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やり直し?⑥
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ルルディ学園入学式。
私は新しい制服に身を包むと、引き締まる思いだ。まさかまた中学生になるなんて、ね。髪は一つに束ね、お祝いで頂いた青いリボンのヘアゴムで結ぶ。
派手じゃないか心配だったけど、結構な派手な髪型の女子生徒がそこそこいた。私みたいに、リボンで飾る程度が多い。
入学式が行われる講堂に入る前、まずは教室だ。
準特進クラスは小さな話し声だけ、前から知り合いって感じの子達もいるけど、ほとんど一人で座っている。
私の席には名前の紙がある。ここね、座ろ。机にはなんと鍵が付いてる。なんでもあからさまないじめが横行していた時に、教科書を隠したり、酷い場合は焼却炉に放り込んだりしたそうだ。教科書だって、安くはない。誰かに取られたと立証できなければ、学園から至急されない。教科書だって、安くはない。これは優秀な一般の生徒に行われる事が多く、とうとう教科書代を支払えなくなるほどやられたことがあってから、各机と鞄に鍵が付いてる。机の横にかかった鞄にも鍵が付いてる。
それから机の上には、小さな白い生花のコサージュ。これを胸に付けるのね。
手に取って見ていると、担任教師らしき人が入ってきた。
ぴた、と私語がやみ、全員が前を向く。久しぶりの緊張感。ゲームでは、ウィンティアは一般科だった。よくよく考えたらそうだろうなあ。赤い本やゲーム内のウィンティアは、敷地内の離れで窮屈で肩身の狭い生活だった。マナーや勉強も、メイドが時間がある時だけみたが、タダでさえ少ない人数だった。しかも、全員夜は離れから離れる。幼いウィンティアはたった一人で、夜の闇に怯えていた。勉強に関しても、家庭教師はずぼらで、ゴシップ雑誌ばかりみていた。あれじゃ、準特進なんて無理だよ、それに一般科でも着いていけなかったはず。だから、補修を受けざるを得ず、婚約者とも会えないし、ウーヴァ公爵にもいい印象はなかったはず。
担任はいかにも、と言った眼鏡をかけた女性教師だ。そしてもう一人若い男性教師、副担かな?
「皆さん」
教壇にたった女性教師が綺麗に響く声を発する。
一斉に注目が集まる。
「ルルディ王国国立学園にようこそ。私はこの準特進クラスを担任しますマクガレル・ハーヤです。一年間よろしくお願いたします」
よろしくお願いたします。
あちこちから声があがる。
クラスに関しては、成績次第では一般クラスに落ちる事があるため、頑張らないと。中には特進に進む生徒もいるって。私には無理かな。特進は進むには、母国語以外にも、二ヶ国語をマスターしてないといけないらしい。私は公用語で母国語である・フア語。後はテヘロン語がかろうじてって感じだ。それは祖母ティーナが、幼いウィンティアに絵本を通じて教えていた事がある。
マクガレル先生の話は次に入学式の説明。
教室前方の右前の一番前の生徒を先頭に、その列の生徒が続く。次は隣の列、私の席は一番左の列で後ろから二番目。
「今の席の位置が、入試式の椅子の位置です」
なら、お隣さんを覚えていよう。
ちら、見ると向こうも見てきた。金髪のおさげで、そばかすのある女の子だ。
にこっ、とする。ほら、第一印象よくね。
すると、向こうも、照れながら、にこっ。
なんだか、青春って感じ。
私は新しい制服に身を包むと、引き締まる思いだ。まさかまた中学生になるなんて、ね。髪は一つに束ね、お祝いで頂いた青いリボンのヘアゴムで結ぶ。
派手じゃないか心配だったけど、結構な派手な髪型の女子生徒がそこそこいた。私みたいに、リボンで飾る程度が多い。
入学式が行われる講堂に入る前、まずは教室だ。
準特進クラスは小さな話し声だけ、前から知り合いって感じの子達もいるけど、ほとんど一人で座っている。
私の席には名前の紙がある。ここね、座ろ。机にはなんと鍵が付いてる。なんでもあからさまないじめが横行していた時に、教科書を隠したり、酷い場合は焼却炉に放り込んだりしたそうだ。教科書だって、安くはない。誰かに取られたと立証できなければ、学園から至急されない。教科書だって、安くはない。これは優秀な一般の生徒に行われる事が多く、とうとう教科書代を支払えなくなるほどやられたことがあってから、各机と鞄に鍵が付いてる。机の横にかかった鞄にも鍵が付いてる。
それから机の上には、小さな白い生花のコサージュ。これを胸に付けるのね。
手に取って見ていると、担任教師らしき人が入ってきた。
ぴた、と私語がやみ、全員が前を向く。久しぶりの緊張感。ゲームでは、ウィンティアは一般科だった。よくよく考えたらそうだろうなあ。赤い本やゲーム内のウィンティアは、敷地内の離れで窮屈で肩身の狭い生活だった。マナーや勉強も、メイドが時間がある時だけみたが、タダでさえ少ない人数だった。しかも、全員夜は離れから離れる。幼いウィンティアはたった一人で、夜の闇に怯えていた。勉強に関しても、家庭教師はずぼらで、ゴシップ雑誌ばかりみていた。あれじゃ、準特進なんて無理だよ、それに一般科でも着いていけなかったはず。だから、補修を受けざるを得ず、婚約者とも会えないし、ウーヴァ公爵にもいい印象はなかったはず。
担任はいかにも、と言った眼鏡をかけた女性教師だ。そしてもう一人若い男性教師、副担かな?
「皆さん」
教壇にたった女性教師が綺麗に響く声を発する。
一斉に注目が集まる。
「ルルディ王国国立学園にようこそ。私はこの準特進クラスを担任しますマクガレル・ハーヤです。一年間よろしくお願いたします」
よろしくお願いたします。
あちこちから声があがる。
クラスに関しては、成績次第では一般クラスに落ちる事があるため、頑張らないと。中には特進に進む生徒もいるって。私には無理かな。特進は進むには、母国語以外にも、二ヶ国語をマスターしてないといけないらしい。私は公用語で母国語である・フア語。後はテヘロン語がかろうじてって感じだ。それは祖母ティーナが、幼いウィンティアに絵本を通じて教えていた事がある。
マクガレル先生の話は次に入学式の説明。
教室前方の右前の一番前の生徒を先頭に、その列の生徒が続く。次は隣の列、私の席は一番左の列で後ろから二番目。
「今の席の位置が、入試式の椅子の位置です」
なら、お隣さんを覚えていよう。
ちら、見ると向こうも見てきた。金髪のおさげで、そばかすのある女の子だ。
にこっ、とする。ほら、第一印象よくね。
すると、向こうも、照れながら、にこっ。
なんだか、青春って感じ。
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