【完結】計画的に出奔したら銀色の美しい従者が追ってきたお話

かほなみり

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11.美しい模様※

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 やがてゆっくりと力を緩め、ユージーンは噛んだ跡を舌先で舐めた。何度も何度も、傷を癒すように舌先で舐め口付けを落とす。ユージーンの身体の下でリリーシュがもぞりと動いた。

「……痛いわ」
「すみません、嬉しくてつい」

 涙をにじませるリリーシュの眦に口付けを落としその涙を吸い上げる。
 
「……いつもこんな事するの」
「しません。俺も初めてなので、ちょっと力加減を間違えたかも」

 リリーシュの耳が赤く染まるのをユージーンはじっくりと見つめ、その赤い小さな耳に優しく口付けを落とした。

「リリーシュ、貴女を……俺のものにしてもいいですか」

 ユージーンのその言葉に、リリーシュはシーツに顔を埋めながら小さく頷いた。頷いたか分からないほど、小さく。
 ユージーンはリリーシュを背後からギュッと抱き締め、深く息を吸い込んだ。愛しい女の香りを身体の奥深くまで取り込むように。

 やがてユージーンは、リリーシュの髪や項に口付けを落としながら、柔らかな双丘を再び揉みしだき始めた。
 びくっと大きく身体を揺らし、シーツに顔を埋めて声を我慢するリリーシュに、ユージーンはゾクゾクと身体の奥から強い欲望が生まれるのを感じた。
 慣れた手つきでブラウスの釦を外し剥ぎ取ると、真っ白な背中にある傷跡が現れる。
 ユージーンはその傷跡に舌を這わせた。舌先で感じる傷痕を丹念に舐め、ゆっくりと背骨に沿って舌を這わせ腰のくぼみに吸い付く。大きく身体を揺らすリリーシュは、それでもまだシーツを握りしめ声を押し殺している。

 ユージーンは身体を起こすと腰の剣をベッド脇に立てかけ、着ていた重たい外套を脱ぎ捨てた。どさりと重たいものが落ちる音にリリーシュが顔を上げる。
 見上げると、ユージーンがリリーシュを見下ろしながら乱暴に服を脱ぎ捨てていた。陽の光に煌めく長い髪をかき上げ、美しい紫眼をギラギラと強く輝かせて見下ろしてくるユージーンは壮絶なほど美しい。
 そして服の下から現れたユージーンの逞しい肉体に目を奪われ、両腕に施された美しい刺青にくぎ付けになった。
 手を伸ばしそっとその腕に触れる。
 手首から二の腕、肩にかけて広がる刺青は、濃い青とグレーで彫られている。繊細な模様がユージーンの身体を這うように身体めがけて伸びていくような模様だ。そして伸びたその先に、小さく赤と緑色の模様が彫られている。リリーシュは手を伸ばし、その色に触れた。

 ユージーンはリリーシュの手など気にせず、優しく丁寧に柔らかなコルセットを外し腰の紐を解いてスカートを抜き去った。刺青に夢中になっていたリリーシュは、突然意識が戻り顔を真っ赤に染め上げた。服を全て脱がされた身体を捩り、何とか肌を隠そうとする。

「リリーシュ? 俺は毎日のように貴女の身体を見てきたのに、今更隠すんですか?」
「そっ、そうだけどそうじゃないのよ!」
「やっと、俺を意識してくれましたか?」

 ユージーンはリリーシュの手首を掴みシーツに縫い留めた。力を入れるとすぐに折れそうな程細い。
 
 何も隠すことが出来なくなったリリーシュは真っ赤な顔で瞳を潤ませユージーンを見上げる。睨んでいるつもりなのだろうが、その姿が男の欲情を更に煽るなど知る由もない。

「嬉しい、リリーシュ、もっと俺を意識してください」

 ふわりと嬉しそうにほほ笑むユージーンの笑顔は、普段よりも幼く感じられリリーシュの胸にまた愛しさがこみ上げる。

「……ユージーン、手を離して」
「離したらまた隠すでしょう?」
「隠さないわ……貴方に抱き着きたいだけよ」

 その言葉に驚いたユージーンの手が緩み、リリーシュは逞しい身体に向かって両手を広げた。

「……ぎゅってして」
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