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新階層③
27階は岩場が多い階層だ。
『あそこに山羊がいるのです』
『本当だわ、ちょっと待ってね』
ビアンカとルージュが魔法を飛ばして一撃。
軽いなあ、お弁当の受け取り番号呼ばれたから受けとります、みたい感じよ。
いきなり真っ黒でデカイ山羊が岩場に鎮座していた。仔達をあらかじめルームに避難させといて良かった。
「あの、ビアンカさん、ルージュさん、あれはおらんかね?」
『蛇なのですか?』
『そうね、探せばいそうよ』
すぐに抜けたか。
しかし、調査できたのだ、頑張れ。
「晃太、しっかり」
「わい。蛇嫌いや」
渋い顔して晃太が唸る。
ドロップ品を拾い、ボス部屋に進む。
2時間で到着。
鋼鉄製のドアだ。
ルージュが黒い霞を出してチェック。
『広いわね。あら、何かしら? あ、熊だわ。数は少ないわねえ』
戦闘はお任せしよう。
いつもの様に、ノワールに支援しようとして、晃太が戸惑っている。
「あれ? 支援ができんごとなっとう」
「え、どうして?」
すったもんだしながら支援しているが、結局出来ず。多分ノワールと晃太のレベルの差が100を越したんだ。
「仕方なかね、ノワール、見学よ」
「ブヒヒンッ、ブヒヒンッ」
いやいや、地団駄を踏むノワール。
ビアンカとルージュに説得してもらう。
『ノワール、大人しくしているのです』
『ボス部屋の内容なら、次は参戦してもいいわ。だから今は我慢なさい』
「ブルブル…………」
哀愁を漂わせてノワールが諦める。
ほ、良かった。
「じゃあ、私が開けるけんね」
『いいのです』
『分かったわ』
私は魔力を流し、扉を押し開ける。重かあ。
開いた途端に、ビアンカとルージュが飛び込み、はい、終了。熊は見上げるようにデカイ熊だった。
転がるドロップ品は少ないが、ビアンカとルージュの功績だからね。
毛皮に、肝に、肉、大粒の魔石、それぞれ1つずつ。毛皮が黒だが、所々に金糸が混じっていて、とても綺麗だ。
最後に出てきた小さな宝箱。ルージュがチェック。
『罠はないわ』
「ありがとう、晃太どうぞ」
「ん」
晃太が開けると、指輪が入るサイズのビロードの箱。中には緑色の宝石だ、アイテムボックスに入れると、エメラルドだと。ボス部屋の奥に階段が、現れる。まだ、最高階ではないんやね。
それから25、26階と同じ様に過ごす。
5日間で調査、作図終了。宝箱もあった。中身はナイフが2本。
ボス部屋の復活時間は3時間プラス15~30分。
私と晃太がボス部屋の扉を開けると、1~2匹。
ノワールが開けると、2~3匹。
ビアンカとルージュが開けると、15~22匹。更に大型が2~4匹。はい、桁違い。
この階の特性か、宝箱はポーションや現金、楽器類は一切出ない。宝石か宝飾品、たまに武器類が出た。
「姉ちゃん、地図は出来たけど、次の階どうする? 次が最終階やなかったら、期限内に全部終わらんばい」
27階の地図が出来上がったその日の夜。
本日は八陣の居酒屋メニューだ。刺身の盛り合わせ、豆腐サラダ、明太子入りだし巻き卵、チキン南蛮、薩摩揚げ、串焼き盛り合わせを食べながら、晃太が切り出す。
「仕方なかろうね。次が最後やなかったら、一旦仕切り直しや。最終日は脱出用に予備日にしとこう。ビアンカ、ルージュ、よか?」
『モグモグ、仕方ないのです』
『バクバク、それでいいわ。ユイ、エビが無くなったわ』
『私は卵のがいいのです』
「はいはい」
エビチリ、明太子入りだし巻き卵をタップタップタップ。
ビアンカとルージュが満足するまでタップタップ。
「花火納豆」
「はいはい」
花火納豆と、私は鮭雑炊と。
『ユイが食べているのも欲しいのです』
『食べたいわ』
「はいはい」
タップタップタップ。
で、次の日。
27階奥の階段を上がる。
ふと、途中の踊り場で、先に上がっていたビアンカとルージュが止まる。
『ユイ、嫌な予感がするのです』
『そうね。嫌な感じがするわ』
「え?」
ビアンカとルージュがそんなこと言うなんて。
あ、不味い感じ?
「引き返そうか?」
私は途中まで登って来た階段を振り返ると、何故か27階のボス部屋に繋がっていたはずなのに、塞がっている。
嘘やろ。
本格的に不味いかも。
『ルームに入るのです』
『いいと言うまで、出ないで』
「分かった、ビアンカ、ルージュ大丈夫ね?」
『私達に勝てるのはそうはいないのです』
『そうね。心配いらないわ。安全策よ』
そうは言ったが心配だ。
だが、おそらく私達がいることで、絶対に足手まといになる。
私達はビアンカとルージュを残して、ルームに避難。
本当に大丈夫かな?
ルームから外を見る。
仔達は朝のおねむタイムだからいいけど。
ビアンカが雷女帝(エル・カテリーナ)、ルージュが光の貴婦人(リュミライトレディ)で飛び込んでいく。
ちゅどどどどどどどんッ
ちゅどどどどどどどんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁんッ
ちゅどどどどどどどーんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁーんッ
ひーっ、凄か音。
案の定仔達が起きてきた。
「クゥンクゥン」
「きゅーん、きゅーん」
「にゃあ~にゃあ~」
「みゃあ~みゃあ~」
よしよし。
体は大きくなっても、まだ、一才にもなってないからね。
ん? 足りない。
従魔の部屋で、元気が男の子全開で寝てる。
「元気は大物やなあ」
晃太がルリとクリスを撫でながら、改めて感心していた。
『終わったのです』
『もう、出てきていいわよ』
ビアンカとルージュが階段の上から声をかけてきた。
ルームから出て、階段を上がる。
今までの中でも一番広いかも。
で、転がっているのは、デカイ甲羅だ。
「亀やったと?」
『そうなのですね、ちょっと上位の亀なのです』
『尻尾が蛇だったから、玄武ね』
メジャーな名前が出てきたッ。
革や血や肝の入った瓶、肉を拾う。魔石もあれだ、ドラゴン並みに大きな魔石だ。
最後に出てきた宝箱、ルージュがチェック、罠があり、少し時間をかけて外している。
『ふう、手強いわね。でも終わったわ、どうぞ』
「ありがとう、ルージュ。さて、開けましょう」
ワクワク。ビロードの箱が1つ。中には涙型のダイヤモンドが1つ。うわあ、デカかあ。
晃太がすべてをアイテムボックスに入れると、出てきたのは脱出用魔法陣。
「ここが最後の階やったね」
ほっとした。
だけど、いきなりボス部屋か。しかもビアンカとルージュ2人がかりで倒した。一般の冒険者の方、厳しい言い方だけど、無理やない?
それからどうやってボス部屋復活時間を調べるかだ。
結局、踊り場で様子を見ることになる。
それから、ビアンカとルージュに守られながら、私は恐る恐る階段を上がり、ビアンカとルージュが後ろから飛び出した瞬間にルームに避難した。そして出てきたのは玄武ではなく、フレアタートルだった。コラーゲン、コラーゲン。ノワールでも試したが、やっぱりフレアタートルだった。数は倍だった。ノワールの後ろ脚一撃で、首がひんまがっていた。その後、ビアンカとルージュで試すとフレアタートルがわじゃわじゃ。玄武はもう一度だけ出てきた。
宝箱も豪勢だ。
私や晃太の場合は、上級ポーションが数本、現金が50~70万。
ノワールの場合は、加えて宝飾品か武器、楽器類、シルクの生地が出た。
ビアンカとルージュの場合は、宝飾品か宝石、武器類。マジックバッグも出た。まあ、石のデカかこと。
ただ、復活時間がいまいち掴めず、4~18時間と差が出た。途中、復活時間を待てないと、ビアンカとルージュはノワールを連れて27階を爆走している。
「レベルの差が開くから、あんまやらんで」
晃太の願いは、虚しく届かず。
こうして30日におよぶ冷蔵庫ダンジョン調査は終わった。
『あそこに山羊がいるのです』
『本当だわ、ちょっと待ってね』
ビアンカとルージュが魔法を飛ばして一撃。
軽いなあ、お弁当の受け取り番号呼ばれたから受けとります、みたい感じよ。
いきなり真っ黒でデカイ山羊が岩場に鎮座していた。仔達をあらかじめルームに避難させといて良かった。
「あの、ビアンカさん、ルージュさん、あれはおらんかね?」
『蛇なのですか?』
『そうね、探せばいそうよ』
すぐに抜けたか。
しかし、調査できたのだ、頑張れ。
「晃太、しっかり」
「わい。蛇嫌いや」
渋い顔して晃太が唸る。
ドロップ品を拾い、ボス部屋に進む。
2時間で到着。
鋼鉄製のドアだ。
ルージュが黒い霞を出してチェック。
『広いわね。あら、何かしら? あ、熊だわ。数は少ないわねえ』
戦闘はお任せしよう。
いつもの様に、ノワールに支援しようとして、晃太が戸惑っている。
「あれ? 支援ができんごとなっとう」
「え、どうして?」
すったもんだしながら支援しているが、結局出来ず。多分ノワールと晃太のレベルの差が100を越したんだ。
「仕方なかね、ノワール、見学よ」
「ブヒヒンッ、ブヒヒンッ」
いやいや、地団駄を踏むノワール。
ビアンカとルージュに説得してもらう。
『ノワール、大人しくしているのです』
『ボス部屋の内容なら、次は参戦してもいいわ。だから今は我慢なさい』
「ブルブル…………」
哀愁を漂わせてノワールが諦める。
ほ、良かった。
「じゃあ、私が開けるけんね」
『いいのです』
『分かったわ』
私は魔力を流し、扉を押し開ける。重かあ。
開いた途端に、ビアンカとルージュが飛び込み、はい、終了。熊は見上げるようにデカイ熊だった。
転がるドロップ品は少ないが、ビアンカとルージュの功績だからね。
毛皮に、肝に、肉、大粒の魔石、それぞれ1つずつ。毛皮が黒だが、所々に金糸が混じっていて、とても綺麗だ。
最後に出てきた小さな宝箱。ルージュがチェック。
『罠はないわ』
「ありがとう、晃太どうぞ」
「ん」
晃太が開けると、指輪が入るサイズのビロードの箱。中には緑色の宝石だ、アイテムボックスに入れると、エメラルドだと。ボス部屋の奥に階段が、現れる。まだ、最高階ではないんやね。
それから25、26階と同じ様に過ごす。
5日間で調査、作図終了。宝箱もあった。中身はナイフが2本。
ボス部屋の復活時間は3時間プラス15~30分。
私と晃太がボス部屋の扉を開けると、1~2匹。
ノワールが開けると、2~3匹。
ビアンカとルージュが開けると、15~22匹。更に大型が2~4匹。はい、桁違い。
この階の特性か、宝箱はポーションや現金、楽器類は一切出ない。宝石か宝飾品、たまに武器類が出た。
「姉ちゃん、地図は出来たけど、次の階どうする? 次が最終階やなかったら、期限内に全部終わらんばい」
27階の地図が出来上がったその日の夜。
本日は八陣の居酒屋メニューだ。刺身の盛り合わせ、豆腐サラダ、明太子入りだし巻き卵、チキン南蛮、薩摩揚げ、串焼き盛り合わせを食べながら、晃太が切り出す。
「仕方なかろうね。次が最後やなかったら、一旦仕切り直しや。最終日は脱出用に予備日にしとこう。ビアンカ、ルージュ、よか?」
『モグモグ、仕方ないのです』
『バクバク、それでいいわ。ユイ、エビが無くなったわ』
『私は卵のがいいのです』
「はいはい」
エビチリ、明太子入りだし巻き卵をタップタップタップ。
ビアンカとルージュが満足するまでタップタップ。
「花火納豆」
「はいはい」
花火納豆と、私は鮭雑炊と。
『ユイが食べているのも欲しいのです』
『食べたいわ』
「はいはい」
タップタップタップ。
で、次の日。
27階奥の階段を上がる。
ふと、途中の踊り場で、先に上がっていたビアンカとルージュが止まる。
『ユイ、嫌な予感がするのです』
『そうね。嫌な感じがするわ』
「え?」
ビアンカとルージュがそんなこと言うなんて。
あ、不味い感じ?
「引き返そうか?」
私は途中まで登って来た階段を振り返ると、何故か27階のボス部屋に繋がっていたはずなのに、塞がっている。
嘘やろ。
本格的に不味いかも。
『ルームに入るのです』
『いいと言うまで、出ないで』
「分かった、ビアンカ、ルージュ大丈夫ね?」
『私達に勝てるのはそうはいないのです』
『そうね。心配いらないわ。安全策よ』
そうは言ったが心配だ。
だが、おそらく私達がいることで、絶対に足手まといになる。
私達はビアンカとルージュを残して、ルームに避難。
本当に大丈夫かな?
ルームから外を見る。
仔達は朝のおねむタイムだからいいけど。
ビアンカが雷女帝(エル・カテリーナ)、ルージュが光の貴婦人(リュミライトレディ)で飛び込んでいく。
ちゅどどどどどどどんッ
ちゅどどどどどどどんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁんッ
ちゅどどどどどどどーんッ
どかぁぁぁぁぁぁぁーんッ
ひーっ、凄か音。
案の定仔達が起きてきた。
「クゥンクゥン」
「きゅーん、きゅーん」
「にゃあ~にゃあ~」
「みゃあ~みゃあ~」
よしよし。
体は大きくなっても、まだ、一才にもなってないからね。
ん? 足りない。
従魔の部屋で、元気が男の子全開で寝てる。
「元気は大物やなあ」
晃太がルリとクリスを撫でながら、改めて感心していた。
『終わったのです』
『もう、出てきていいわよ』
ビアンカとルージュが階段の上から声をかけてきた。
ルームから出て、階段を上がる。
今までの中でも一番広いかも。
で、転がっているのは、デカイ甲羅だ。
「亀やったと?」
『そうなのですね、ちょっと上位の亀なのです』
『尻尾が蛇だったから、玄武ね』
メジャーな名前が出てきたッ。
革や血や肝の入った瓶、肉を拾う。魔石もあれだ、ドラゴン並みに大きな魔石だ。
最後に出てきた宝箱、ルージュがチェック、罠があり、少し時間をかけて外している。
『ふう、手強いわね。でも終わったわ、どうぞ』
「ありがとう、ルージュ。さて、開けましょう」
ワクワク。ビロードの箱が1つ。中には涙型のダイヤモンドが1つ。うわあ、デカかあ。
晃太がすべてをアイテムボックスに入れると、出てきたのは脱出用魔法陣。
「ここが最後の階やったね」
ほっとした。
だけど、いきなりボス部屋か。しかもビアンカとルージュ2人がかりで倒した。一般の冒険者の方、厳しい言い方だけど、無理やない?
それからどうやってボス部屋復活時間を調べるかだ。
結局、踊り場で様子を見ることになる。
それから、ビアンカとルージュに守られながら、私は恐る恐る階段を上がり、ビアンカとルージュが後ろから飛び出した瞬間にルームに避難した。そして出てきたのは玄武ではなく、フレアタートルだった。コラーゲン、コラーゲン。ノワールでも試したが、やっぱりフレアタートルだった。数は倍だった。ノワールの後ろ脚一撃で、首がひんまがっていた。その後、ビアンカとルージュで試すとフレアタートルがわじゃわじゃ。玄武はもう一度だけ出てきた。
宝箱も豪勢だ。
私や晃太の場合は、上級ポーションが数本、現金が50~70万。
ノワールの場合は、加えて宝飾品か武器、楽器類、シルクの生地が出た。
ビアンカとルージュの場合は、宝飾品か宝石、武器類。マジックバッグも出た。まあ、石のデカかこと。
ただ、復活時間がいまいち掴めず、4~18時間と差が出た。途中、復活時間を待てないと、ビアンカとルージュはノワールを連れて27階を爆走している。
「レベルの差が開くから、あんまやらんで」
晃太の願いは、虚しく届かず。
こうして30日におよぶ冷蔵庫ダンジョン調査は終わった。
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