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調達⑤
「ユイさん、ドロップ品の%下げましょう」
ホークさんが真剣に言ってきた。
「なんば言いようとですか? 契約時に1%って約束したやないですか。さ、パーティーカードに入れてください」
「しかし、これは貰いすぎです」
「はいはい、ピシャッと入れてくださいねー」
有無を言わせず、パーティーカードに入金手続きする。
今回のドロップ品は合計で3億9802万3500となり、宝飾品は7億4360万となった。あのブルーダイヤモンド、なんと5億5000万。凄か額。500粒のダイヤモンドは合計1億、ご褒美部屋から出た宝石類は差が出た。安いものは2000、一番高額なのは300万だった。
白金貨、大金貨、金貨、銀貨、銅貨確認。よし、大丈夫や。
次の冷蔵庫ダンジョンは日帰り予定。10階の家鴨狙いだ。ホークさんの矢の為にね。で、その次をどうしようか悩んでいる。首都に行くために、行けるとしても1週間だ。こんな時のリティアさんだ。昨日の布の件で深く感謝してきたけど、お世話になっているしね。
「で、首都に行く前に、もう一度冷蔵庫ダンジョンに行こうと思っていますが。1週間ほどしか時間がありませんので、20階か25階のどちらでスタートしたらいいか迷っていまして。至急の依頼が多い方からにしたいのですが」
「でしたら、やはり20階のバーザタイラントでございますね。近隣諸国もそうですが、アルティーナからも問い合わせが来ておりますので」
アルティーナか。
あちらにも、バーザタイラントの出るダンジョンがあるそうだが、上級者向けのエリアだし、なかなか到達する冒険者がいない。そしてビアンカやルージュみたいな非常識と思える戦力がそうあるわけないし、神様のブーストがあるわけではないしね。つまり、なかなか手に入らないってこと。アルティーナ帝国は大国だ。相応に住んでいる人はいて、バーザタイラントのポーションを待つ人も当然多い。供給がまったく追い付いていない現状だ。
あんまりいいイメージのない国だけど、実際にアルティーナに住み、生活し、国を回している現地の人達は、関係ない。
「分かりました。20階メインで行きます」
蛇は嫌やけどね。
「お願いします」
よし、明日は日帰り家鴨や。
「気を付けるんよ」
「ん、行ってきます」
母と花に見送られて、お弁当を持ち、朝早く冷蔵庫ダンジョンに向かう。本日ノワールはお留守番。
いつものように、警備の人が魔法陣のある小屋のドアを開けてくれる。
「今日は10階ですね。魔法陣はボス部屋の近くのセーフティゾーンにありますので、すぐにわかりますよ。復活時間は一時間かかるかと」
いつもありがとうございます。
『いいのですか? 流すのです』
元気のリードはホークさん、コハクはチュアンさんが持つ。
ふわっ、と景色が変わる。
初めて見る景色や、森林みたいな感じ。
ボス部屋は、あ、あそこや、既に並んでいる。
よし、第一印象は良く行かないとね。
「おはようございます。並んでもいいですか?」
前の冒険者の方達にご挨拶。冒険者の方達は、似たような装備品だ。パーティーだろうけど、10人の大所帯だ。
「はい、どうぞテイマーさん」
代表者らしいごつい男性が対応してくれる。向こうのリーダーさんはギルさん。元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。
彼らは教会の戦闘部隊だそうだ。道理でお揃いっぽい装備品なのね。
そして孤児院の再建には、皆さん揃って感謝してきた。結局、ビアンカとルージュのちゅどん、どかんのおかげだし。大工工房や父の尽力やしね。
話をすると、母が週に1度、鍋を持ち孤児達の元に通っていることや、小児用の抗生剤と解熱剤の治験の協力機関に認定を進言したことを感謝された。薬に関してはダワーさんにお願いして、資金を提供しただけだしね。まだ建設中の孤児院、秋頃に出来上がる予定で、2ヶ所に分かれて生活している。そして孤児の数がまた増えたそうで。大変そうだ。
戦闘部隊の発足理由は、文武両道なのだが、今は教会の運転資金や、教会に勤めている人達の賃金、住み込みの人の生活費。そして最大の理由が孤児院の経営費を得る為だ。
「とにかく食費がかかります。育ち盛りですし、ひもじい思いを少しでもさせたくありません」
10階で出るのは羽の他に、お肉や卵、そしてたまに大型が出ると小さな魔石が出る。羽は現金収入、お肉や卵は貴重な子供達のたんぱく質だ。子供達はいつも楽しみに待っていると。
「元スラム街の孤児達も待っています」
なんと、教会の戦闘部隊の皆さん、経営が違うのに、元スラム街の孤児院にも家鴨のお肉や卵を持って行っていると。なんて優しい。
「我々も元々孤児が多く、ひもじい思いは、嫌と言う程しました。ですから、我々は出来る限りのことをしているだけです」
「是非。お手伝いさせてください」
私は提案する。
なんせレベル500越えの我等のビアンカとルージュが、ボス部屋開ければ恐ろしい事に毎回なってる。そうなれば出てくるドロップ品もけた外れに多くなる。
「つまり、共闘ですね。私達は矢に必要な羽がほしいので、必要なもの以外はすべて進呈します」
「それではそちらの取り分が少なすぎます。ただでさえ、色々ご配慮頂き感謝しているのに」
「ですから更にお願いがあります。うちの弟は支援魔法のスキルアップを図っています。皆さんにはその支援を受けて戦闘してほしいんです。ドロップ品はその謝礼です。勿論、ビアンカとルージュに援護して貰います」
それでもギルさんは迷いの表情。
「子供達に、お腹いっぱい食べさせてあげてください」
「…………分かりました、ありがとうございます」
ギルさんの決意が固まり、ボス部屋が開く、中から冒険者が顔を出して、脱出の旨を伝える。
復活を待っている間に、更に後ろに冒険者パーティーが並び、元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。元気は人見知りしない。わあ、かわいい、と歓声が上がる。鼻が高い。
しばらくして、ボス部屋復活。
『ユイ、私達は援護なのですね?』
『初撃だけでいいの?』
「そうやね。あの光のやつば出してくれる?」
『分かったわ』
晃太が支援魔法たて続けて発動。
戦闘部隊の人達は10人。弓士が2人、剣士が2人、槍士が1人。魔法使いが2人、火魔法剣士が1人、土魔法槍士が1人、回復役が1人。
晃太が細かく支援していく。ルージュが光のリンゴを出す。
ホークさんも弓を構え、マデリーンさんも杖を、チュアンさんも構える。
『いいのですか?』
ビアンカが確認して、木製のボス部屋を開ける。ビアンカには商いの神様のブーストがある。きっとお肉がたくさん出る。
ぎぎぎ、と木製の扉が開き、間髪置かずルージュが閃光を叩き込む。相変わらずちゅどん、どかん。
次に弓士が矢を放ち、魔法が放たれる。
「わんわんっ」
「にゃーっ」
元気とコハクが弾かれたビー玉のように飛び出していく。
私は愛用のフライパンを持ち、皆さんと続く。
家鴨って、公園の池にいるイメージがあって、かわいかなのに、なんでダンジョン内のは、目がつり上げっているや? あの爪、凄く鋭かし。大きさも、一回り大きいし。
しかし。
数が、多かっ。そこらじゅうにみっしり目がつり上がった家鴨がっ。
「怯むなっ」
ギルさんが激を飛ばす。
戦闘部隊の皆さんは連携を取りながら、次々に家鴨を倒していく。
「くわぁぁぁぁぁぁぁっ」
ひーっ、でっかい家鴨が出てきたーっ。しかも一匹やないっ。
「わんわんっ」
元気の雷が炸裂。
「にゃーっ」
戦闘モードのコハクが、ベビージャガーパンチを一発。
「「はっ」」
ホークさんの剣が、チュアンさんの斧が、真っ二つにする。
私も子供達のたんぱく質の為にっ。すまんっ、目がつり上がった家鴨よっ。フライパンが飛びかかってきた家鴨を直撃した。
「あの本当によろしいのですか?」
ギルさんが大量のお肉と卵を前に戸惑い。羽はホークさんが厳選。
「はい。また挑めばいいだけですから。あ、良かったら、私のマジックバッグ使ってください。時間停止です。もう一つありますから。後日教会に取りに行きます」
「ありがとうございます」
戦闘部隊の方で、アイテムボックスのある人は2人。だけど時間遅効の為、結局マジックバッグにいれていた。宝箱には赤みがかったオレンジの石のブレスレット。カーネリアンと。これはギルさんはお断りしていた。魔石は寄付という形にした。
「なあ、あの従魔、レベル幾つだ?」
「バカッ、聞こえるだろッ」
「世の中知らん方がいいことあるんだぞっ」
「ドラゴン一撃だぞっ、家鴨が勝てるわけないだろっ」
聞こえてますよ。ビアンカもルージュも気にもしない。
「皆さんも今日は家鴨ですか?」
なんとなく聞くと、ギルさんは首を振る。
「これは子供達に食べさせます。みんな楽しみにしていますから」
そう答えたギルさんは嬉しそうだ。ギルさん自身も、こうやって戦闘部隊が帰って来るのを、いつも心待にしていたそうだ。
「テイマーさん、本当にありがとうございます。どうかおきをつけて」
「はい」
戦闘部隊はそれで、ダンジョンから脱出していった。
あれだけお肉あるのに、食べないんだ。いや、食べれないんだね。子供達はおそらく3桁いってるはずだし。戦闘部隊の皆さん、がたいよさそうなのに、汗だくで戦って、お肉なしか。うーん、なんとかならんかなあ。この前のダンジョンアタックで、かなりの額転がり込んだけど、お金寄付したら、皆さんのお腹になるものより、子供達を優先しそう。皆さん、日頃頑張っているんやから、なんとか出来んかな?
その日、もう一度家鴨部屋に挑み帰宅した。
母に相談すると。
「まかせんしゃい」
そう言って母は大量の食事を作った。私達も手伝い作業。次に教会で寝泊まりしている子供達に鍋を持っていく日に、差し入れするそうだ。
後日、丁寧なお礼状が来た。
ホークさんが真剣に言ってきた。
「なんば言いようとですか? 契約時に1%って約束したやないですか。さ、パーティーカードに入れてください」
「しかし、これは貰いすぎです」
「はいはい、ピシャッと入れてくださいねー」
有無を言わせず、パーティーカードに入金手続きする。
今回のドロップ品は合計で3億9802万3500となり、宝飾品は7億4360万となった。あのブルーダイヤモンド、なんと5億5000万。凄か額。500粒のダイヤモンドは合計1億、ご褒美部屋から出た宝石類は差が出た。安いものは2000、一番高額なのは300万だった。
白金貨、大金貨、金貨、銀貨、銅貨確認。よし、大丈夫や。
次の冷蔵庫ダンジョンは日帰り予定。10階の家鴨狙いだ。ホークさんの矢の為にね。で、その次をどうしようか悩んでいる。首都に行くために、行けるとしても1週間だ。こんな時のリティアさんだ。昨日の布の件で深く感謝してきたけど、お世話になっているしね。
「で、首都に行く前に、もう一度冷蔵庫ダンジョンに行こうと思っていますが。1週間ほどしか時間がありませんので、20階か25階のどちらでスタートしたらいいか迷っていまして。至急の依頼が多い方からにしたいのですが」
「でしたら、やはり20階のバーザタイラントでございますね。近隣諸国もそうですが、アルティーナからも問い合わせが来ておりますので」
アルティーナか。
あちらにも、バーザタイラントの出るダンジョンがあるそうだが、上級者向けのエリアだし、なかなか到達する冒険者がいない。そしてビアンカやルージュみたいな非常識と思える戦力がそうあるわけないし、神様のブーストがあるわけではないしね。つまり、なかなか手に入らないってこと。アルティーナ帝国は大国だ。相応に住んでいる人はいて、バーザタイラントのポーションを待つ人も当然多い。供給がまったく追い付いていない現状だ。
あんまりいいイメージのない国だけど、実際にアルティーナに住み、生活し、国を回している現地の人達は、関係ない。
「分かりました。20階メインで行きます」
蛇は嫌やけどね。
「お願いします」
よし、明日は日帰り家鴨や。
「気を付けるんよ」
「ん、行ってきます」
母と花に見送られて、お弁当を持ち、朝早く冷蔵庫ダンジョンに向かう。本日ノワールはお留守番。
いつものように、警備の人が魔法陣のある小屋のドアを開けてくれる。
「今日は10階ですね。魔法陣はボス部屋の近くのセーフティゾーンにありますので、すぐにわかりますよ。復活時間は一時間かかるかと」
いつもありがとうございます。
『いいのですか? 流すのです』
元気のリードはホークさん、コハクはチュアンさんが持つ。
ふわっ、と景色が変わる。
初めて見る景色や、森林みたいな感じ。
ボス部屋は、あ、あそこや、既に並んでいる。
よし、第一印象は良く行かないとね。
「おはようございます。並んでもいいですか?」
前の冒険者の方達にご挨拶。冒険者の方達は、似たような装備品だ。パーティーだろうけど、10人の大所帯だ。
「はい、どうぞテイマーさん」
代表者らしいごつい男性が対応してくれる。向こうのリーダーさんはギルさん。元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。
彼らは教会の戦闘部隊だそうだ。道理でお揃いっぽい装備品なのね。
そして孤児院の再建には、皆さん揃って感謝してきた。結局、ビアンカとルージュのちゅどん、どかんのおかげだし。大工工房や父の尽力やしね。
話をすると、母が週に1度、鍋を持ち孤児達の元に通っていることや、小児用の抗生剤と解熱剤の治験の協力機関に認定を進言したことを感謝された。薬に関してはダワーさんにお願いして、資金を提供しただけだしね。まだ建設中の孤児院、秋頃に出来上がる予定で、2ヶ所に分かれて生活している。そして孤児の数がまた増えたそうで。大変そうだ。
戦闘部隊の発足理由は、文武両道なのだが、今は教会の運転資金や、教会に勤めている人達の賃金、住み込みの人の生活費。そして最大の理由が孤児院の経営費を得る為だ。
「とにかく食費がかかります。育ち盛りですし、ひもじい思いを少しでもさせたくありません」
10階で出るのは羽の他に、お肉や卵、そしてたまに大型が出ると小さな魔石が出る。羽は現金収入、お肉や卵は貴重な子供達のたんぱく質だ。子供達はいつも楽しみに待っていると。
「元スラム街の孤児達も待っています」
なんと、教会の戦闘部隊の皆さん、経営が違うのに、元スラム街の孤児院にも家鴨のお肉や卵を持って行っていると。なんて優しい。
「我々も元々孤児が多く、ひもじい思いは、嫌と言う程しました。ですから、我々は出来る限りのことをしているだけです」
「是非。お手伝いさせてください」
私は提案する。
なんせレベル500越えの我等のビアンカとルージュが、ボス部屋開ければ恐ろしい事に毎回なってる。そうなれば出てくるドロップ品もけた外れに多くなる。
「つまり、共闘ですね。私達は矢に必要な羽がほしいので、必要なもの以外はすべて進呈します」
「それではそちらの取り分が少なすぎます。ただでさえ、色々ご配慮頂き感謝しているのに」
「ですから更にお願いがあります。うちの弟は支援魔法のスキルアップを図っています。皆さんにはその支援を受けて戦闘してほしいんです。ドロップ品はその謝礼です。勿論、ビアンカとルージュに援護して貰います」
それでもギルさんは迷いの表情。
「子供達に、お腹いっぱい食べさせてあげてください」
「…………分かりました、ありがとうございます」
ギルさんの決意が固まり、ボス部屋が開く、中から冒険者が顔を出して、脱出の旨を伝える。
復活を待っている間に、更に後ろに冒険者パーティーが並び、元気が尻尾ぷりぷりご挨拶。元気は人見知りしない。わあ、かわいい、と歓声が上がる。鼻が高い。
しばらくして、ボス部屋復活。
『ユイ、私達は援護なのですね?』
『初撃だけでいいの?』
「そうやね。あの光のやつば出してくれる?」
『分かったわ』
晃太が支援魔法たて続けて発動。
戦闘部隊の人達は10人。弓士が2人、剣士が2人、槍士が1人。魔法使いが2人、火魔法剣士が1人、土魔法槍士が1人、回復役が1人。
晃太が細かく支援していく。ルージュが光のリンゴを出す。
ホークさんも弓を構え、マデリーンさんも杖を、チュアンさんも構える。
『いいのですか?』
ビアンカが確認して、木製のボス部屋を開ける。ビアンカには商いの神様のブーストがある。きっとお肉がたくさん出る。
ぎぎぎ、と木製の扉が開き、間髪置かずルージュが閃光を叩き込む。相変わらずちゅどん、どかん。
次に弓士が矢を放ち、魔法が放たれる。
「わんわんっ」
「にゃーっ」
元気とコハクが弾かれたビー玉のように飛び出していく。
私は愛用のフライパンを持ち、皆さんと続く。
家鴨って、公園の池にいるイメージがあって、かわいかなのに、なんでダンジョン内のは、目がつり上げっているや? あの爪、凄く鋭かし。大きさも、一回り大きいし。
しかし。
数が、多かっ。そこらじゅうにみっしり目がつり上がった家鴨がっ。
「怯むなっ」
ギルさんが激を飛ばす。
戦闘部隊の皆さんは連携を取りながら、次々に家鴨を倒していく。
「くわぁぁぁぁぁぁぁっ」
ひーっ、でっかい家鴨が出てきたーっ。しかも一匹やないっ。
「わんわんっ」
元気の雷が炸裂。
「にゃーっ」
戦闘モードのコハクが、ベビージャガーパンチを一発。
「「はっ」」
ホークさんの剣が、チュアンさんの斧が、真っ二つにする。
私も子供達のたんぱく質の為にっ。すまんっ、目がつり上がった家鴨よっ。フライパンが飛びかかってきた家鴨を直撃した。
「あの本当によろしいのですか?」
ギルさんが大量のお肉と卵を前に戸惑い。羽はホークさんが厳選。
「はい。また挑めばいいだけですから。あ、良かったら、私のマジックバッグ使ってください。時間停止です。もう一つありますから。後日教会に取りに行きます」
「ありがとうございます」
戦闘部隊の方で、アイテムボックスのある人は2人。だけど時間遅効の為、結局マジックバッグにいれていた。宝箱には赤みがかったオレンジの石のブレスレット。カーネリアンと。これはギルさんはお断りしていた。魔石は寄付という形にした。
「なあ、あの従魔、レベル幾つだ?」
「バカッ、聞こえるだろッ」
「世の中知らん方がいいことあるんだぞっ」
「ドラゴン一撃だぞっ、家鴨が勝てるわけないだろっ」
聞こえてますよ。ビアンカもルージュも気にもしない。
「皆さんも今日は家鴨ですか?」
なんとなく聞くと、ギルさんは首を振る。
「これは子供達に食べさせます。みんな楽しみにしていますから」
そう答えたギルさんは嬉しそうだ。ギルさん自身も、こうやって戦闘部隊が帰って来るのを、いつも心待にしていたそうだ。
「テイマーさん、本当にありがとうございます。どうかおきをつけて」
「はい」
戦闘部隊はそれで、ダンジョンから脱出していった。
あれだけお肉あるのに、食べないんだ。いや、食べれないんだね。子供達はおそらく3桁いってるはずだし。戦闘部隊の皆さん、がたいよさそうなのに、汗だくで戦って、お肉なしか。うーん、なんとかならんかなあ。この前のダンジョンアタックで、かなりの額転がり込んだけど、お金寄付したら、皆さんのお腹になるものより、子供達を優先しそう。皆さん、日頃頑張っているんやから、なんとか出来んかな?
その日、もう一度家鴨部屋に挑み帰宅した。
母に相談すると。
「まかせんしゃい」
そう言って母は大量の食事を作った。私達も手伝い作業。次に教会で寝泊まりしている子供達に鍋を持っていく日に、差し入れするそうだ。
後日、丁寧なお礼状が来た。
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