ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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婚約者と被害者②

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「お嬢様っ、こちらのドレスになさいますかっ」

 ナタリアが嬉しそうに何着かのドレスを持ってる。
 ローザ伯爵家が準備した衣装部屋にあったものだ。一度その衣装部屋の服について、生物学上の母親が訪ねてきた。

「ウィンティア、欲しい服やドレスはないかしら? 今あるのでレースや刺繍とか追加出きるし」

「はあ? このままでいいです」

 ちょうど勉強もしていたから、母親はすぐに出ていったが、それ以降はない。
 衣装部屋の中には三十着程服があり、私には十分だ。どれもシンプルだけど、仕立てがいいのか、全部おしゃれだ。それ以外にも余所行き用みたいなドレスもある。ナタリアが手にしているのはそれね。
 私がローザ伯爵家に戻り、コクーン修道院から持ってきた服を何着かダメにしてしまった。あの嘔吐の度に薬物反応がないか、裂いていたそうで、着るものがあっという間に少なくなってしまった。仕方なく衣装部屋から何着か、ナタリアチェックをしてもらい、着ている。
 
「ナタリア、やっぱり着ないとダメかな?」

「そうですね。初めて両家全員揃っての顔合わせですから。身なりは整えないと、相手はあのウーヴァ公爵家ですものっ。ウィンティアお嬢様の優しさと可愛らしさを分かってらっしゃるっ」

 ナタリア誉めすぎ。可愛いのはウィンティアだしね。でも、照れる。数日前にある騒ぎがあり、ナタリアは私を完全に信頼してくれてる。私も答えないと。
 本日、そのウーヴァ公爵家と婚約者がやってくるので、朝からバタバタしている。
 はしゃぐナタリアにのせられた訳じゃないけど。結局ドレスを選ぶ。ドレスって言っても結婚式とかに着る余所行きみたいな感じね。
 顔合わせかあ、結納みたいな感じになるのかな? あんまり知識はないけど。
 そう言えば、ウーヴァ公爵家のウィンティアの印象、悪かったなあ。ここはゲーム内ではないが、ウィンティアの利用価値があるからの婚約な訳だし。
 貴族の婚約なんてそんなもんだろうけど。
 ウィンティアの祖母ティーナ夫人が行動して、流れが変わって来ている。ナタリアと言う、登場しないはずの人物が出てきてる。
 もし、そのレオナルドがいい人で、あの赤い本のように、レオナルドに想いを寄せたら、軌道修正されてしまうのだろうか? いや、婚約者から別の女に走る男なんて、ぽい、だ。
 でもなあ、あからさまにして、ウィンティアの悪印象持たれるのもやだし。
 うーん、うーん、うーん。
 なんとか、穏便に解消できないだろうか? まだウーヴァ公爵家もウィンティアの印象はないから、どうにかいい感じに解消に持ち込まないと。
 うーん、うーん、うーん。

「お嬢様、お支度終わりましたよ」

 悩んでいると、ナタリアが声をかけてきた。
 いつもは三つ編みしている髪はおろし、サイドアップしてドレスと同じ生地のリボンで飾ってある。毎日ナタリアが丁寧に手入れしてあるから、艶々。ドレスもちゃんと合ってるし。
 うん、やっぱり可愛いよ、ウィンティア。
 と、声をかけるが、返事はない。最近、ウィンティアは殻にとじ込もっている。
 仕方ないか、ここはウィンティアには魔窟みいなもんだしね。

 コンコン

 ノックされる。

『ウィンティアお嬢様、ウーヴァ公爵家の皆様、婚約者レオナルド・キーファー様がおみえです』

 いよいよだ。
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