文字の大きさ
大
中
小
637 / 877
連載
ランクアップ①
ルリとクリスの木を植え替えた頃に、ファングさん達がやって来た。
「すまないテイマーさん。リィマとアルスが世話になって」
ガリストさんもフリンダさんも心配そうだ。
「いえいえ、さ、どうぞどうぞ」
一旦宿内にご案内して、ルームに。
「あ、ファングだっ」
ちょうどサブ・ドアからアルスさんが出てきた。アリスも一緒にね。
「アルスちゃんっ」
フリンダさんが、ばっ、と飛び出して抱き締めている。
「フリンダ、俺、ちゃんと言われたこと出来たよっ」
「そう、出来たのね、凄いわアルスちゃん」
よしよしとフリンダさんがアルスさんの背中をさする。なんやフリンダさん半泣きな雰囲気で、やっぱり震えているようやけど。まるで、小さい子供が一人でお泊まり出来たのに、感動しているお母さんみたい。いや、違うね、無事を心底安心している感じやな。ガリストはアルスさんの姿にホッとしている。それからリィマさんに確認するように声をかけている。
「リィマ、顔色悪いが、やっぱり眠れなかったか?」
「うん。流石にね。いくら、ここが安全だって分かっていても、ね」
「まあ仕方ないな」
ガリストさん心配そう。
そこに花が歓迎のローリングを披露し、ルリとクリスもやって来て、ガリストさんに尻尾ぷりぷり。元気も釣られて来るが、先ほどの件があり、ルリとクリスはぷいっ。きゅーん、と、情けない顔の元気。
「どうしたんだい?」
ガリストさんが、ぷいっ、としたルリとクリスに聞く。
『だって元気がねっ、ルリの初めて生やした木を勝手に伸ばしたんだよっ』
『ねーねとばーばに見せたかったのにっ。クリス、元気と遊ばないのっ』
「きゅーんっ」
プンプンぷんすこと怒るルリとクリス。情けない顔の元気。ガリストさんは言葉はわかってないが、
「さては元気君がルリちゃんとクリスちゃんを怒らせたのかな?」
鋭いっ。
「まあ、そんな感じです。皆さん、取り敢えず座ってください。お母さん、お茶ば」
私はそっとファングさんを手招き。ファングさんはフリンダさんに目配せ。
「さ、アルスさん、ミズサワさんのお母さんのお手伝いしましょうね」
「うんっ」
フリンダさんがアルスさんを連れてダイニングキッチンへ。
『喉が乾いたのだー』
『ねえね、ヒスイ、リンゴジュース』
『わいなー、オレンジがいいねん』
『私はオレンジなのです』
『私はリンゴね』
「くるっ、くるっ」
『ピザヲ所望スル』
「ブヒヒーンッ」
若手も加わり一気に賑やかにっ。
鷹の目の皆さんも手伝いに入る。
ファングさんと話をするのに、ちょうどよかね。然り気無く、リィマさんとガリストさんも来た。
「さっきリィマさんと話したんですが、皆さん一旦カルーラに避難してください。私も心配ですし」
「だが、今回のダンジョンアタックが」
ファングさんが戸惑いの顔。
「そんなの気にしなくていいんですよっ。代わりに、母が孤児院や教会の戦闘部隊への炊き出しの準備を手伝ってください。野菜の下拵えとか、結構大変なんです。特に孤児院の炊き出しは、サイズを変えてやってますから」
そう。孤児院には0歳児~15歳の子供がいる。当然食べられるサイズが違う。母が孤児院に持っていくのはスープ系料理一品。シチューに例えるなら、10歳未満の子供達には1cm未満のサイズに野菜をカットし調理している。10歳以上は大人サイズにカットだ。それで、食べる時に子供同士で色々あるそうだが、シスター達におまかせしていて申し訳ない。そして、戦闘部隊への炊き出しは、内容が違う肉料理と野菜料理だが、やはり野菜の下拵えが結構大変。
「ヤマタノオロチの時、おそらくしばらく母の手伝い出来なくなるから、少しでも下拵えを手伝ってもらえると、ありがたいんです」
ちら、とリィマさんとガリストさんに振り返るファングさん。
「なら、そうさせてもらう。本当にすまないテイマーさん」
「構いませんよ。後はカルーラを出る日を考えないといけんですね」
うーん、どうしよっかなあ?
「あのミズサワさん」
おずおずと控えめにリィマさんが意見を出す。
「それなんだけど。今回のギルドに提出した宝石や宝飾品の競売日にした方がいいって思うんだ」
リィマさんの説明は、こう。
二人の父親の商会は宝石類を扱う。だから、目当ては当然ダンジョンから出た宝石や宝飾品になる。晃太も競売って言ってたし。
「わざわざ、商会長がこんなに離れたルーティに来ているのに、競売日に出向かない訳はない。人に任せるなら、鼻からここにはいないはずだよ」
「なら、その競売日をチェックしてその日にカルーラに出発ですね。今日ギルドに行くから聞いてみますね。それまでリィマさんとアルスさんはルームに避難で」
いいかな?
ファングさんもガリストさんも異論ない、と。
「すまないね。私的な事に、パーティーの行動を左右させちゃって」
「なんだ、そんなことか、気にするな」
「ああ、アルスもリィマも、俺達には特別な存在なんだ」
リィマさんは、ファングさんとガリストさんから当たり前のように発せられた言葉に、リィマさんは申し訳ない、と少し安堵の顔。
よし、ケルンさんやフェリクスさんに意見ば聞く前に考えは纏まったが、金の虎が次回のダンジョンアタックを抜ける説明をせんとね。
「すまないテイマーさん。リィマとアルスが世話になって」
ガリストさんもフリンダさんも心配そうだ。
「いえいえ、さ、どうぞどうぞ」
一旦宿内にご案内して、ルームに。
「あ、ファングだっ」
ちょうどサブ・ドアからアルスさんが出てきた。アリスも一緒にね。
「アルスちゃんっ」
フリンダさんが、ばっ、と飛び出して抱き締めている。
「フリンダ、俺、ちゃんと言われたこと出来たよっ」
「そう、出来たのね、凄いわアルスちゃん」
よしよしとフリンダさんがアルスさんの背中をさする。なんやフリンダさん半泣きな雰囲気で、やっぱり震えているようやけど。まるで、小さい子供が一人でお泊まり出来たのに、感動しているお母さんみたい。いや、違うね、無事を心底安心している感じやな。ガリストはアルスさんの姿にホッとしている。それからリィマさんに確認するように声をかけている。
「リィマ、顔色悪いが、やっぱり眠れなかったか?」
「うん。流石にね。いくら、ここが安全だって分かっていても、ね」
「まあ仕方ないな」
ガリストさん心配そう。
そこに花が歓迎のローリングを披露し、ルリとクリスもやって来て、ガリストさんに尻尾ぷりぷり。元気も釣られて来るが、先ほどの件があり、ルリとクリスはぷいっ。きゅーん、と、情けない顔の元気。
「どうしたんだい?」
ガリストさんが、ぷいっ、としたルリとクリスに聞く。
『だって元気がねっ、ルリの初めて生やした木を勝手に伸ばしたんだよっ』
『ねーねとばーばに見せたかったのにっ。クリス、元気と遊ばないのっ』
「きゅーんっ」
プンプンぷんすこと怒るルリとクリス。情けない顔の元気。ガリストさんは言葉はわかってないが、
「さては元気君がルリちゃんとクリスちゃんを怒らせたのかな?」
鋭いっ。
「まあ、そんな感じです。皆さん、取り敢えず座ってください。お母さん、お茶ば」
私はそっとファングさんを手招き。ファングさんはフリンダさんに目配せ。
「さ、アルスさん、ミズサワさんのお母さんのお手伝いしましょうね」
「うんっ」
フリンダさんがアルスさんを連れてダイニングキッチンへ。
『喉が乾いたのだー』
『ねえね、ヒスイ、リンゴジュース』
『わいなー、オレンジがいいねん』
『私はオレンジなのです』
『私はリンゴね』
「くるっ、くるっ」
『ピザヲ所望スル』
「ブヒヒーンッ」
若手も加わり一気に賑やかにっ。
鷹の目の皆さんも手伝いに入る。
ファングさんと話をするのに、ちょうどよかね。然り気無く、リィマさんとガリストさんも来た。
「さっきリィマさんと話したんですが、皆さん一旦カルーラに避難してください。私も心配ですし」
「だが、今回のダンジョンアタックが」
ファングさんが戸惑いの顔。
「そんなの気にしなくていいんですよっ。代わりに、母が孤児院や教会の戦闘部隊への炊き出しの準備を手伝ってください。野菜の下拵えとか、結構大変なんです。特に孤児院の炊き出しは、サイズを変えてやってますから」
そう。孤児院には0歳児~15歳の子供がいる。当然食べられるサイズが違う。母が孤児院に持っていくのはスープ系料理一品。シチューに例えるなら、10歳未満の子供達には1cm未満のサイズに野菜をカットし調理している。10歳以上は大人サイズにカットだ。それで、食べる時に子供同士で色々あるそうだが、シスター達におまかせしていて申し訳ない。そして、戦闘部隊への炊き出しは、内容が違う肉料理と野菜料理だが、やはり野菜の下拵えが結構大変。
「ヤマタノオロチの時、おそらくしばらく母の手伝い出来なくなるから、少しでも下拵えを手伝ってもらえると、ありがたいんです」
ちら、とリィマさんとガリストさんに振り返るファングさん。
「なら、そうさせてもらう。本当にすまないテイマーさん」
「構いませんよ。後はカルーラを出る日を考えないといけんですね」
うーん、どうしよっかなあ?
「あのミズサワさん」
おずおずと控えめにリィマさんが意見を出す。
「それなんだけど。今回のギルドに提出した宝石や宝飾品の競売日にした方がいいって思うんだ」
リィマさんの説明は、こう。
二人の父親の商会は宝石類を扱う。だから、目当ては当然ダンジョンから出た宝石や宝飾品になる。晃太も競売って言ってたし。
「わざわざ、商会長がこんなに離れたルーティに来ているのに、競売日に出向かない訳はない。人に任せるなら、鼻からここにはいないはずだよ」
「なら、その競売日をチェックしてその日にカルーラに出発ですね。今日ギルドに行くから聞いてみますね。それまでリィマさんとアルスさんはルームに避難で」
いいかな?
ファングさんもガリストさんも異論ない、と。
「すまないね。私的な事に、パーティーの行動を左右させちゃって」
「なんだ、そんなことか、気にするな」
「ああ、アルスもリィマも、俺達には特別な存在なんだ」
リィマさんは、ファングさんとガリストさんから当たり前のように発せられた言葉に、リィマさんは申し訳ない、と少し安堵の顔。
よし、ケルンさんやフェリクスさんに意見ば聞く前に考えは纏まったが、金の虎が次回のダンジョンアタックを抜ける説明をせんとね。
感想 854
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!