もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
408 / 867
連載

合流④

しおりを挟む
 オークの巣を離れてルームに入る。
 まずはアリスの様子を見ると、シルフィ達にお乳を上げていた。落ち着いたようや。
 嗽、手洗いして、鷹の目の皆さんがブラッシングをしてくれる。
 私はお地蔵さんにお祈り。
「神様、今回の件の原因を教えてください」
 お祈りしてみたが、お返事なし。
 今日はお留守か。仕方なか。
 諦めて振り返ると、黒髪のイッケメン時空神様が。まさか、わざわざいらっしゃってくれた。
「時空神様」
 本日お一人様だ。
「久しぶりだな」
 最後にお会いしたのは、魔境に向かう前だった。
「あの時空神様」
「今回の件だろう? すまんが、直接の原因は今は話してやれん」
「そうですか」
 やっぱり。
「だが、いままでに起きた魔物の氾濫(スタンビード)の原因の大まかな説明はできるぞ」
 おおっ、ありがたやっ。
 魔物の氾濫(スタンビード)の原因は大まかに3つ。
 1つ、地脈に含まれる魔力の悪影響により、魔物がハイになる。下級や、特に人型の魔物が強く影響を受ける。これには差が出る。すごく少ない数の場合もあれば、あのパーヴェルさん達を襲ったオルク達。自分達の巣を空にするまでおかしくなる。
 2つ、ダンジョンより何かしらの理由で特殊個体が出てきて、近しい種族の魔物を操る。今回の蜘蛛達かな? もしくは冷蔵庫ダンジョンみたいにたまにうっかりさんの魔物が零れ落ちるのが、一匹ではなく大量に溢れる。野良ダンジョンの場合は、特有個体。冷蔵庫ダンジョンのように街と共存しているダンジョンは、大量の魔物が溢れる傾向にある。ただ、冷蔵庫・軍隊ダンジョンのように常に冒険者が潜っているものは、大量に溢れる事はない。常に間引きしている状態だからだそうだ。ダンジョンのサイズによるが、階層が1桁のダンジョンから溢れる魔物は、たかが知れてる。出ても1桁の数。冷蔵庫・軍隊ダンジョンで恐いのは数年おきに、上位魔物が零れ落ちるのだ。シュタインさんにケガさせた熊ね。
 3つ、この2つが複雑に絡んで発生する。
「なるほど」
「もっと詳しく説明してやりたいが、色々制約があってな」
 きっと、あまり介入出来ないんやろうなあ。
「始祖神様よりの依頼はいつから取りかかる?」
「あ、イシス達の従魔登録してから直ぐに。雪が降るような冬に入る前に」
「そうか。何かあれば、直ぐに始祖神様に報告をしてくれ」
「はい」
 時空神様がお帰りの様子。
 私は慌てて、セレクトショップダリアから焼き菓子詰め合わせを幾つかタップ。
「どうぞ、時空神様」
「すまんな。ちょっと来ただけなのに」
「いえいえ、神様に来て頂けて、恩恵があるんです。どうぞ」
「ありがとう。チビ達が喜ぶ」
 焼き菓子の箱を抱えて、時空神様が消える。響く、てってれってー。
 見送って、私は不安になってきた。
 始祖神様からもそうだが、時空神様からも何かあれば呼ぶように言われた。何かあるんやろうか? 漠然とした不安なんやけど。基本的に、こちらに介入出来ないはずの神様が、報告するようにって、何かあるんやないかな? うーん、うーん、うーん。分からん。
「姉ちゃん、どうしたん?」
 途中でダイニングキッチンに来た晃太が、聞いてくる。
「いや、何でもないよ」
 深く考えたら深みに嵌まりそうや、やめた、ご飯の準備せんとね。
「さ、今日は皆頑張ったから、色々食べよう」
『ユイッ、油淋鶏なのですっ』
『エビ、エビ、エビッ』
『我はなんでもいいのだが、肉がいいのだ』
『ピザヲ所望スル』
 従魔の部屋で大人しくしていた面々が、騒ぎだす。
 うん、考える暇なしや。

 数日間かけて、カルーラに戻る。
「………………………………」
 城門の警備の皆さんが、イシスを見て無言になる。
「新しい従魔です」
「………………………………はい。ギルドまで同行します」
「ありがとうございます」
 あらかじめイシスとオシリスの事は報告してあるので、ギルドは問題なかったが、途中の道すがらの視線が辛かった。
 やっぱり迫力満点のイシスが注目を集めてしまい、主人の私にも視線が集まる。分かってますよ、言いたいこと。また増えてるとか、え、大丈夫なん? でしょう。イシスは気にもしないし、オシリスも知らん顔。いちいち気にしてたらキリがない。
 いそいそとパーティーハウスに戻る。
「わんわんっ」
 花が飛び出してくる、あはははん、ぽちゃぽちゃ。仔達は母にわーっと群がる。
「はいはい、お帰り」
「ただいま。問題なかった?」
「特にはなかね」
「そうね、良かった」
 ぞろぞろとパーティーハウスへ。ただ、イシスの体躯ではパーティーハウスに入れないため、倉庫を経由してルームに。倉庫が大きくて良かった。
 パーティーハウスにルージュが魔法のカーテンを広げてくれる。ルームに全員入る。
 仔達はアレスを先頭に中庭に走り出していった。しばらく遊んでおくれ。嗽、手洗いして、と。
 よし、今後の話をせんとね。
 行程に関しては、晃太とホークさん、ビアンカとルージュ、イシスに任せることにした。
「なあ、この山、なんかあるん? 神様気にしとったし」
 晃太が地図を示す。視線は先代エリアボスであるイシスに。
『先代ノ話デハ、触レテハナラヌモノダト』
 なんや物騒な感じ。
「この山自体が?」
 晃太が質問、イシスは首を横に。
『違ウ、コノ山ノ中ニ潜ムモノニ手ヲ出ダスナ、トイワレタ。ダカラ、飛行デキル我々デモ近付カナイヨウニシテイル。下カラハコノ山ニハ入レヌカラナ』
「それって何やねん?」
 それそれ。
『サア』
 かっくん。肝心な所がっ。
『ダガ、コノ山ニ関シテハ、魔境ガ形成サレル頃ノ話。詳シク知ルモノハイナイ』
「そうな」
 うーん。
『でも、以前、この辺りをアレスと回った事があるのです』
『そうね。何もなかったわよ』
 ビアンカとルージュは山には行かなかったが、アレスのへいへい行くぜ行軍に付き添い、爆走したそうだ。だけど、記憶に残るようなことは起きなかったと、うーん。イシスにしても山の上は飛行したことはないが、周囲を旋回したことはあるが、こちらも何もなかったと。
 単純に考えて、ビアンカとルージュが行った後に何かしら起きたんかな? それが基本的には見守る位置にある神様でも口を出さなくてはならない状況になっているんやかいな?
 あ、怖くなってきた。
『ユイ、どうしたのです?』
『動揺しているわ。大丈夫よ、私達がついてるわ』
 ビアンカとルージュがそっと寄り添ってくれる。ありがたい。
「そやね。そうやね。ありがとうビアンカ、ルージュ。とにかくくるっと回るだけ回ろうかね。何かあれば直ぐに神様に報告で」
 それくらいかな。
 行程に関しては、ノワールの灯火の女神様のブースト頼りに、騎乗して進む。結局またお世話になります。
 準備して、数日以内には出発や。
 いよいよ出発の前の日の夜。
 寝静まった夜、目が覚めてしまい、トイレの帰りに、中庭のベンチにぽつん、とホークさんが座っているのを発見。もしかしたら、ミノラさんの事で悩んだりしてるのかな? ど、どうしよう。声かけた方がいいかな。1人で考えたい時だってあるだろうし、余計なお世話になるのも嫌だし。うーん、どうしよう。
 散々悩んで、夜は寒くなってるからね、風邪引きますよって、感じで声かけて引っ込もう。
 よし、中庭のドアを開ける。
「ホークさん」
 ドアの音で気がついたホークさんが振り返る。
「ユイさん」
「風邪引きますよ」
「はい、もうすぐ休みます」
 よし、いいかな。引っ込もう。だけど、なんだか、このままでいいのかな? たまには1人で考えたい時もあるはずだけど、まるであの時のような感じがする。ミノラさんの話を聞いた時のようや。
「ホークさん、どうしました?」
 咄嗟に出た言葉に、ホークさんが少し驚いた顔。
「いや、大した事は、ないですが、はい」
 珍しく歯切れの悪いホークさん。もしかしたら、私、余計なお世話やないかな? やっぱり、引っ込んだ方がいいかも。
「あの、ユイさん」
 なんて考えていると、ホークさんが声をかけてきた。
「少し、話を聞いてもらえませんか?」
 本当に珍しい。やけど、お願いされたし、頼りにされていると思うとちょっと嬉しいかな。
 私はホークさんの隣に腰かける。
 そっと、横顔を見ると、少しだけ、頬が赤い気がする。あ、もしかして熱?
「ホークさん、もしかして、具合悪いんや………」
「ユイさん」
 ホークさんが私の言葉を遮った。どうしたんやろう?
「あ、はい」
「今から俺が話すこと、聞いたら忘れて貰えませんか?」
「忘れる? なんでです?」
 何で? 何でかって思ったけど、ホークさんの顔が、何やら悩みの表情。あ、そうせんといかんやつや。
「特別ボーナスってことで」
 そこまで言われたらね。
「分かりました。忘れます」
 はい、誓います。
「兄とミノラの話は以前しましたよね」
「はい」
 忘れてない。エマちゃんとテオ君を産んで、ホークさんのお兄さん、ファルコンさんを待ち続けた女性。最終的にはエマちゃんとテオ君を置き去りにしたけど、私には、どうしてもミノラさんが全部悪く思えない。勝手な思いだけどね。
「エマもテオも無事に成人して、今、ユイさんの庇護下にあります。色々ありましたが、現状は2人にとっていいし決して悪い状況ではないと思います。俺も、ユイさんに買って貰って現状恵まれていると思っています」
「そ、そうですか?」
 あの時、リティアさんから聞いてマーファを飛び出して、首都に急いで向かった。ノワールのお陰で早く着いたし、ビアンカとルージュのちゅどんドカンで資金も十分だった。負傷したホークさんとエマちゃんを救ったのは神への祈りと、時空神様、魔力を提供してくれたビアンカとルージュのお陰や。
「だけど、最近与えてもらってばかり、それがまるで当たり前のように感じてしまって。欲張るようになってしまって。強欲になってしまったと」
「え。そんなことないですよね」
 ホークさんはいつも遠慮がちだ。とてもそうとは思えない。
「いいえ、俺は戦闘奴隷として、望んではいけないものを望んでいます」
 それは何? 気になる。
 ホークさんは真っ直ぐ私をみる。
「俺は、家庭を築きたい」
 その真っ直ぐな言葉は、私の中にある、何かをごっそり抉り取った。
しおりを挟む
感想 829

あなたにおすすめの小説

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

【完結】留学先から戻って来た婚約者に存在を忘れられていました

山葵
恋愛
国王陛下の命により帝国に留学していた王太子に付いて行っていた婚約者のレイモンド様が帰国された。 王家主催で王太子達の帰国パーティーが執り行われる事が決まる。 レイモンド様の婚約者の私も勿論、従兄にエスコートされ出席させて頂きますわ。 3年ぶりに見るレイモンド様は、幼さもすっかり消え、美丈夫になっておりました。 将来の宰相の座も約束されており、婚約者の私も鼻高々ですわ! 「レイモンド様、お帰りなさいませ。留学中は、1度もお戻りにならず、便りも来ずで心配しておりましたのよ。元気そうで何よりで御座います」 ん?誰だっけ?みたいな顔をレイモンド様がされている? 婚約し顔を合わせでしか会っていませんけれど、まさか私を忘れているとかでは無いですよね!?

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【完結】私は聖女の代用品だったらしい

雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。 元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。 絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。 「俺のものになれ」 突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。 だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも? 捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。 ・完結まで予約投稿済みです。 ・1日3回更新(7時・12時・18時)

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」

まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。 【本日付けで神を辞めることにした】 フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。 国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。 人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 アルファポリスに先行投稿しています。 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?

水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」 「はぁ?」 静かな食堂の間。 主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。 同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。 いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。 「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」 「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」 父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。 「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」 アリスは家から一度出る決心をする。 それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。 アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。 彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。 「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」 アリスはため息をつく。 「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」 後悔したところでもう遅い。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。