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開花⑨
「え? 襲われとるん?」
思わず聞き返す。
『違うわ。焦っているのはファングとリィマだけね。誰か追っている気配はないし』
どういうことやろう? フリンダさんやガリストさんはどうしたんやろう? 急に不安が沸き上がる。
「ルージュ、悪かけど、ファングさん達ば迎えに行ってくれる?」
『いいわよ』
ルージュは軽く駆けて外に出ていく。真っ暗やし、ルージュなら魔法で姿も隠せるやろうから、騒ぎにならないはず。
「どうしたのユイさん?」
駆けて行ったルージュを見て、エマちゃんが心配そうに聞いてくる。
「ファングさんとリィマさんがアルスさん連れてこっちに来てるみたいなんよ。あまりよくない状況かも」
ルージュが逃げて来ていると言った以上、何かしらの脅威があっての事。だが、実際誰も追いかける気配はない。何か、そう想える事が、ファングさん達にあったって事や。
「お父さん、ごめんけどルーム閉めるね」
「ん、分かった」
「エマちゃん、悪いけど、アレス達は呼んでくれる?」
「はいっ」
私達はバタバタと移動する。
明日の食事の準備をしていた母が手を止め、花を抱えて父と共にサブ・ドアの向こう、カルーラのパーティーハウスに向かう。現在20時過ぎ。
「22時過ぎてもドアが開かんなら、今日はもう開けんけん」
「分かった」
「アルスさん達大丈夫かね?」
「ルージュが行ったけん、余程の事がなければ大丈夫よ」
両親を見送りドアを閉める。
シルフィ達を鷹の目の皆さんが手分けして運び、泥のように寝ていた若手達は可哀想だが、イシスに叩き起こして貰う。
ごめんね、ぐったりしてるのに。
ノワールも倉庫に移動したし、若手達は、宿の庭で思い思いに寝転がる。シルフィ達もふかふかクッションで寝たし。
『どうしたのだ? 我は、まだ走り足りないのだ』
「アレス」
『はい、ごめんなさいなのだ』
服従の姿勢を取るアレス。もう。
バタバタの移動、ルームを閉めると、表に出ていたホークさんとミゲル君が、ルージュ達の姿を確認。
「ああ、テイマーさん、すまない、こんな時間にっ」
ファングさんが私に真っ先に謝ってくれる。リィマさんも顔色が悪い。アルスさんだけ、よく分かってないようだが、リィマさんの雰囲気で、少しふあんそう。いつもなら「ユイちゃん」言いながらこっちに来るんだけど、リィマさんから離れない。
「いえ、ルージュからこちらに向かってきているのは、分かっていましたから。どうぞ中に」
「すまない」
宿の居間に案内しながら、気になっていることを聞く。
「フリンダさんとガリストさんは?」
「宿にいる」
「無事、何ですよね?」
「ああ」
よし、居間に入ったし、ルージュが念のために魔法のカーテンを厚めに展開する。これで、大丈夫やね。
「で、どうかれたんですか?」
すると、ファングさんは気遣わしい視線を投げる。ちら、と。その先には、アルスさん。あ、もしかしたら、アルスさんは知らん方がいいんかな?
「アルスさん、今ですねJOY-Pで季節のパフェやっているんですよ」
ぱちん、と手を叩いてアルスさんの視線をこちらに向ける。
「もうすぐ夏のメニューになるから、食べていきません。あ、エマちゃんとテオ君も食べるね?」
「え、あ、あ、食べたいっ」
「俺も食べたいっ」
双子は私の考えを汲んでくれる。ファングさんと話をしたいが、どうもその話をファングさんは聞かせたくないみたいなので、パフェで釣ってみた。エマちゃんとテオ君には、アルスさんが話を聞く居間に来ないように、一緒にパフェを食べて貰う。
「さ、リィマさん、温かいお茶にしましょうね」
「あ、ああ、ありがとう」
私はルームを開けて、ダイニングキッチンを誘導する。てきぱきとJOY-Pをタップ。24時間営業助かる。さて、とデザートメニューを開けて、パフェパフェ。あった、イチゴジェラートと三色だんごの和パフェだ。下にあんこ、生クリーム、コーンフレーク、イチゴと塩のジェラート、ミルクジェラート、小さな三色だんご。三人前タップ。アルスさんはニコニコと嬉しそうだ。
「ああ、そういや、リィマさん、さっき宝石が出たので見てくれます?」
「あ、それくらいなら、構わないよ」
珍しくリィマさんも集中力がないよう。本当に何事?
マデリーンさんが話をする私達の為にお茶の準備をしてくれている。
私はルージュをちょいちょいと呼ぶ。
『どうしたの?』
「ごめんけど、今から話すけん、ルームに声が漏れんようにしてくれる?」
『分かったわ』
魔法万歳。
私はカルーラの方のサブ・ドアを開けると、近くで両親が待機してくれていた。
「どうね?」
父が心配そうに聞いてくる。
「無事に宿に来たよ、けがとかないし、フリンダさん達も無事やし」
私は、サブ・ドアの向こうに身体を滑り込ませる。
サブ・ドアの近くでは、アルスさんがパフェ食べているからね。
「今からファングさんから話を聞くけど、どうやらアルスさんに知られたくないみたいなんよ。だから、アルスさんにはパフェ食べてもらっているから、話ばあわせて」
「ん」
「分かった、あ、花ちゃん起きたとね」
いつもなら就寝時間の花が尻尾パタパタしながらやって来た。手を出すとはみはみして、慣れたようにルームに向かい、リィマさんとアルスさんに歓迎のローリング披露。アルスさんはスプーン片手にニコニコしながら撫でている。
よし、いいかな?
私は宿の居間に向かい。顔色の悪いファングさんの対面ソファーに座った。
思わず聞き返す。
『違うわ。焦っているのはファングとリィマだけね。誰か追っている気配はないし』
どういうことやろう? フリンダさんやガリストさんはどうしたんやろう? 急に不安が沸き上がる。
「ルージュ、悪かけど、ファングさん達ば迎えに行ってくれる?」
『いいわよ』
ルージュは軽く駆けて外に出ていく。真っ暗やし、ルージュなら魔法で姿も隠せるやろうから、騒ぎにならないはず。
「どうしたのユイさん?」
駆けて行ったルージュを見て、エマちゃんが心配そうに聞いてくる。
「ファングさんとリィマさんがアルスさん連れてこっちに来てるみたいなんよ。あまりよくない状況かも」
ルージュが逃げて来ていると言った以上、何かしらの脅威があっての事。だが、実際誰も追いかける気配はない。何か、そう想える事が、ファングさん達にあったって事や。
「お父さん、ごめんけどルーム閉めるね」
「ん、分かった」
「エマちゃん、悪いけど、アレス達は呼んでくれる?」
「はいっ」
私達はバタバタと移動する。
明日の食事の準備をしていた母が手を止め、花を抱えて父と共にサブ・ドアの向こう、カルーラのパーティーハウスに向かう。現在20時過ぎ。
「22時過ぎてもドアが開かんなら、今日はもう開けんけん」
「分かった」
「アルスさん達大丈夫かね?」
「ルージュが行ったけん、余程の事がなければ大丈夫よ」
両親を見送りドアを閉める。
シルフィ達を鷹の目の皆さんが手分けして運び、泥のように寝ていた若手達は可哀想だが、イシスに叩き起こして貰う。
ごめんね、ぐったりしてるのに。
ノワールも倉庫に移動したし、若手達は、宿の庭で思い思いに寝転がる。シルフィ達もふかふかクッションで寝たし。
『どうしたのだ? 我は、まだ走り足りないのだ』
「アレス」
『はい、ごめんなさいなのだ』
服従の姿勢を取るアレス。もう。
バタバタの移動、ルームを閉めると、表に出ていたホークさんとミゲル君が、ルージュ達の姿を確認。
「ああ、テイマーさん、すまない、こんな時間にっ」
ファングさんが私に真っ先に謝ってくれる。リィマさんも顔色が悪い。アルスさんだけ、よく分かってないようだが、リィマさんの雰囲気で、少しふあんそう。いつもなら「ユイちゃん」言いながらこっちに来るんだけど、リィマさんから離れない。
「いえ、ルージュからこちらに向かってきているのは、分かっていましたから。どうぞ中に」
「すまない」
宿の居間に案内しながら、気になっていることを聞く。
「フリンダさんとガリストさんは?」
「宿にいる」
「無事、何ですよね?」
「ああ」
よし、居間に入ったし、ルージュが念のために魔法のカーテンを厚めに展開する。これで、大丈夫やね。
「で、どうかれたんですか?」
すると、ファングさんは気遣わしい視線を投げる。ちら、と。その先には、アルスさん。あ、もしかしたら、アルスさんは知らん方がいいんかな?
「アルスさん、今ですねJOY-Pで季節のパフェやっているんですよ」
ぱちん、と手を叩いてアルスさんの視線をこちらに向ける。
「もうすぐ夏のメニューになるから、食べていきません。あ、エマちゃんとテオ君も食べるね?」
「え、あ、あ、食べたいっ」
「俺も食べたいっ」
双子は私の考えを汲んでくれる。ファングさんと話をしたいが、どうもその話をファングさんは聞かせたくないみたいなので、パフェで釣ってみた。エマちゃんとテオ君には、アルスさんが話を聞く居間に来ないように、一緒にパフェを食べて貰う。
「さ、リィマさん、温かいお茶にしましょうね」
「あ、ああ、ありがとう」
私はルームを開けて、ダイニングキッチンを誘導する。てきぱきとJOY-Pをタップ。24時間営業助かる。さて、とデザートメニューを開けて、パフェパフェ。あった、イチゴジェラートと三色だんごの和パフェだ。下にあんこ、生クリーム、コーンフレーク、イチゴと塩のジェラート、ミルクジェラート、小さな三色だんご。三人前タップ。アルスさんはニコニコと嬉しそうだ。
「ああ、そういや、リィマさん、さっき宝石が出たので見てくれます?」
「あ、それくらいなら、構わないよ」
珍しくリィマさんも集中力がないよう。本当に何事?
マデリーンさんが話をする私達の為にお茶の準備をしてくれている。
私はルージュをちょいちょいと呼ぶ。
『どうしたの?』
「ごめんけど、今から話すけん、ルームに声が漏れんようにしてくれる?」
『分かったわ』
魔法万歳。
私はカルーラの方のサブ・ドアを開けると、近くで両親が待機してくれていた。
「どうね?」
父が心配そうに聞いてくる。
「無事に宿に来たよ、けがとかないし、フリンダさん達も無事やし」
私は、サブ・ドアの向こうに身体を滑り込ませる。
サブ・ドアの近くでは、アルスさんがパフェ食べているからね。
「今からファングさんから話を聞くけど、どうやらアルスさんに知られたくないみたいなんよ。だから、アルスさんにはパフェ食べてもらっているから、話ばあわせて」
「ん」
「分かった、あ、花ちゃん起きたとね」
いつもなら就寝時間の花が尻尾パタパタしながらやって来た。手を出すとはみはみして、慣れたようにルームに向かい、リィマさんとアルスさんに歓迎のローリング披露。アルスさんはスプーン片手にニコニコしながら撫でている。
よし、いいかな?
私は宿の居間に向かい。顔色の悪いファングさんの対面ソファーに座った。
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