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別行動③
ホークさんがノワールを連れて騎士団の牧場に向かった次の日。
今日は山風の皆さんがパーティーハウスに来る。冷蔵庫ダンジョンから手に入れた武器類の配布だ。父の鑑定も済んで、すべて付与が判明し、付箋紙が張り付いている。
それから次回、いつ冷蔵庫ダンジョンに行くかを決める。ホークさんとノワールが帰って来てからになるからね。その間、何回か日帰りしようと思っている。教会の戦闘部隊とアヒル部屋も予定している。シルフィ達のスライム部屋もね。
その時も同行してもらえるかのお話ね。
いつもなら、朝、ルーティのダンジョンと繋がっているサブ・ドアを使い、魔境からウルフを誘導するけど今日はなし。予め、話してあるしね。
さて、お茶碗類は片付いた。洗濯物でも、干すかね。
…………………………………………はっ、視線を感じるっ。
「…………………きゅうん…………………………」
情けない声。
ピクピクしながら振り返ると、半分だけ顔を覗かせ。今回は青いお目目をぷるぷるさせてるアメーバアレスが。耳も尻尾もぺたん、としている。
「どうしたんアレス?」
初めて見た母が心配している。
今なら分かる。あの時、ビアンカとルージュが騙されないでって言った意味。
あれだよ、きっとボス部屋よ。
『母よ、母よ。ぐずっ、ボス部屋行きたいのだ。我は昨日も我慢したのだ、ぐずぐず、ぐすんっ』
やっぱりっ。
いやいや、あんた、毎日毎日ちゅどん、ドカンして疲れんの? それにあんだけボス部屋行ってるのにっ。行けてないのは昨日だけでしょうが。
「なんね、我慢しとったと? 優衣、ちょっと行っちゃらんね。掃除はお母さんするけん」
よしよしと、アレスを撫でながら私を見る母。いや、お母さんや、アレス、今お目目、アメーバやないよ、尻尾バタバタよ。母がアレスに振り返ると、一瞬でアメーバアレスに。なんや、私は何を見とるんやろう。あれや、なんかの劇で顔のお面が瞬時に変わるやつ。
はあ、母を味方に付けたか。
仕方ない。晃太も諦めモードだ。
「一回よ、アレス。一回やからね。今日は山風の皆さん来る日やからね」
『分かったのだっ』
私と晃太の眼差しは疑いの眼差し。
チュアンさん達も付き合ってくれるので、バタバタと支度してくれた。そそくさとアリスとオシリスもやってきてるし。
いざ、サブ・ドアに手をかけると。
『あ、待つのだ主よ』
「何ね。あんたが行きたいって」
『こちらに向かっている気配があるのだ』
「え? パーティーハウスに?」
『違うのだ、ルーティのダンジョンの方なのだ』
「え? こっち?」
ルーティのダンジョンは最下層のボス部屋近くに、サブ・ドアを設置している。ルーティのダンジョンは下層になる毎に広大になり、セーフティも少ない為なかなか挑む冒険者パーティーはない。しかも時期は冬。余計に少なくなるはず。
やけど、挑んでくる冒険者に私は心当たりは、あるけど。
「アレス、気配って、ケルンさんやフェリクスさんやない?」
心当たりはカルーラで別れた彼らだ。ルーティダンジョンの転移石や簡易セーフティも渡したし、何より高ランクの冒険者だしね。
『? 名前は分からないのだ』
かくんっ。
『だが、知らない気配ではないのだ。あ、何か話しているのだ』
「なんて?」
『ユイちゃん、アルス、待て、なのだ』
はい、金の虎の皆さんね。て、ことはケルンさんやフェリクスさんもいるね。ルーティのダンジョンの下層は、少数でのアタックは推奨されていない。金の虎の皆さんも一度痛い目あってるから、金の虎だけでは挑まないはず。なら、きっといるはず。
「アレス、覚えのない気配はなか?」
『うーん、いないのだ。全部、知ってる気配なのだ』
「姉ちゃん、ケルンさん達やない?」
「そうやろうね。近くに来るまで待とうかね。アレス、ちょっと今回我慢して」
「きゅうんっ」
「時間をみて、夕方チャレンジしよう」
「きゅうんっ、きゅうんっ」
アリスとオシリスはそうそうと諦めて戻って行く。
しばらくサブ・ドアに聞き耳立てていると、声を拾う。
『ユイちゃん、ユイちゃん、いない』
『仕方ないだろう、テイマーさんだって忙しいんだ』
アルスさんとファングさんや。
『まあ、運が良ければ会えるくらいですからね』
この声はフェリクスさんや。こんな会話しているなら、他に知らない人はおらんね。私のスキル『ルーム』は誰にも知られたくないから、それを分かっている人やし。
私はサブ・ドアを開ける。
「皆さん、お久しぶりです」
はい、びっくりされました。
「えっ? フェリクスさんっ」
手土産のジャムが詰まった籠を抱えたロッシュさんがびっくり。足元で花が歓迎のローリングを披露している。
山風の皆さんが、迎えに行ったチュアンさんとマデリーンさんとパーティーハウスにやって来た。
まずはパーティーハウスにご案内して、奥のキッチンからルームに誘導。チュアンさんは来る途中で説明したかったが、真面目な御用聞きの冒険者さんが付き添ってくれていたので、黙したままご案内。
で、びっくりされている。
「久しぶりだなロッシュ」
「はい」
びっくりされていたけど、和やかにご挨拶している。起きたシルフィ達もぷりぷりご挨拶してから、納得してお昼寝に戻ってる。あれから私と母はバタバタとお茶やらお菓子の準備。ルーティのダンジョンにいたのはケルンさん、ヒェリさん、蒼の麓、金の虎の皆さんだ。
銀の槌が開いていたので、エマちゃんと向かい、ケーキを大量購入する。
「とりあえず皆さん、座ってください」
私はロッシュさんからジャムの瓶が詰まった籠を受け取り、着席を促した。
アレス? あれから不貞腐れて、ルームの中庭爆走している。
皆さん、慣れたもので、それぞれの椅子に座る。アルスさんは両サイドをファングさんとリィマさんに挟まれて、ちょっぴり、ぶー。母がニコニコとジュースを出すと、にこっ、としている。
「ユイちゃんの母ちゃん、ありがと」
ファングさんとリィマさんが、ちょっと驚きの表情。アルスさんは、ストローで、ちゅー、とオレンジジュースを飲んでる。どうしたんやろ?
とりあえず、まずはお茶や、手分けして配る。ケーキは好きに選んでもらう。
色とりどりに並ぶケーキに、皆さん、ふわり、と笑う。
エマちゃんが控えめにもじもじと、イチゴのケーキがいいと言うので、即確保。私もそれにした。
「ツヴァイクッ、甘いの苦手だろうっ、私が食べてあげようっ」
「儂はこの栗のケーキは好物なんじゃっ」
「頼むから止めてくれないか? 恥ずかしい」
「「なら、ヒェリのを」」
バキッ
「すみません、騒がしくて」
エドワルドさんが表情変えずにすみませんと。
うん、皆さん、お変わりないようやな。
今日は山風の皆さんがパーティーハウスに来る。冷蔵庫ダンジョンから手に入れた武器類の配布だ。父の鑑定も済んで、すべて付与が判明し、付箋紙が張り付いている。
それから次回、いつ冷蔵庫ダンジョンに行くかを決める。ホークさんとノワールが帰って来てからになるからね。その間、何回か日帰りしようと思っている。教会の戦闘部隊とアヒル部屋も予定している。シルフィ達のスライム部屋もね。
その時も同行してもらえるかのお話ね。
いつもなら、朝、ルーティのダンジョンと繋がっているサブ・ドアを使い、魔境からウルフを誘導するけど今日はなし。予め、話してあるしね。
さて、お茶碗類は片付いた。洗濯物でも、干すかね。
…………………………………………はっ、視線を感じるっ。
「…………………きゅうん…………………………」
情けない声。
ピクピクしながら振り返ると、半分だけ顔を覗かせ。今回は青いお目目をぷるぷるさせてるアメーバアレスが。耳も尻尾もぺたん、としている。
「どうしたんアレス?」
初めて見た母が心配している。
今なら分かる。あの時、ビアンカとルージュが騙されないでって言った意味。
あれだよ、きっとボス部屋よ。
『母よ、母よ。ぐずっ、ボス部屋行きたいのだ。我は昨日も我慢したのだ、ぐずぐず、ぐすんっ』
やっぱりっ。
いやいや、あんた、毎日毎日ちゅどん、ドカンして疲れんの? それにあんだけボス部屋行ってるのにっ。行けてないのは昨日だけでしょうが。
「なんね、我慢しとったと? 優衣、ちょっと行っちゃらんね。掃除はお母さんするけん」
よしよしと、アレスを撫でながら私を見る母。いや、お母さんや、アレス、今お目目、アメーバやないよ、尻尾バタバタよ。母がアレスに振り返ると、一瞬でアメーバアレスに。なんや、私は何を見とるんやろう。あれや、なんかの劇で顔のお面が瞬時に変わるやつ。
はあ、母を味方に付けたか。
仕方ない。晃太も諦めモードだ。
「一回よ、アレス。一回やからね。今日は山風の皆さん来る日やからね」
『分かったのだっ』
私と晃太の眼差しは疑いの眼差し。
チュアンさん達も付き合ってくれるので、バタバタと支度してくれた。そそくさとアリスとオシリスもやってきてるし。
いざ、サブ・ドアに手をかけると。
『あ、待つのだ主よ』
「何ね。あんたが行きたいって」
『こちらに向かっている気配があるのだ』
「え? パーティーハウスに?」
『違うのだ、ルーティのダンジョンの方なのだ』
「え? こっち?」
ルーティのダンジョンは最下層のボス部屋近くに、サブ・ドアを設置している。ルーティのダンジョンは下層になる毎に広大になり、セーフティも少ない為なかなか挑む冒険者パーティーはない。しかも時期は冬。余計に少なくなるはず。
やけど、挑んでくる冒険者に私は心当たりは、あるけど。
「アレス、気配って、ケルンさんやフェリクスさんやない?」
心当たりはカルーラで別れた彼らだ。ルーティダンジョンの転移石や簡易セーフティも渡したし、何より高ランクの冒険者だしね。
『? 名前は分からないのだ』
かくんっ。
『だが、知らない気配ではないのだ。あ、何か話しているのだ』
「なんて?」
『ユイちゃん、アルス、待て、なのだ』
はい、金の虎の皆さんね。て、ことはケルンさんやフェリクスさんもいるね。ルーティのダンジョンの下層は、少数でのアタックは推奨されていない。金の虎の皆さんも一度痛い目あってるから、金の虎だけでは挑まないはず。なら、きっといるはず。
「アレス、覚えのない気配はなか?」
『うーん、いないのだ。全部、知ってる気配なのだ』
「姉ちゃん、ケルンさん達やない?」
「そうやろうね。近くに来るまで待とうかね。アレス、ちょっと今回我慢して」
「きゅうんっ」
「時間をみて、夕方チャレンジしよう」
「きゅうんっ、きゅうんっ」
アリスとオシリスはそうそうと諦めて戻って行く。
しばらくサブ・ドアに聞き耳立てていると、声を拾う。
『ユイちゃん、ユイちゃん、いない』
『仕方ないだろう、テイマーさんだって忙しいんだ』
アルスさんとファングさんや。
『まあ、運が良ければ会えるくらいですからね』
この声はフェリクスさんや。こんな会話しているなら、他に知らない人はおらんね。私のスキル『ルーム』は誰にも知られたくないから、それを分かっている人やし。
私はサブ・ドアを開ける。
「皆さん、お久しぶりです」
はい、びっくりされました。
「えっ? フェリクスさんっ」
手土産のジャムが詰まった籠を抱えたロッシュさんがびっくり。足元で花が歓迎のローリングを披露している。
山風の皆さんが、迎えに行ったチュアンさんとマデリーンさんとパーティーハウスにやって来た。
まずはパーティーハウスにご案内して、奥のキッチンからルームに誘導。チュアンさんは来る途中で説明したかったが、真面目な御用聞きの冒険者さんが付き添ってくれていたので、黙したままご案内。
で、びっくりされている。
「久しぶりだなロッシュ」
「はい」
びっくりされていたけど、和やかにご挨拶している。起きたシルフィ達もぷりぷりご挨拶してから、納得してお昼寝に戻ってる。あれから私と母はバタバタとお茶やらお菓子の準備。ルーティのダンジョンにいたのはケルンさん、ヒェリさん、蒼の麓、金の虎の皆さんだ。
銀の槌が開いていたので、エマちゃんと向かい、ケーキを大量購入する。
「とりあえず皆さん、座ってください」
私はロッシュさんからジャムの瓶が詰まった籠を受け取り、着席を促した。
アレス? あれから不貞腐れて、ルームの中庭爆走している。
皆さん、慣れたもので、それぞれの椅子に座る。アルスさんは両サイドをファングさんとリィマさんに挟まれて、ちょっぴり、ぶー。母がニコニコとジュースを出すと、にこっ、としている。
「ユイちゃんの母ちゃん、ありがと」
ファングさんとリィマさんが、ちょっと驚きの表情。アルスさんは、ストローで、ちゅー、とオレンジジュースを飲んでる。どうしたんやろ?
とりあえず、まずはお茶や、手分けして配る。ケーキは好きに選んでもらう。
色とりどりに並ぶケーキに、皆さん、ふわり、と笑う。
エマちゃんが控えめにもじもじと、イチゴのケーキがいいと言うので、即確保。私もそれにした。
「ツヴァイクッ、甘いの苦手だろうっ、私が食べてあげようっ」
「儂はこの栗のケーキは好物なんじゃっ」
「頼むから止めてくれないか? 恥ずかしい」
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