈夫な事、橋の事を伝える。
「テイマー殿がいてくれて助かりました。本当に」
なんだか、すごく実感のこもった声だ。
「数が多い為に、成功報酬を上げさせていただきます。ただ、少しお時間頂けますか?」
「はい。あの、ノワールが壊した厩舎の代金ですが」
「それくらい、こちらで持ちますよ」
一旦ドナートさんがウィークスさんを残して退室。女性職員さんが、あの美味しいお茶を出してくれる。
ふーふー、頂きます。
うん、ミルクティーにしてみたい。これどこで買えるのかな?
なんて思っていたら、視線を感じる。
「なんでしょう?」
ウィークスさんだ。
「いや、失礼。あれだけ上位種のオルクを撃ち取る従魔を従えているのに、その、穏やかな女性だなと思いまして」
「私自身、一般人ですよ。たまたまテイマー能力があるだけです。たまたまビアンカとルージュに出会えただけです」
そう言うと、ウィークスさんが苦笑い。
「そうですか」
何か言いたそうだけど。
「何か?」
「失礼、私自身そこそこ冒険者としてあちこち回りましたが、ハイ・オルクシャーマンなんて初めて見ましたので。しかもあの状況を見たら一撃。どれだけの戦闘力を保有しているのか、興味がありますね。オルクの巣の掃討の瞬間を拝見したかったですな」
「えぐいですよ」
私が渋い顔をすると、ウィークスさんが笑う。
「本当に、戦闘を拝見したいですな」
ウィークスさんて変質者なのかな? ちがう、戦闘狂なのかな?
話しているとドナートさんが、戻って来た。何か小脇に抱えている。
「お待たせしました。報酬額は200万となります。それからオルクの魔石は解体後に査定してお支払いになりますが、よろしいですか?」
倍になった。
「はい、ありがとうございます」
書類にサインと魔力を流し、大金貨2枚を受けとる。
「それとこれを、個人的なお礼です。テイマー殿のお陰で誰一人犠牲が出ませんでした。受け取ってください」
ドナートさんが出したのは、小脇に抱えていた綺麗な包装紙の箱。
「これは?」
「ノータ名産のベリーの紅茶です。今、飲まれているものです」
ラッキー、買わなくて済んだ。
「ありがとうございます」
受け取ろう。ミルクティーにしよう。うふふ。
アイテムボックスに入れる。うふふ。
「それとテイマー殿、面会希望者がおります」
「面会?」
「若い夫婦を助けたでしょう? それとあの日の、手綱持ちの両親が来ております」
あの麦畑の若い夫婦と、晃太が蛇のポーションを渡した子達の親御さんね。
何だろう?
「ポーションの代金を払いたいと」
「ああ、そうですか」
「よろしいですか?」
「はい」
ウィークスさんが退室する。
えーっと、上級ポーションは確か、30万だったかな? 蛇のポーションはいくらか分からない。そんなものかな?
直ぐにあの日の若い夫婦と女の子、赤ちゃん。そして私位の年齢の夫婦が。こちらの男性は片目に眼帯している。あ、蛇のポーションが効いたんだね。どちらの夫婦も緊張した表情で入ってきた。
「にゃんにゃん」
女の子がルージュを見て嬉しそうだ。母親に、しっ、と言われている。
『にゃんにゃんって…………』
「よかやん。怖がられるより」
言いながら、私は、若い夫婦の手が目に入る。農作業で、荒れている。よく見たら、着ている服もなんというか、くたびれている。もう一組の夫婦もだ。
「私達を助けて頂きありがとうございます」
若い夫婦の旦那さんがお礼を言ってきた。
「ポーションを頂きありがとうございます。お陰で、片目が見えるようになりました」
私位の夫婦も、深くお礼を言ってきた。
お礼の言葉を聞きながら、ふと、この夫婦にこの額が払えるのかな、と思えてきた。多分数ヶ月分の生活費だ。元はタダのポーション。うーん。お金もらっていいのかな? 緊急時だとは言え、こちらが向こうの許可なくやったことだしねえ。蛇のポーションに関しては、なんの説明もしてなかっただろうし。効果を知って、どんなポーションか理解して、私に会いに来たんだろうし。
うーん。
「あの、ポーションのお代を…………」
あまり、顔色の宜しくない夫婦達。
よし。
「中級ポーションです」
「「はい?」」
「ですから、中級ポーションです。そちらには2本、そちらは1本です」
こちらが、何の説明もしないでやったことだしね。
戸惑う夫婦。
「本当に、中級ですか?」
眼帯の男性が聞いてくる。
「はい、中級です」
私は押し通す。
若い夫婦から6万、眼帯夫婦から3万を受け取る。
その間に女の子は、にゃんにゃん、と繰り返す。
「触ってみる? ルージュ、よか?」
『いいわよ。こんな小さな子に触られる位』
「大丈夫よ」
母親が顔色を変える。だけど、女の子は手を振り払い、ルージュに抱きつく。
「ダメよナラッ」
「いやいやいやいや」
「申し訳ありません」
母親が引き離すが、ナラちゃんは高速いやいやいやいや。
『仕方ないわね』
のそり、とルージュが起き上がり、いやいやしているナラちゃんをペロリ、スリスリ。まあ、母親の顔がひきつるひきつる。ナラちゃんは、一瞬驚いたが、きゃっきゃっ言ってご機嫌になり、ルージュをペタペタ触る。びっくりしている母親、ただ、優しい赤い目に警戒色が薄れていく。
だけどナラちゃんの父親、眼帯夫婦は別の不安を浮かべた様子。この額で、本当にいいのだろうか、そう思っているんだろう。
「確かに受け取りました」
私が言うがまだ不安そうだ。まあ、数万ですんだことや、もしかしたら後で追加で請求されないか、不安なんだろうね。
あんまり、私、長居しない方がいいかな。
「私、そろそろ失礼してもよろしいですか?」
「もちろん、明日までにオルクの魔石の査定を終わらせましょう」
「お願いします」
若い夫婦と眼帯夫婦は深く頭を下げてきた。私もペコリとして応接室を出る。ウィークスさんが見送ってくれた。
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