もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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フィールド型ダンジョン⑮

 警戒していたが、第七階層の風は、第四階層に比べてやんでいる時間が長い。ぶひひん特急ノワールは順調に進む。襲ってくる魔物は、すべて撃退されていく。クラゲが空中を漂いながら来たのには驚いたけど、ノワールに騎乗時はおとなしくするのが鉄則だ。空飛ぶ魚の骨のおばけには、悲鳴を上げそうになったけどね。
 あの、ぺっ、された宝箱の中身がリィマさんにより、査定が終わる。
 金銀財宝の宝箱だ。
 キラキラと、種類別に分けられてる。金と銀は豆のような形で、サイズ様々、銀の方が多めかな。宝石もいっぱいある。キラキラや。
「ざっとだけど、100億だね」
 …………………………………はい?
「ひゃ、ひゃく?」
「そうだね。ざっとだよ。で、最高額はこれ」
 と、示したのは短剣。全体で20センチくらい。これは宝箱のそこに布につつまってあったみたい。柄の部分には大きな宝石がはまり、鞘には金のラインが入り、びっしり小さな石がはまっている。あれだ、デコられている。キラキラ。
「純銀製、鞘もね。この柄にあるサファイアとエメラルドだけでも2億、鞘にあるダイヤモンドとルビー、シトリン、ガーネットも全部粒がいいし。この短剣だけで、5、いや6億くらいかね、最低価格でね」
 はわー、ご、ろくおくー。
 さすが、ご褒美ー。
 私は、へー、そうなんだー、みたいな顔した冒険者の皆さんに振り返る。
「誰か使います?」
「「「「「ご冗談を」」」」」
 と、即、断られてしまった。
 それから、これは買い取れるギルドは限られているって。
 仕方ないか、カルーラで無理なら、マーファのタージェルさんなら買い取ってくれるかも。マーファに持って帰ろう。
「次に高いのは、このイエローダイヤモンド、エメラルド、ルビーがそれぞれ2億」
 リィマさんがそれぞれのエリアに鎮座する、自己主張している宝石を示す。
「この指輪のインペリアルジェダイトも綺麗だね。最低1億かな。で、この大きいのがレッドスピネル、これだけのサイズは珍しいよ」
 リィマさんが色々説明してくれる。中には安価な宝石も多数あったり、剥き出しで入っていたのはどうしても傷が入ってしまっているのがあり、価格がさがる、こちらもたくさんある。それからどう皆さんに分けようか悩んだが、まず各パーティーリーダーさんを召集する。
「あまりの額なので、皆さんのある程度貰ってください」
「貰えませんよ、いくらなんでも」
 と、ケルンさんが即答。
「十分稼がせて貰ってます」
 どんでもないと首を横に振るフェリクスさん。
「色々してもらってるしなあ」
「そうですよ。いつものダンジョンアタックの何倍も稼がせて貰ってます。これ以上は」
 と、ファングさんとロッシュさん。
「私の精神衛生上貰ってくださいっ」
 いくらなんでも100億は有りすぎや。押し問答の末、各パーティーに金が1キロ、銀3キロ。宝石類は合計5000万になるようにリィマさんにチョイスしてもらい配布する。これでもずいぶん値切られてしまった。デコられた鞘からダイヤモンド取れないかな? 何個か進呈しよう。つまようじでつついていたら、リィマさんに必死な形相で止められた。でも、少し減ったかな。しかし、100億かあ、最高額やないかな。多分、この、ぺっ、された宝箱はご褒美なんやろうけど。確か鍵が出たときも、鍵穴が出たときもアレスが扉を開けたし。他にも違うレベルにあるビアンカやルージュ、アリスで比べたかったが、時間がなかったので出来なかった。こんな時に、父がいたら一発で分かるのに。こればっかりは仕方ない。
 ある程度は寄付に回そう。
「ユイさん、風が止みましたっ」
 外を監視していたミゲル君が報告してくれる。あわてて私は水分補給する。
 ノワールもホークさんも準備オッケー。
『ユイ、行くのです』
『行けるわ』
『主よ、行くのだー』
 そわそわと扉付近で待っている三兄妹、はいはい。種族が違えど、そっくりやね。

 第七階層は、第四階層よりも早く踏破できた。
 襲ってくる魔物は桁違いに強いが、イシスやアレスを筆頭にしたバトルジャンキー達に勝てるわけない。時々だが、アレスとシヴァが交代で並走する。シヴァはビアンカにいいとこ見せようと、見てるこっちが微笑ましく思えるほど頑張っている。だが、やはりビアンカやルージュがシヴァを推す理由がしみじみと分かった。
 とにかく火魔法の火力が凄い。ルージュの火魔法を凌駕する威力だ。シヴァは他に風と無属性を持つが、得意魔法は火魔法。
『ビアンカ、ビアンカ』
 空飛ぶクラゲを火で蒸発させてから、見てみて、と必死に訴えている。尻尾バタバタ。そのうち、火を吹かんね? あの尻尾。
『見てたのですよ。シヴァの火魔法は凄いのですね』
「わふんっ、わふんっ」
 シヴァが嬉しそう。
『ユイ、ボス部屋があったわ』
 思ったより早く到着した。第七階層に入り、二週間だった。
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