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カルーラで年越し~春まで⑱
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『寒いのだ』
でしょうよ。
アレスが暖房の下で丸くなっている。寒さに強い種族なんだけどね。
明日ルーティから帰ってくる予定なのだが、アレスがやらかした。やらかした、といっても、誰かに迷惑かけたわけでもないのだけどね。
両親と買い物していたら、まずイシスが沖に、何やら気配があるからと、許可をとり飛び立った。イシスの離陸姿は正に圧巻だったそうだ。大歓声が沸き上がったそうだ。
で、両親はのんびりとイシスの飛行を眺めていたら、海面に向かって一気にダイブ。海鳥が魚を狙うやつね。
ただ、イシスの場合、小魚なわけない。
海面から出てきた時に、イシスが掴んでいたのは一匹の肴。遠目でイシスより小さいとは思ったそうだが、なんせイシスはノワールと大差ない体格だ。当然、魚は小魚ではなく、デカイ。
この時期、味が最高のイエロールーティツナだ。
イシスは飛びながら自身を魔法で乾燥されて、イエロールーティツナを運んだ。そのサイズ、800キロ越え。
ルーティで獲れた中では最重量のイエロールーティツナに、漁港にギルドに大騒ぎ。
「どうか一部をギルドにっ。解体はすべてこちらで行いますからっ、骨をギルドに卸していただけないでしょうか」
と、必死にギルドの人が、父に交渉しているのを横目に、イエロールーティツナにわんわん吠える花を宥めていた母にアレスがきゅるん。
『母よ、我もやりたいのだ』
「濡れたら、風邪引くよ」
『ちゃんと乾かすのだっ、母よ、母よっ』
「冬の海よ」
『大丈夫なのだ~、母よ~』
きゅるん、きゅるん、きゅるん。
『はぁ、大丈夫なのですよ、冬場でも河に飛び込むような事やっては、母様にしかられていたのです』
ビアンカのその言葉に、仕方なく母はうなずいたが。
『ま、いつもずぶ濡れになって、寒い寒いと言っては、一晩中母様が抱いて温めていたのです』
先に言わんね。
その時は既にアレスは海上。氷の魔法を使い、道を造り、走り抜けていた。当然現場は大騒ぎ。
アレスはかなり沖まで氷の道を造ったようで、よく見えなかったそうだが、帰って来たときは案の定ずぶ濡れ。で、何やら氷の塊を咥えていたと。波間の隙間から、かなりのサイズの氷。大型トレーラー並で、アレスは端っこを咥えて氷の道を走って戻って来た。その氷の中に、何体ものイエロールーティツナやルーティツナに、他にも色んな魚がいたと。
で、陸地に上がってぶるぶると水を飛ばして、風魔法で乾燥。氷を上げて砕いて魚を出して、一言。
『母よ、寒いのだ』
ぶるぶる。
で、現在、暖房の下で丸くなってる。
簡単に説明したが、現場は大騒ぎだったと。
イエロールーティツナと、ルーティツナや他の魚の解体、引き取り分をどうするかで、母がチュアンさんとビアンカとギルドに向かった。なぜ、母かと言うと、我が家の食料事情は母が管理していますからね。で、父が寒い寒いと訴えるアレスを連れて、先に戻りサブ・ドアから私に向かって声をかけた。
おそらくアレスも海にダイブしたのだろうが、なんでイシスは大丈夫なのかなって思ったら、毛の構造が水の侵入を防ぐそうだ。
『長ク潜レバ当然地肌マデ濡レルガ、ソウナル前二上ガッテクレバイイノダ』
と。イシスはそれから一匹の大型イエロールーティツナを獲ってきた。
交渉の結果、イエロールーティツナとルーティツナは、可食部半分を引き取り、残りと骨はギルドに卸したと。
現在、ギルドではイエロールーティツナとルーティツナの解体が行われている。時間停止のマジックバッグを渡してあるって。
『母よ、寒いのだ』
「やから言ったろ、冬の海やって」
母はアレスに羽毛布団をかけて、よしよししている。
きゅうん、と丸くなってる。自業自得だが、なんだか、可哀想に見えてきた。
『主よ、アイスが食べたいのだ』
「あんた寒いやないの?」
さっきのあれは、勘違いやね。
『主よ~、豆の入ったアイスがいいのだ~』
マカデミアナッツの入ったお高いアイスね。
確かに寒いかも知れないが、アイスが食べたいって。半分甘えてるのかね?
『ユイ、私も食べたいのです』
『ユイ、私も~』
『アイスヲクッキーデ挟ンデアッタノガアッタナ、所望スル』
仔達も大合唱し始めたので、セレクトショップダリアを開けた。
でしょうよ。
アレスが暖房の下で丸くなっている。寒さに強い種族なんだけどね。
明日ルーティから帰ってくる予定なのだが、アレスがやらかした。やらかした、といっても、誰かに迷惑かけたわけでもないのだけどね。
両親と買い物していたら、まずイシスが沖に、何やら気配があるからと、許可をとり飛び立った。イシスの離陸姿は正に圧巻だったそうだ。大歓声が沸き上がったそうだ。
で、両親はのんびりとイシスの飛行を眺めていたら、海面に向かって一気にダイブ。海鳥が魚を狙うやつね。
ただ、イシスの場合、小魚なわけない。
海面から出てきた時に、イシスが掴んでいたのは一匹の肴。遠目でイシスより小さいとは思ったそうだが、なんせイシスはノワールと大差ない体格だ。当然、魚は小魚ではなく、デカイ。
この時期、味が最高のイエロールーティツナだ。
イシスは飛びながら自身を魔法で乾燥されて、イエロールーティツナを運んだ。そのサイズ、800キロ越え。
ルーティで獲れた中では最重量のイエロールーティツナに、漁港にギルドに大騒ぎ。
「どうか一部をギルドにっ。解体はすべてこちらで行いますからっ、骨をギルドに卸していただけないでしょうか」
と、必死にギルドの人が、父に交渉しているのを横目に、イエロールーティツナにわんわん吠える花を宥めていた母にアレスがきゅるん。
『母よ、我もやりたいのだ』
「濡れたら、風邪引くよ」
『ちゃんと乾かすのだっ、母よ、母よっ』
「冬の海よ」
『大丈夫なのだ~、母よ~』
きゅるん、きゅるん、きゅるん。
『はぁ、大丈夫なのですよ、冬場でも河に飛び込むような事やっては、母様にしかられていたのです』
ビアンカのその言葉に、仕方なく母はうなずいたが。
『ま、いつもずぶ濡れになって、寒い寒いと言っては、一晩中母様が抱いて温めていたのです』
先に言わんね。
その時は既にアレスは海上。氷の魔法を使い、道を造り、走り抜けていた。当然現場は大騒ぎ。
アレスはかなり沖まで氷の道を造ったようで、よく見えなかったそうだが、帰って来たときは案の定ずぶ濡れ。で、何やら氷の塊を咥えていたと。波間の隙間から、かなりのサイズの氷。大型トレーラー並で、アレスは端っこを咥えて氷の道を走って戻って来た。その氷の中に、何体ものイエロールーティツナやルーティツナに、他にも色んな魚がいたと。
で、陸地に上がってぶるぶると水を飛ばして、風魔法で乾燥。氷を上げて砕いて魚を出して、一言。
『母よ、寒いのだ』
ぶるぶる。
で、現在、暖房の下で丸くなってる。
簡単に説明したが、現場は大騒ぎだったと。
イエロールーティツナと、ルーティツナや他の魚の解体、引き取り分をどうするかで、母がチュアンさんとビアンカとギルドに向かった。なぜ、母かと言うと、我が家の食料事情は母が管理していますからね。で、父が寒い寒いと訴えるアレスを連れて、先に戻りサブ・ドアから私に向かって声をかけた。
おそらくアレスも海にダイブしたのだろうが、なんでイシスは大丈夫なのかなって思ったら、毛の構造が水の侵入を防ぐそうだ。
『長ク潜レバ当然地肌マデ濡レルガ、ソウナル前二上ガッテクレバイイノダ』
と。イシスはそれから一匹の大型イエロールーティツナを獲ってきた。
交渉の結果、イエロールーティツナとルーティツナは、可食部半分を引き取り、残りと骨はギルドに卸したと。
現在、ギルドではイエロールーティツナとルーティツナの解体が行われている。時間停止のマジックバッグを渡してあるって。
『母よ、寒いのだ』
「やから言ったろ、冬の海やって」
母はアレスに羽毛布団をかけて、よしよししている。
きゅうん、と丸くなってる。自業自得だが、なんだか、可哀想に見えてきた。
『主よ、アイスが食べたいのだ』
「あんた寒いやないの?」
さっきのあれは、勘違いやね。
『主よ~、豆の入ったアイスがいいのだ~』
マカデミアナッツの入ったお高いアイスね。
確かに寒いかも知れないが、アイスが食べたいって。半分甘えてるのかね?
『ユイ、私も食べたいのです』
『ユイ、私も~』
『アイスヲクッキーデ挟ンデアッタノガアッタナ、所望スル』
仔達も大合唱し始めたので、セレクトショップダリアを開けた。
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