エトランゼ・シュヴァル

hikumamikan

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アイテムボックス。

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ギルドで換金して宿に戻り部屋で色々考えてみた。
ギルドの資料館の本では、空間魔法のアイテムボックスは、時間の概念が存在しないらしいのだ。

どうやらアイテムボックスの様な物は時間が止まるらしい。
地球を自転と逆に回ると大航海時代には1日ずれていた事がわかっている。
1種のタイムトラベル。
なら自転が止まれば時間が止まらないかと思う。
太陽や月その他の天体も有るから、止まったとは認識出来ないかな。
まあ本当に止まったらおそらく人類は滅亡しちゃうな。

アイテムボックスは異空間なので時間そのものの概念が働かないのだ。
時間が一つの空間で幾つも連なっている物と考えたら、その一つの空間がアイテムボックスなのではと思った。
幾つものボックスが集まっているのでストレージと言った方が良いかも。

どうやら私のアイテムボックスはその小分けの部屋が多いらしいと同時に、空間魔法では無くて固有スキルみたいだ。
て言うか、ストレージでも無くて、神様?が持ってきてくれた前世での財産と交換して、思い浮かぶ物が買えるとんでもないスキルみたいだ。
ストレージはその付録として有るらしい。(よくわからんけど)
うん、お金が減ってたので解った。
今回パンプキンワームで稼いだからちょっと増えたよ。

この貯金箱利子は付かない様だ。
当たり前か。
でも今度どんな物が買えるか試してみないとね。
アヤカゼのアイテムボックスはどんなんかなあ?。


やらかした。
夕方一階の食堂の角で晩御飯を食べ終わって、思わずアイスクリームを取り出して食べていたのを、給仕のお姉さんに見つかってしまったのだ。
キョロキョロ「あのうそれは?」
はっ!、しまった。
「えっ、えっとまずいですかね?。持ち込みに成っちゃいますよね」
「いえ、それは宿では出せませんから別に良いのですが、・・・そのう・・・あのう・・・何でしょそれ?」
「・・・もしよろしければ、仕事が終わった後部屋に来て下されば、提供出来ますよ」とにっこり笑っておいた。

コンコン、コンコン。
「は~い。どうぞ開いてますよ」
予想外なのは二人だった事。
「お邪魔します。私カンナって言います。それで、すいません。ついて来ちゃって」
「ごめんなさい。私リースって言うの。カンナの後つけて来ちゃった。あの時離れた所で見てたから」
「どうぞ、お入り下さい。椅子が足りないので、お二人はベッドに腰かけて下さいね」

「こっこれは冷たいですね」
カンナさんの第一声。
「ヒャッ、あっ、でも美味しい」
リースさんの第一声。
「「こっこれ何ですかー」」
「あはは、私の固有スキルで出したデザートです」
・・・・・「「固有スキルう~!」」
「固有スキルって言うとあの勇者とか賢者が持ってるあれ?」
「カンナさん私は勇者でも賢者でも有りませんよ。それにデザートでは戦えませんから」
「でもこれ売ればえらい事に成りますよ」
「リースさんそれは無理です。何せ沢山は出せませんから」
嘘です。それでもう露店やってます。
でもアイスクリームは色々まずいです。

この後三人は何度か私の部屋でおやつタイムを満喫する事に成った。
シュークリームや大福にチョコレートにプリンとどれも大好評だった。

「スズカさんはいつまでこの町におられるんですか?」
リースさんに聞かれたが正直わからないので、「気の向くまま旅をしてるからねえ」そう簿化しておいた。
甘味は与え過ぎては駄目だな。
でも私は甘い、部屋を出る二人にチュールチョコ10個づつあげてしまう。



翌日は休んで町の散策や少しの買い物を楽しんだ。
エールの類いは酒場や屋敷に直卸しか。
ワインは瓶詰なら売ってた。
私はお酒は飲めなくは無いが、余り飲む機会が無かったと言うか、そんな場に出なかった。
蒸留酒は薄い琥珀かホワイトスピリッツみたいだ。
ウィスキーとかブランデーを聞いてみたら、そんな高級品は貴族相手にしか無いと言われた。
まあ泡盛とかウオッカみたいなのしか市場には無いらしい。
足の早い酒は直卸しって訳だ。


「自前のお酒露天で売っても大丈夫ですかね?」
「ワインとかエールそしてその他の醸造酒は法律で駄目だぞ。自分で飲むには構わないが。で、どんな酒だい」
乾物と焼酎を売ってた店の旦那に聞かれたので、VO(そんなに高く無いやつ)を1本ここの市場で買ったバッグから出した。まあ、正確にはスキルを使ってだけどね。「これです」
「うわっ、えらく高級品だなあ。違法じゃ無いけど買える客がいねえよ」
「銀貨1枚だけど高いかなあ」
「あっ!、お前さん大丈夫かそれ本来なら銀貨20枚から金貨1枚はするぞ」
実際は銀貨1枚で2本買える。
「そんなにしないよ、これ安酒だから」
「いや、紛い物のウィスキー売ったら捕まるぞ姉ちゃん」
「これブランデーだよ」
「原料ブドウかよ、それで銀貨1枚は尚更ネーよ」
「飲んでみます?」
「えっ、いいのか?」
「1本ぐらい構わないよ」
その場で小さなぐい呑みを出し試飲してもらった。
「確かにそれ程のブランデーじゃないし銀貨1枚が妥当かな。姉ちゃん他にも有るのか?」
店主は奥のテーブルを指差した。
にしても舌は確かな旦那の様だ。ブランデーが高くてもこの世界なら五千円が妥当だろう。私の世界観では高過ぎと思えるが。

「で、下と上はどんなのが有る?」
テーブルの側の椅子に腰掛け店主は聞いて来た。
私も椅子にかけて「下は・・・果実酒用しか無いです。上は私にはこの辺ですかね」私が出したのはヘネシーだった。てかそれしかブランデーは知らない。
「この4文字は何処の文字かな?」
「それは私の国の遥か先の国でブイエスオーピー(VSOP)って書いてあって、たいへん一つに片寄ったです」

『ちゃうわアホ!、大変透き通ったって意味じゃ』

ん、あの声だ。「あっ、間違えました。大変透き通ったです」
「磨かれた味って事か?」
「そっ、そうです。でも香りがよくマイルドでコクが有ります」
確か先輩がそう言ってたよね、うん。
「じゃあ洗練された味ってとこだな」
「試飲されます?」
「いや、流石にそれは」ゴクッ。
私は封を切り(ちゅうてもスクリューキャップやけど)先ほどのぐい呑みを水魔法で洗い、ヘネシー(べりーすぺしゃるわんぱたーん)を注いで店主の前に置いた。
「いいのか?」
「もう開けました」
「じゃ、遠慮しねえぞ」グビッ。
「ほわぁ、ええ香り。確かにマイルドでコクが有るな。これ金貨10枚はするな。露天で売ると後々貴族とかうるさいぞ、止めてVOちゅうのだけにしとけ」

「うんわかった。安いのだけにしとくよ。あとこれも売りたいんだけど」
私は梅酒を店主のぐい呑みに注いだ。
「・・・何だそれ」
「梅酒だよ」
「そうか梅酒か・・・いや、その入れ物だよ」
紙パックなのに気が付いた。
「あ~売る時は瓶にするよ」
「・・・・・そっ、そうか?」
店主はそれ以上詮索は止めた。
そして梅酒を飲んだ。
「旨い、甘い、別の意味で高い」
「銀貨1枚だよ」
「・・・まあ砂糖が高いからな」
お礼に店主にどのお酒でもお一つどうぞって言ったら、VSOPに行きかけた手の向きを梅酒に変えた。
「怖くてべりーすぺしゃるわんぱたーんは無理だ。なら不思議な味のこの酒がいい」
「じゃあこれも、開けちゃったし」
そう言ってVOもあげた。
この日はそれを酒屋に置いて宿へ帰って明日の売り物を考えるのだった。



どれでも銀貨1枚。
そんな看板を(黒板)出して露店の開始だ。
実際に宿代1日分(五千円くらい)なのでそんなには売れない。
元々宿代が欲しくて始めた店だもの。
この世界でそれだけ価値の有るものを売らないと申し訳ない。
ただし利益は出す。


ステンレス包丁(別名ぼったくり包丁)。
髪留め(別名ぼったくり留め)数個入り。
その他色々(ぼったくりアラカルト)。
そして今日初登場の(ぼったくりドワーフ殺し)酒類。
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