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布確保⑧
スチュワートさんの案内で、無事に目的地の広間に到着する。わあ、メインルーム並の広さ。そして、とっても趣があって素敵。
中には、かちっとした服装のダストン様。近くに似たような格好のセザール様。うん、渋いおじさんとイケメンが並ぶと絵になる。少し離れた場所に、イザベラ様とフェリアレーナ様が。相変わらずお美しい。更に離れた場所にマテオさんやマーニさん達が、待機している。
いよいよメインの敍爵。ものすごく長いお話かなって思ったけど、案外すんなり終わった。
まずは、父が促されて前に、後ろに私達が並ぶ。
「リュウタ・ミズサワ殿、そして、ご家族の皆さん。この度の名誉伯爵の敍爵、まことにおめでとうございます」
と、ダストン様のご挨拶。長くなるかな? と、思ったら。セザール様が、ダストン様に一枚の用紙を渡す。
「これより、リュウタ・ミズサワ殿の敍爵を行います」
ダストン様は紙、あれ、表彰状みたいやな。
あ、いかん、一斉にペコリ、とする。
「ユリアレーナ王国第18代国王、セレドニア国王陛下より。リュウタ・ミズサワの類い希な職人としての技術力、柔軟な発想、的確な指導力に敬意を評し、ここに名誉伯爵を敍爵します」
ははーっ。
…………………なんや、時代劇みたいになってしまった。
緊張気味の父はダストン様より表彰状を頂く。帰ったら額に飾ろう。
まさか、これで終わり? 気合い入れて支度をしたけど。
「堅苦しい挨拶はこれまでとして、こちらにどうぞ。立ったままではあれですので、お茶でもしながら、名誉伯爵になった後の説明をしましょう」
わあ、素敵な気遣いを。
ダストン様がイザベラ様とアイコンタクト。
「さあ、皆様、こちらに」
イザベラ様がわざわざ自ら案内してくれる。そのすぐ後ろにフェリアレーナ様が。素敵な笑顔。あははん、眼福ー。晃太が小さな声で、綺麗な人やー。
先導するイザベラ様の後を、ダストン様は父と話ながら歩く。私達にはセザール様とフェリアレーナ様が。真っ先にセザール様の口から出たのは謝罪。
「ミズサワ殿。小児用内服薬の件、私達の力不足で不甲斐ない結果となってしまいました。申し訳ありません。あれだけ資金を頂いていたのに」
「ダワーさんからお話は聞いています。国がバックに付いたなら、ほぼ認可間違いなしではないですか。後は症例数だけですよ。もともと言い出したのはこちらで、全てをお願いしている身です。私達は感謝しています」
そう。私達はとやかく言える立場ではないからね。
話をしていると、お茶の席に到着する。庭に面した素敵なロケーションのお部屋。
丸いテーブルに案内されて着席。晃太とフェリアレーナ様の隣ね。あははん、美しか。
メイドさん達の動きが速くなる。お茶やお菓子を並べてくれるんやね。その間にスチュワートさんがダストン様に耳打ち。
「どうやら、従魔殿達が、ミズサワ殿の身を案じているようです」
「「「「すみませんっ」」」」
ダストン様は笑って、お茶の席に、従魔の同席を許してくれた。それから、鷹の目の皆さんもだ。ただし、鷹の目はホークさんのみ、私の後ろに付き従ってくれる。本来は戦闘奴隷であるホークさんは、貴族のお屋敷には入れないのだけど、特別だって。一番心配していたアレスは、アリスにお願いしているので、べたべたくっついている。騒いでいたのは花とシルフィ達だ。花ちゃんや、あんな、馬車の中のソファーで伸びるだけ伸びて寝てたやん。母の姿を見つけると、短い足で駆け寄って来た。いやいや室内だし。よそのおうちよここ。ダストン様が笑って許してくれてるけども。さすがにシルフィ達は無理だから、お庭で遊ばせてもらっている。エドワルドさん、マデリーンさんとエマちゃん、テオ君が付き添ってる。玄関にはノワールとオシリスが、チュアンさんとミゲル君、ツヴァイクさんとで待ってる。
花はひとしきりハルスフォン侯爵家の皆さんにわんわん。やめて。そして、母の膝にすがり付く。仕方なく、母は断りを入れて窓際のソファーに花と移動する。
やっとお茶や。
おっと、頂く前にいろいろね。
「ハルスフォン様。この度は侯爵への陞爵おめでとうございます」
父が話を切り出す。
「ありがとうございます」
皆さん、お上品に会釈。
「日頃よりご配慮頂いている我々からの祝いの品です。どうぞお納めください」
父が晃太に目配せ。
これは、リティアさんとタージェルさんと相談して決めていた。何か渡した方がいいかなって? サブ・ドアでルーティのダンジョン繋がったままのため、色々手に入っている。やっぱりキラキラ宝石かなって思ったけど、相談した結果別のものになる。
中級エリクサー。
アレスがちゅどんして出てきたご褒美部屋のエリクサーだ。下級エリクサーより、色味が少し濃いなって思い、父に鑑定してもらったら、中級エリクサーと出た。なので1本、お祝いにね。
剥き出しはあれだからと、ツヴァイクさんが綺麗な箱を作ってくれた。母が中に綿を敷き詰め、シルクの布で覆い、中級エリクサーを入れた。見た目は、小さなワインボトルが入っていそうな雰囲気。
晃太がアイテムボックスから取り出し、父に渡す。本来ならここで箱はスチュワートさんが預かりダストン様に渡る予定なのだけど、ダストン様はスチュワートさんを制して、直接受けとる。これは、私達水澤家を、ハルスフォン侯爵家が何より信頼していますよって意味らしい。
「ありがとうございますミズサワ殿」
早速ダストン様が箱、オープン。ちょっとダストン様のお顔に、ワクワクの文字が。分かりますよ。
「こ、これは?」
あ、私が説明せんとね。
「ハルスフォン侯爵様。それは中級エリクサーになります」
「そのような貴重な物を」
ダストン様が受け取っていいか、迷いの様子。まあ、確かに年に数本出るか出ないかのエリクサー。しかも、その出るエリクサーは基本的に下級エリクサーだ。中級は10数年に一度、出るか出ないか。現在、中級エリクサーを確保しているのはユリアレーナでは王家だけだと言われている。
「うちの従魔が優秀ですので」
おほほ。
「はは、そうでしたな」
と、ダストン様がアレスの方に振り返る。
その瞬間。
べたべたされていたアリスが限界になったのか、容赦ないパンチがアレスを直撃。にまにましたままひっくり返るアレス。
は、恥ずかしかっ。恥ずかしかっ。晃太も俯いているし、更に近くにいた母も口をつぐむ。
ダストン様は見なかった事にしようと、す、とこちらに向く。流石、気遣いの出来るかた。
お茶が運ばれてくる。そして、綺麗に飾られたケーキもだ。レアチーズケーキみたいだけど、ケーキの上には繊細なアメ細工の小さなお花や、添えられたジャムの彩りが綺麗や。
「では、リュウタ・ミズサワ殿。名誉伯爵について。その責任と義務についてですが」
ダストン様が父に話を切り出す。
「ミズサワ様」
それを何となく聞いていたら、隣のフェリアレーナ様が、綺麗な声で話しかけてきた。
「あ、はいっ」
「難しい話は殿方にお任せしましょう。また、お話をお聞かせくださいませ」
「はいっ」
すると、フェリアレーナ様の少し後ろにいたマテオさんが、光速で瞬きする。
はっ、あれって合図や。
今回の敍爵の時に、レティシア嬢のお色直しのドレスにと、布を渡したい。さっき玄関でこっそりマテオさんから、タイミングを見て合図を出しますのでと言われた。
これがその合図や。
「フェリアレーナ様、私達、最近までカルーラに行っていたんです。その時に、ある事件に遭遇しまして」
私は話を切り出した。
中には、かちっとした服装のダストン様。近くに似たような格好のセザール様。うん、渋いおじさんとイケメンが並ぶと絵になる。少し離れた場所に、イザベラ様とフェリアレーナ様が。相変わらずお美しい。更に離れた場所にマテオさんやマーニさん達が、待機している。
いよいよメインの敍爵。ものすごく長いお話かなって思ったけど、案外すんなり終わった。
まずは、父が促されて前に、後ろに私達が並ぶ。
「リュウタ・ミズサワ殿、そして、ご家族の皆さん。この度の名誉伯爵の敍爵、まことにおめでとうございます」
と、ダストン様のご挨拶。長くなるかな? と、思ったら。セザール様が、ダストン様に一枚の用紙を渡す。
「これより、リュウタ・ミズサワ殿の敍爵を行います」
ダストン様は紙、あれ、表彰状みたいやな。
あ、いかん、一斉にペコリ、とする。
「ユリアレーナ王国第18代国王、セレドニア国王陛下より。リュウタ・ミズサワの類い希な職人としての技術力、柔軟な発想、的確な指導力に敬意を評し、ここに名誉伯爵を敍爵します」
ははーっ。
…………………なんや、時代劇みたいになってしまった。
緊張気味の父はダストン様より表彰状を頂く。帰ったら額に飾ろう。
まさか、これで終わり? 気合い入れて支度をしたけど。
「堅苦しい挨拶はこれまでとして、こちらにどうぞ。立ったままではあれですので、お茶でもしながら、名誉伯爵になった後の説明をしましょう」
わあ、素敵な気遣いを。
ダストン様がイザベラ様とアイコンタクト。
「さあ、皆様、こちらに」
イザベラ様がわざわざ自ら案内してくれる。そのすぐ後ろにフェリアレーナ様が。素敵な笑顔。あははん、眼福ー。晃太が小さな声で、綺麗な人やー。
先導するイザベラ様の後を、ダストン様は父と話ながら歩く。私達にはセザール様とフェリアレーナ様が。真っ先にセザール様の口から出たのは謝罪。
「ミズサワ殿。小児用内服薬の件、私達の力不足で不甲斐ない結果となってしまいました。申し訳ありません。あれだけ資金を頂いていたのに」
「ダワーさんからお話は聞いています。国がバックに付いたなら、ほぼ認可間違いなしではないですか。後は症例数だけですよ。もともと言い出したのはこちらで、全てをお願いしている身です。私達は感謝しています」
そう。私達はとやかく言える立場ではないからね。
話をしていると、お茶の席に到着する。庭に面した素敵なロケーションのお部屋。
丸いテーブルに案内されて着席。晃太とフェリアレーナ様の隣ね。あははん、美しか。
メイドさん達の動きが速くなる。お茶やお菓子を並べてくれるんやね。その間にスチュワートさんがダストン様に耳打ち。
「どうやら、従魔殿達が、ミズサワ殿の身を案じているようです」
「「「「すみませんっ」」」」
ダストン様は笑って、お茶の席に、従魔の同席を許してくれた。それから、鷹の目の皆さんもだ。ただし、鷹の目はホークさんのみ、私の後ろに付き従ってくれる。本来は戦闘奴隷であるホークさんは、貴族のお屋敷には入れないのだけど、特別だって。一番心配していたアレスは、アリスにお願いしているので、べたべたくっついている。騒いでいたのは花とシルフィ達だ。花ちゃんや、あんな、馬車の中のソファーで伸びるだけ伸びて寝てたやん。母の姿を見つけると、短い足で駆け寄って来た。いやいや室内だし。よそのおうちよここ。ダストン様が笑って許してくれてるけども。さすがにシルフィ達は無理だから、お庭で遊ばせてもらっている。エドワルドさん、マデリーンさんとエマちゃん、テオ君が付き添ってる。玄関にはノワールとオシリスが、チュアンさんとミゲル君、ツヴァイクさんとで待ってる。
花はひとしきりハルスフォン侯爵家の皆さんにわんわん。やめて。そして、母の膝にすがり付く。仕方なく、母は断りを入れて窓際のソファーに花と移動する。
やっとお茶や。
おっと、頂く前にいろいろね。
「ハルスフォン様。この度は侯爵への陞爵おめでとうございます」
父が話を切り出す。
「ありがとうございます」
皆さん、お上品に会釈。
「日頃よりご配慮頂いている我々からの祝いの品です。どうぞお納めください」
父が晃太に目配せ。
これは、リティアさんとタージェルさんと相談して決めていた。何か渡した方がいいかなって? サブ・ドアでルーティのダンジョン繋がったままのため、色々手に入っている。やっぱりキラキラ宝石かなって思ったけど、相談した結果別のものになる。
中級エリクサー。
アレスがちゅどんして出てきたご褒美部屋のエリクサーだ。下級エリクサーより、色味が少し濃いなって思い、父に鑑定してもらったら、中級エリクサーと出た。なので1本、お祝いにね。
剥き出しはあれだからと、ツヴァイクさんが綺麗な箱を作ってくれた。母が中に綿を敷き詰め、シルクの布で覆い、中級エリクサーを入れた。見た目は、小さなワインボトルが入っていそうな雰囲気。
晃太がアイテムボックスから取り出し、父に渡す。本来ならここで箱はスチュワートさんが預かりダストン様に渡る予定なのだけど、ダストン様はスチュワートさんを制して、直接受けとる。これは、私達水澤家を、ハルスフォン侯爵家が何より信頼していますよって意味らしい。
「ありがとうございますミズサワ殿」
早速ダストン様が箱、オープン。ちょっとダストン様のお顔に、ワクワクの文字が。分かりますよ。
「こ、これは?」
あ、私が説明せんとね。
「ハルスフォン侯爵様。それは中級エリクサーになります」
「そのような貴重な物を」
ダストン様が受け取っていいか、迷いの様子。まあ、確かに年に数本出るか出ないかのエリクサー。しかも、その出るエリクサーは基本的に下級エリクサーだ。中級は10数年に一度、出るか出ないか。現在、中級エリクサーを確保しているのはユリアレーナでは王家だけだと言われている。
「うちの従魔が優秀ですので」
おほほ。
「はは、そうでしたな」
と、ダストン様がアレスの方に振り返る。
その瞬間。
べたべたされていたアリスが限界になったのか、容赦ないパンチがアレスを直撃。にまにましたままひっくり返るアレス。
は、恥ずかしかっ。恥ずかしかっ。晃太も俯いているし、更に近くにいた母も口をつぐむ。
ダストン様は見なかった事にしようと、す、とこちらに向く。流石、気遣いの出来るかた。
お茶が運ばれてくる。そして、綺麗に飾られたケーキもだ。レアチーズケーキみたいだけど、ケーキの上には繊細なアメ細工の小さなお花や、添えられたジャムの彩りが綺麗や。
「では、リュウタ・ミズサワ殿。名誉伯爵について。その責任と義務についてですが」
ダストン様が父に話を切り出す。
「ミズサワ様」
それを何となく聞いていたら、隣のフェリアレーナ様が、綺麗な声で話しかけてきた。
「あ、はいっ」
「難しい話は殿方にお任せしましょう。また、お話をお聞かせくださいませ」
「はいっ」
すると、フェリアレーナ様の少し後ろにいたマテオさんが、光速で瞬きする。
はっ、あれって合図や。
今回の敍爵の時に、レティシア嬢のお色直しのドレスにと、布を渡したい。さっき玄関でこっそりマテオさんから、タイミングを見て合図を出しますのでと言われた。
これがその合図や。
「フェリアレーナ様、私達、最近までカルーラに行っていたんです。その時に、ある事件に遭遇しまして」
私は話を切り出した。
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