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調達②
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27階のボス部屋はあの熊なので、しっかりビアンカとルージュに援護をもらう。晃太の支援魔法スキルアップもあるため、私がボス部屋を開けて挑む。
光のリンゴが容赦なく熊を直撃。後ろに下がった瞬間、支援を受けたホークさんとチュアンさんが止めを刺す。流石本職。チュアンさんの斧が、膝を直撃して、膝を突かせた所を、ホークさんの剣が首をすぽーん。晃太のデバフもあるやろうけど、あはははん、すごかあ。ドロップ品を拾い出てきた宝箱。ルージュが罠を解除する。
さてさて、ワクワク。
はい、お馴染みビロードの箱。
マデリーンさんが開ける。
「まあ、素敵。宝石です」
見せてもらうと、宝石が5つ。紫色に茶色に水色にピンク色に緑色。
「あー、アメジスト、シトリン、アクアマリン、ローズクウォーツ、ペリドットや」
晃太のアイテムボックスに入れて説明してくれる。
それから28階往復する。
28階は中々復活時間がかかるからね。
コラーゲン、コラーゲン、コラーゲン。
あ、そうや、フレアタートルの甲羅で何か出来ないかな? 確か鎧にできるって聞いたし。よし、引き取ろう。
順調にちゅどん、ドカン、バキバキ。
「ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが絶好調で爆走し、フレアタートルの首が、明後日の方角を向く。あはははん、一撃ー。
フレアタートルも黙ってない、火を吐くが、ルージュが倍の炎でお返しして消し炭になる。この暑いのに、火は勘弁。ぎゃーっ。サウナや、完全にサウナや。ぎゃーっ。ビアンカが氷の魔法でボス部屋の温度を下げるが、一気に湿度が上がる。本当勘弁。
汗だくになりながら、手早くドロップ品回収。ひーっ。湿度がー。宝箱はルージュがいやいやながらルームから出てきてチェック。あのさ、どなたの魔法でこんなことになったんかね?
『解除したわ』
「ありがとう」
ぱっ、と開ける、お馴染みビロードの箱。
「ルームで見ましょう」
私の言葉に誰も反対しない。
ボス部屋を出て、踊場でルームを開けて入る。ああ、エアコンが気持ちよか。
水分補給してから、パカリ。
あら? サイズ的にてっきり宝石か指輪かと思ったけど、更に袋が入っている。巾着みたいや。初めてのパターンや。触ってみると、何だか粗い砂が入っているようや。
「なんやろ?」
晃太がペットボトルのお茶を飲みながら、覗き込む。
私は掌に出して、袋を開ける。
キラキラ、キラキラ、キラキラッ。
私は袋を閉める。
「見た?」
「見た」
「晃太、入れて」
「ん」
晃太が自分のアイテムボックスに入れて、リストチェック。
「小粒ダイヤモンド、500粒やて」
「ごっ、また、豪勢な。まあ、タージェルさんが喜ぶけん、よかろう」
前回みたいな二億のが出てもね。購入できる人は限られるからね。小さい方が、いいかね。いろんな人が手にできるはず。うん、そう思おう。
それからも休憩とちゅどん、ドカン、バキバキ。布も出た、大量に出た。よし、これだけあれば、きっとパーカーさんも納得してくれるはず。
だけど、出ない、武器類が、まったく。
いつもなら、アソートのように出てくるのに。ナイフすら出ないよ。それに玄武も出てこない。まあ、そうそう出ないか、なんせドラゴン以上に珍しいからね。
うーん、次回かな?
そうこうしていると、最終日を迎える。
ルージュが開けて、ビアンカが雷女帝(エル・カテリーナ)で飛び込む。はい、ちゅどん、どかん。今回はノワール見学。雷女帝(エル・カテリーナ)の場合、周囲が危ないので、ルージュくらいしか援護に行けない。
しばらく爆音が響き落ち着く。
『終わったのですー』
『いいわよー』
階段の上でビアンカとルージュが顔を出す。
皆でぞろぞろ上がり、ドロップ品を拾い集める。今回もフレアタートルね。お肉は幾つか引き取りだね。コラーゲン、コラーゲン。
「ユイさん、宝箱出ました」
ホークさんが報せてくれる。あら、宝箱、細長い。お、サイズ的に剣じゃない? やっと武器やない。
「はいはい。ルージュ、お願いね」
『ちょっと待ってね』
ルージュが鼻先から黒い霞を出す。
『罠あるわね、ちょっと待ってね』
しばらくして、やっと解除する。
『ふう、手強いわね。終わったわ』
「ありがとう、さ、開けましょう」
ワクワク、剣かな? 剣かな?
ぱかり。
「あら? 木? あ、杖?」
白い、綺麗なラインの細身の杖だ。
来た来た、武器武器。杖なら魔法使いだ。手にすると、軽い。
「マデリーンさん、杖が出ましたよー」
私はマデリーンさんを呼ぶ。
戸惑うマデリーンさんに杖を渡す。
「これは? なんて素晴らしいのでしょう」
杖を手にしたマデリーンさんはうっとり。
「材料は何かしら? かなり魔力を感じるわ」
角度を変えて見ている。うん、綺麗な杖だなあ。シンプルだけど。
「トレントではないか? 前の杖もトレントだったろう?」
チュアンさんも覗き込む。ああ、マデリーンさんがお姉さんから譲り受けた大事な杖ね。実は借金奴隷に落ちた時の借金の為に売った杖は、すでに販売されて、行方が分からなくなってしまった。買い戻したかったけどねえ。
「いいえ、前の杖とは違うわ」
「試し撃ちでもしたらどうです?」
私が何気なく言ってみた。マデリーンさんが軽く魔法を使うことに。
「ふう、はぁっ」
壁に向かって、火の矢を放つ。
ごおおおぉぉぉぉぉぉっ
ぎゃーっ。火の矢じゃないーッ。火炎放射器やーッ。あ、ひーッ、熱かあっ。
マデリーンさんが後方に吹き飛ばされてるっ。ホークさんとチュアンさんが何とか受け止めるが、二人とも後ろに倒れ込む。
「マ、マデリーンさんっ、大丈夫ですかっ」
私は慌てて駆け寄る。
「な、なんとか、なんとか、大丈夫です…………」
「あたた…………」
「ああ、大丈夫か、マデリーン?」
ホークさんとチュアンさんも起き上がる。
「これ、何の杖ですかね、トレントではないけど」
起き上がり、白い杖を恐々持つマデリーンさん。
「おそらく、何か、上級付与だと思うんですが」
「父に鑑定してもらいましょうか?」
私が言うと、マデリーンさんは首を横に振る。
「たとえ材質や付与が分かっても、今の私には扱えません。力不足です」
「じゃあしばらく晃太のアイテムボックスに入れます? 使える頃合いを見て使ったらいいじゃないですか?」
「ユイさん、この杖、ギルドに回せば、かなりの額になりますよ」
「せっかくですもん、マデリーンさんが使えるようになるまで待ちましょう。それでも無理ならギルドに回しますよ」
「ああ、ユイさんがいいなら」
「では晃太、杖ば入れて、あっ、こらっ元気ーッ」
元気が尻尾ブンブン振って、新しい杖をおもちゃと勘違いして、マデリーンさんから杖を奪う。
嫌な予感しかせんっ。
「ビアンカ止めてーッ」
『元気っ、止めるのですっ』
尻尾ぷりぷり。ぷりぷり。ぷりぷり。くっ、お尻がかわいかっ。
ビアンカの声に元気が振り返る。が、再び走り回り、そしてビアンカが取り上げる瞬間に、嫌な予感が発動する。
バリバリバリバリバリィィィッ
強烈な雷が発動し、ボス部屋の壁に直撃し、爆発。ギャーッ。
『元気ッ、止めろと言ったのですッ』
はい、次はビアンカの雷が落ちる。それでやっと元気が咥えていた杖を離す。私は傷が入っていないか心配だったけど、良かった無傷や。もう、なんやねんこの杖、危なかね。晃太のアイテムボックスに入れておかんと。
「晃太、入れて」
「ん」
無事にアイテムボックスに。
「ふーん、なあルージュ、ロイヤル・エメラルドってしっとう?」
杖をアイテムボックスに入れて、何の杖か分かったようや。雷中のビアンカには聞けずに、ルージュに聞いてる。
『ロイヤル・エメラルド…………確か、聞いたことあるわ。えーっと。あ、主様のお話であったわ。樹の魔物の王よ。あれとケンカすると、骨が折れるって仰ってたわ』
「ワォ」
ルージュの言う主様ってあれでしょ、世界に勝るものなしの皇帝竜(カイザードラゴン)さんよね? そんな人、いやドラゴンさんが骨が折れるって、どんだけやねん。て、ことはヤバい魔物素材の杖なのね。唯一でた武器、なんかとんでもないのが出た気がする。
「あのユイさん、もしかしたら世界樹ではないですか?」
マデリーンさんが顔を強ばらせながら聞いてくる。
「ロイヤルの名を冠するものは、確か世界樹しかないかと思うんです」
世界樹はエルフが治める国のシンボルツリーだ。ユリアレーナと隣接するシーラの西に位置している森林国だ。世界樹か、確かエリクサーの材料になるって聞いたし、ファンタジーでは有名な名前だ。で、世界樹はもちろん樹なので、木材とか取れるがとんでもなく貴重品。管理しているエルフ達が国を上げて守っている。枝は時折自然に落下した枯れ枝が輸出されるが、そうそうない。葉っぱも本当に必要な剪定の時に出たものしか出回らない。世界樹で作られた杖を手にする。それは魔法使いであれば誰でも憧れるそうだ。
だが、マデリーンさんの説明にルージュは違うわ、と首を振る。
『主様はロイヤル・エメラルドは別の大陸だと仰っていたわ。それとは違うはずよ』
「なら、親戚かなんかやね。お父さんに鑑定してもらおう。そうすれば分かるはずやし。とにかくしばらく封印やね」
そうしよう。もし、ギルドに出したら大騒ぎな気がする。
「ユイさん、ユイさん、あそこ、部屋の入口みたいなのが出てきましたっ」
封印の言葉を出してすぐに、ミゲル君の声が響いた。
光のリンゴが容赦なく熊を直撃。後ろに下がった瞬間、支援を受けたホークさんとチュアンさんが止めを刺す。流石本職。チュアンさんの斧が、膝を直撃して、膝を突かせた所を、ホークさんの剣が首をすぽーん。晃太のデバフもあるやろうけど、あはははん、すごかあ。ドロップ品を拾い出てきた宝箱。ルージュが罠を解除する。
さてさて、ワクワク。
はい、お馴染みビロードの箱。
マデリーンさんが開ける。
「まあ、素敵。宝石です」
見せてもらうと、宝石が5つ。紫色に茶色に水色にピンク色に緑色。
「あー、アメジスト、シトリン、アクアマリン、ローズクウォーツ、ペリドットや」
晃太のアイテムボックスに入れて説明してくれる。
それから28階往復する。
28階は中々復活時間がかかるからね。
コラーゲン、コラーゲン、コラーゲン。
あ、そうや、フレアタートルの甲羅で何か出来ないかな? 確か鎧にできるって聞いたし。よし、引き取ろう。
順調にちゅどん、ドカン、バキバキ。
「ブヒヒヒヒーンッ」
ノワールが絶好調で爆走し、フレアタートルの首が、明後日の方角を向く。あはははん、一撃ー。
フレアタートルも黙ってない、火を吐くが、ルージュが倍の炎でお返しして消し炭になる。この暑いのに、火は勘弁。ぎゃーっ。サウナや、完全にサウナや。ぎゃーっ。ビアンカが氷の魔法でボス部屋の温度を下げるが、一気に湿度が上がる。本当勘弁。
汗だくになりながら、手早くドロップ品回収。ひーっ。湿度がー。宝箱はルージュがいやいやながらルームから出てきてチェック。あのさ、どなたの魔法でこんなことになったんかね?
『解除したわ』
「ありがとう」
ぱっ、と開ける、お馴染みビロードの箱。
「ルームで見ましょう」
私の言葉に誰も反対しない。
ボス部屋を出て、踊場でルームを開けて入る。ああ、エアコンが気持ちよか。
水分補給してから、パカリ。
あら? サイズ的にてっきり宝石か指輪かと思ったけど、更に袋が入っている。巾着みたいや。初めてのパターンや。触ってみると、何だか粗い砂が入っているようや。
「なんやろ?」
晃太がペットボトルのお茶を飲みながら、覗き込む。
私は掌に出して、袋を開ける。
キラキラ、キラキラ、キラキラッ。
私は袋を閉める。
「見た?」
「見た」
「晃太、入れて」
「ん」
晃太が自分のアイテムボックスに入れて、リストチェック。
「小粒ダイヤモンド、500粒やて」
「ごっ、また、豪勢な。まあ、タージェルさんが喜ぶけん、よかろう」
前回みたいな二億のが出てもね。購入できる人は限られるからね。小さい方が、いいかね。いろんな人が手にできるはず。うん、そう思おう。
それからも休憩とちゅどん、ドカン、バキバキ。布も出た、大量に出た。よし、これだけあれば、きっとパーカーさんも納得してくれるはず。
だけど、出ない、武器類が、まったく。
いつもなら、アソートのように出てくるのに。ナイフすら出ないよ。それに玄武も出てこない。まあ、そうそう出ないか、なんせドラゴン以上に珍しいからね。
うーん、次回かな?
そうこうしていると、最終日を迎える。
ルージュが開けて、ビアンカが雷女帝(エル・カテリーナ)で飛び込む。はい、ちゅどん、どかん。今回はノワール見学。雷女帝(エル・カテリーナ)の場合、周囲が危ないので、ルージュくらいしか援護に行けない。
しばらく爆音が響き落ち着く。
『終わったのですー』
『いいわよー』
階段の上でビアンカとルージュが顔を出す。
皆でぞろぞろ上がり、ドロップ品を拾い集める。今回もフレアタートルね。お肉は幾つか引き取りだね。コラーゲン、コラーゲン。
「ユイさん、宝箱出ました」
ホークさんが報せてくれる。あら、宝箱、細長い。お、サイズ的に剣じゃない? やっと武器やない。
「はいはい。ルージュ、お願いね」
『ちょっと待ってね』
ルージュが鼻先から黒い霞を出す。
『罠あるわね、ちょっと待ってね』
しばらくして、やっと解除する。
『ふう、手強いわね。終わったわ』
「ありがとう、さ、開けましょう」
ワクワク、剣かな? 剣かな?
ぱかり。
「あら? 木? あ、杖?」
白い、綺麗なラインの細身の杖だ。
来た来た、武器武器。杖なら魔法使いだ。手にすると、軽い。
「マデリーンさん、杖が出ましたよー」
私はマデリーンさんを呼ぶ。
戸惑うマデリーンさんに杖を渡す。
「これは? なんて素晴らしいのでしょう」
杖を手にしたマデリーンさんはうっとり。
「材料は何かしら? かなり魔力を感じるわ」
角度を変えて見ている。うん、綺麗な杖だなあ。シンプルだけど。
「トレントではないか? 前の杖もトレントだったろう?」
チュアンさんも覗き込む。ああ、マデリーンさんがお姉さんから譲り受けた大事な杖ね。実は借金奴隷に落ちた時の借金の為に売った杖は、すでに販売されて、行方が分からなくなってしまった。買い戻したかったけどねえ。
「いいえ、前の杖とは違うわ」
「試し撃ちでもしたらどうです?」
私が何気なく言ってみた。マデリーンさんが軽く魔法を使うことに。
「ふう、はぁっ」
壁に向かって、火の矢を放つ。
ごおおおぉぉぉぉぉぉっ
ぎゃーっ。火の矢じゃないーッ。火炎放射器やーッ。あ、ひーッ、熱かあっ。
マデリーンさんが後方に吹き飛ばされてるっ。ホークさんとチュアンさんが何とか受け止めるが、二人とも後ろに倒れ込む。
「マ、マデリーンさんっ、大丈夫ですかっ」
私は慌てて駆け寄る。
「な、なんとか、なんとか、大丈夫です…………」
「あたた…………」
「ああ、大丈夫か、マデリーン?」
ホークさんとチュアンさんも起き上がる。
「これ、何の杖ですかね、トレントではないけど」
起き上がり、白い杖を恐々持つマデリーンさん。
「おそらく、何か、上級付与だと思うんですが」
「父に鑑定してもらいましょうか?」
私が言うと、マデリーンさんは首を横に振る。
「たとえ材質や付与が分かっても、今の私には扱えません。力不足です」
「じゃあしばらく晃太のアイテムボックスに入れます? 使える頃合いを見て使ったらいいじゃないですか?」
「ユイさん、この杖、ギルドに回せば、かなりの額になりますよ」
「せっかくですもん、マデリーンさんが使えるようになるまで待ちましょう。それでも無理ならギルドに回しますよ」
「ああ、ユイさんがいいなら」
「では晃太、杖ば入れて、あっ、こらっ元気ーッ」
元気が尻尾ブンブン振って、新しい杖をおもちゃと勘違いして、マデリーンさんから杖を奪う。
嫌な予感しかせんっ。
「ビアンカ止めてーッ」
『元気っ、止めるのですっ』
尻尾ぷりぷり。ぷりぷり。ぷりぷり。くっ、お尻がかわいかっ。
ビアンカの声に元気が振り返る。が、再び走り回り、そしてビアンカが取り上げる瞬間に、嫌な予感が発動する。
バリバリバリバリバリィィィッ
強烈な雷が発動し、ボス部屋の壁に直撃し、爆発。ギャーッ。
『元気ッ、止めろと言ったのですッ』
はい、次はビアンカの雷が落ちる。それでやっと元気が咥えていた杖を離す。私は傷が入っていないか心配だったけど、良かった無傷や。もう、なんやねんこの杖、危なかね。晃太のアイテムボックスに入れておかんと。
「晃太、入れて」
「ん」
無事にアイテムボックスに。
「ふーん、なあルージュ、ロイヤル・エメラルドってしっとう?」
杖をアイテムボックスに入れて、何の杖か分かったようや。雷中のビアンカには聞けずに、ルージュに聞いてる。
『ロイヤル・エメラルド…………確か、聞いたことあるわ。えーっと。あ、主様のお話であったわ。樹の魔物の王よ。あれとケンカすると、骨が折れるって仰ってたわ』
「ワォ」
ルージュの言う主様ってあれでしょ、世界に勝るものなしの皇帝竜(カイザードラゴン)さんよね? そんな人、いやドラゴンさんが骨が折れるって、どんだけやねん。て、ことはヤバい魔物素材の杖なのね。唯一でた武器、なんかとんでもないのが出た気がする。
「あのユイさん、もしかしたら世界樹ではないですか?」
マデリーンさんが顔を強ばらせながら聞いてくる。
「ロイヤルの名を冠するものは、確か世界樹しかないかと思うんです」
世界樹はエルフが治める国のシンボルツリーだ。ユリアレーナと隣接するシーラの西に位置している森林国だ。世界樹か、確かエリクサーの材料になるって聞いたし、ファンタジーでは有名な名前だ。で、世界樹はもちろん樹なので、木材とか取れるがとんでもなく貴重品。管理しているエルフ達が国を上げて守っている。枝は時折自然に落下した枯れ枝が輸出されるが、そうそうない。葉っぱも本当に必要な剪定の時に出たものしか出回らない。世界樹で作られた杖を手にする。それは魔法使いであれば誰でも憧れるそうだ。
だが、マデリーンさんの説明にルージュは違うわ、と首を振る。
『主様はロイヤル・エメラルドは別の大陸だと仰っていたわ。それとは違うはずよ』
「なら、親戚かなんかやね。お父さんに鑑定してもらおう。そうすれば分かるはずやし。とにかくしばらく封印やね」
そうしよう。もし、ギルドに出したら大騒ぎな気がする。
「ユイさん、ユイさん、あそこ、部屋の入口みたいなのが出てきましたっ」
封印の言葉を出してすぐに、ミゲル君の声が響いた。
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