文字の大きさ
大
中
小
559 / 877
連載
再び材料確保⑧
ギルドでのお話は私はすぐに終わった。主にその女性が訴えた先週火曜日の確認だ。その頃は木材部屋で、せっせと桶の材料確保していたからね。エドワルドさんが単独で、冷蔵庫ダンジョンを出たりしてない。それに25階までスキップなんて、流石のエドワルドさんでも無理。ただ、何百万か魔石を準備したらできるそうだけど。
で、エドワルドさん。
「そんな大金かける価値があの女にあります? 勘弁してください。そんな金があれば、剣を新調した方がよっぽどましだ。22時過ぎにうろつく女なんて、金を貰ってもお断りですよ。俺だって女の好みはあります」
ですって。
山風の皆さんも話を聞かれたけど、確認だけね。あまり拘束するのも、申し訳ないからって、エドワルドさんは皆さんには帰って貰うように伝言あり。特にロッシュさんとラーヴさんには小さなお子さんいるからね。
「では、ロッシュさん。まあ、伝言板にメッセージ残しますね。数日はごたつくとは思いますが」
「はい。大丈夫です。もし、またエドワルドさんの件で何かありましたら、俺達は証言しますと伝えてください」
「はい」
山風の皆さんをお見送りして、応接室に引き返す。
『主よ~、腹が減ったのだ~』
アレスがへそてん体勢で寝てる。ちょっとやめて、色々丸出しやん。恥ずかしか。
「アレス、ちょっと待ってね」
私はいつものルーティーンで出される書類にサインと魔力。
タージェルさんは熱心に熊部屋で出たキラキラのイエローダイヤモンドの宝飾品を見ている。
「あの、リティアさん」
「はい、ミズサワ様」
「今回の件、どうなりますか?」
「はい。今、役場でお父様とコウタ様が事情を聞かれ今後の対応が決まるでしょう。ミズサワ様も個人的に名誉毀損で訴えられますよ」
「あ、止めときます」
素人考えだけど。あの人達社会的にもうアウトじゃないかなって思ってる。
「きっとハルスフォン侯爵様が黙ってないでしょうし、エドワルドさんも相応な対応するって言ってましたし」
珍しく父が怒っていたしね。
「私が何かしなくても、もう、マーファにはいられないでしょう?」
「ほほほ、マーファどころじゃありませんよ」
リティアさん、笑っているけど、目が怖かっ。
「え? マーファどころ?」
なんや、気になるっ。
「貴族は体裁を何より気にするのはご存知ですか?」
「はい」
確かに、そう聞いた。
「え? あの人達貴族なんですか?」
私達にはちょっかいかけないようにお願いしたのにっ。
「彼らは末端の末端」
貴族の爵位はたくさんある。公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、そして一番下が士爵だ。女性達は、つまり父親が士爵ね。士爵は必ず一代限り。この士爵は貴族と言っても名ばかり。一般の騎士とかが持つ事が多いらしい。納税率は変わらないし、爵位のある人達にある年金もごく僅か。なので、貴族特有体裁云々の意識は低い。
「士爵は平民と一緒ですよ。それに、自分の娘が襲われたなんて、大声で叫ぶような品のなさ、同じ親として疑います」
リティアさんにも、娘さんいたなあ。確か、ザ・優等生なテレーザちゃんだっけ?
「おそらく末端の士爵までは国から連絡はいかなかったか、士爵になりまだ間もないかですね。とにかく、勝てるわけありませんよ、マーファの領主であるハルスフォン侯爵と実力で名誉伯爵となったお父様には」
「ウルガー子爵も黙ってはいないでしょう」
鑑定していたタージェルさんが手を止める。
「ユリアレーナが誇るウルガー三兄弟ですからね。保証人のアルベルト・ウルガー子爵が、動くはずです」
肩をすくめるタージェルさん。
「特に今回、ミズサワ様が関わりますからね」
「私はあんまり関わっていないですけど…………」
「何を仰いますか、あれだけテイマーの弟と連呼されたのですよ。ミズサワ様も被害届けを出してもよろしいのに」
そ、そうなんだ。やけど、おそらく父が晃太と話して色々するだろうしなあ。何も思わない事はないけど、父と晃太の判断に従おう。
でも、あのピンクの女性達は何がしたかったのかね? やっぱりお金かね?
「「そうでしょうね」」
リティアさんとタージェルさんがばっさり。
しばらくして、疲れた様な表情の父と晃太、相も変わらず無表情のエドワルドさんがやって来たのは19時過ぎ。何だかんだと3時間以上待った。アレスがとうとうがーがー鼾かいて寝始めた時は恥ずかしかった。
やっと帰宅することに。
お世話になったリティアさんとタージェルさんに改めてお礼と挨拶をして、ギルドをあとにした。
で、エドワルドさん。
「そんな大金かける価値があの女にあります? 勘弁してください。そんな金があれば、剣を新調した方がよっぽどましだ。22時過ぎにうろつく女なんて、金を貰ってもお断りですよ。俺だって女の好みはあります」
ですって。
山風の皆さんも話を聞かれたけど、確認だけね。あまり拘束するのも、申し訳ないからって、エドワルドさんは皆さんには帰って貰うように伝言あり。特にロッシュさんとラーヴさんには小さなお子さんいるからね。
「では、ロッシュさん。まあ、伝言板にメッセージ残しますね。数日はごたつくとは思いますが」
「はい。大丈夫です。もし、またエドワルドさんの件で何かありましたら、俺達は証言しますと伝えてください」
「はい」
山風の皆さんをお見送りして、応接室に引き返す。
『主よ~、腹が減ったのだ~』
アレスがへそてん体勢で寝てる。ちょっとやめて、色々丸出しやん。恥ずかしか。
「アレス、ちょっと待ってね」
私はいつものルーティーンで出される書類にサインと魔力。
タージェルさんは熱心に熊部屋で出たキラキラのイエローダイヤモンドの宝飾品を見ている。
「あの、リティアさん」
「はい、ミズサワ様」
「今回の件、どうなりますか?」
「はい。今、役場でお父様とコウタ様が事情を聞かれ今後の対応が決まるでしょう。ミズサワ様も個人的に名誉毀損で訴えられますよ」
「あ、止めときます」
素人考えだけど。あの人達社会的にもうアウトじゃないかなって思ってる。
「きっとハルスフォン侯爵様が黙ってないでしょうし、エドワルドさんも相応な対応するって言ってましたし」
珍しく父が怒っていたしね。
「私が何かしなくても、もう、マーファにはいられないでしょう?」
「ほほほ、マーファどころじゃありませんよ」
リティアさん、笑っているけど、目が怖かっ。
「え? マーファどころ?」
なんや、気になるっ。
「貴族は体裁を何より気にするのはご存知ですか?」
「はい」
確かに、そう聞いた。
「え? あの人達貴族なんですか?」
私達にはちょっかいかけないようにお願いしたのにっ。
「彼らは末端の末端」
貴族の爵位はたくさんある。公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、そして一番下が士爵だ。女性達は、つまり父親が士爵ね。士爵は必ず一代限り。この士爵は貴族と言っても名ばかり。一般の騎士とかが持つ事が多いらしい。納税率は変わらないし、爵位のある人達にある年金もごく僅か。なので、貴族特有体裁云々の意識は低い。
「士爵は平民と一緒ですよ。それに、自分の娘が襲われたなんて、大声で叫ぶような品のなさ、同じ親として疑います」
リティアさんにも、娘さんいたなあ。確か、ザ・優等生なテレーザちゃんだっけ?
「おそらく末端の士爵までは国から連絡はいかなかったか、士爵になりまだ間もないかですね。とにかく、勝てるわけありませんよ、マーファの領主であるハルスフォン侯爵と実力で名誉伯爵となったお父様には」
「ウルガー子爵も黙ってはいないでしょう」
鑑定していたタージェルさんが手を止める。
「ユリアレーナが誇るウルガー三兄弟ですからね。保証人のアルベルト・ウルガー子爵が、動くはずです」
肩をすくめるタージェルさん。
「特に今回、ミズサワ様が関わりますからね」
「私はあんまり関わっていないですけど…………」
「何を仰いますか、あれだけテイマーの弟と連呼されたのですよ。ミズサワ様も被害届けを出してもよろしいのに」
そ、そうなんだ。やけど、おそらく父が晃太と話して色々するだろうしなあ。何も思わない事はないけど、父と晃太の判断に従おう。
でも、あのピンクの女性達は何がしたかったのかね? やっぱりお金かね?
「「そうでしょうね」」
リティアさんとタージェルさんがばっさり。
しばらくして、疲れた様な表情の父と晃太、相も変わらず無表情のエドワルドさんがやって来たのは19時過ぎ。何だかんだと3時間以上待った。アレスがとうとうがーがー鼾かいて寝始めた時は恥ずかしかった。
やっと帰宅することに。
お世話になったリティアさんとタージェルさんに改めてお礼と挨拶をして、ギルドをあとにした。
感想 854
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!