ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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やり直し?⑤

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 チョコレートはガトーショコラみたいなケーキだった。添えられた果物やクリームとも良くあってる。
 とっても美味しい、パクパク。
 食べながらちょっとお話。
 きちんとお話するの初めてだよね。
 私、物凄く態度悪かったはず。
 なのに、こんな素敵な喫茶店に連れてきてもらって、ご馳走になってしまった。
 ティーナ夫人の共同特許が目的だろうけど、精神年齢二十歳の私は、お礼を言わないと。

「あの保留婚約者様」

「せめて名前で」

「あー、では、キーファー様」

 ぐー、と落ち込んでいる。

「こんな素敵なカフェに連れてきて頂きありがとうございます。それもこんなに高価なケーキまでご馳走になって。私は、あなたには失礼な態度しか取っていなかったはずです」

「それはこちらの落ち度です。ウィンティア嬢が気になさす必要はないのですよ。すべての経緯を知るアンジェリカ嬢より言われました。三十分でも会ってくれるのに、感謝なさい、と」

 最初から、あれだったしね。
 ウーヴァ公爵夫人は突き放すし、キャサリンの妨害を見せつけられるし、多感な時期の娘さんなら、この保留婚約者を毛嫌いするわな。

「ウィンティア嬢、改めて、私と友人としてお付き合い願えないでしょうか?」

「友達……………」

 同年代、同性がいいんだけど。
 この捨てられたような子犬の目、やめて。
 こ、断りにくいなあ。

「と、友達なら、あ、でも、キーファー様がいいなって人ができたら言ってください、即解消しましょうっ」

 何故に、撃沈しているのよ。
 いやいや、お城に勤めていたら、出会いありそうじゃない?

「では、友人はいいのですね」

「はあ、まあ」

「では、せめて名前でお呼びください」

「年上の方を親しくもないのに、名前呼びは出来ません」

 撃沈。忙しい人ね。

「では、いつ、呼んで頂けますか…………」

 絞り出すようにして言ってきた。

「そうですね……………」

 こっちの基準がわからないけど、いきなり名前呼びは抵抗が。それになんで名前呼びに拘るんだろう。
 でも、あって数回年上の男性を、名前呼びは抵抗が。名字呼びがいいんだけど。向こうが希望されている。こんなおしゃれなカフェにつれてきてもらったし。でも、きっと義理で連れてきてくれているはずだし、うーん、うーん。赤い本の中とは流れになってきているし、連れてきてもらった、義理の素敵なカフェ、うーん、葛藤。
 悩んだ末に。

「一年とか?」

 一年、この人があのキャサリンに靡かなければね。ローザ伯爵家には、ナタリアとヴァレリーという協力者がいるから、逐一様子分かるし。本当に「誠実に」対応してくれたなら、穏やかに婚約解消して、ウィンティアのお友達にね。
 いい、ウィンティア、一年、この人様子見るよ。嫌だと思ったら、言ってね。
 ………………………「うん」と返事あり。

「一年経てば、呼んでくれますか?」

 この人、何をこんなにこだわるの?

「一年経って、友人だと思えたら、そしてキーファー様に別の縁談がなければ」

「縁談はないですから。では、一年後に、ここでお答え頂けますか?」

「はい」

 なら、この素敵なカフェは、一年後かあ。
 寂しい。
 私の寂しいが出たのかな。

「ウィンティア嬢、こちらはお気に召していただけましたか?」

「えっ、はい。とても素敵なお店で」

「では。都合があれば、また来ましょう」

 義理で気遣ってくれたんだろうが、嬉しいかな。

「はい」

 満足そうな顔をする、保留婚約者、いや、キーファー様。
 次回からは私の学業とキーファー様のお仕事都合があるから、毎月の面会は厳しいかもしれない。
 仕方ない、お仕事優先だからね。
 よく、私と仕事どっちなのっ、てあるらしいが、私はお仕事優先。しかも王子様の護衛騎士なんだからね。
 素敵なカフェで話をしたあと、私はローザ伯爵家に送ってもらい、学園に戻った。
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