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港の見える丘にて。
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牢宿生活二日目は、違う兵士さんに連れられて町を散策している。
警護には昨日と同じ3人。
どうやら上官さんの護衛では無かった様だ。
今日は市場で色々な店を連れ回された。
銀貨は日本円の千円くらいで、銅貨が百円その下は青銅貨幣そしてその下が鉄貨幣。
鉄貨幣はおよそ賤貨と呼ばれる物で、丸くは無く四角く小さい貨幣だった。
この日はまた転んでしまった。
本当に困った足だ。
ただ収穫だったのは不思議に言語習得が進んだ事だろう。
挨拶程度なら出来る様に成った。
それに数も解ったし、単位も1万迄解った。
そしてこの町が港町だと言う事も解った。
港迄は距離が少し有るが、広い道も整備されていて、港の見える丘から見る港は大きい。
もしかしたらこの国屈指の港町かも。
港迄は連れて行ってはくれなかったが、それなりに町は堪能出来た。
そして今日も牢宿へ帰る。
犯罪は少ない町なのか、牢屋に他の人は居ない。
そして今日は足首に湿布は無く、幸いにも捻挫は軽かったので助かったと思う。
翌朝少し足首に痛みは残っていた。
昨日は朝に痛みは無かったのにな。
湿布の影響かな?。
今日は馬車で港まで連れて行ってくれたよ。
昨日と同じ兵士さんに護衛は2人に成ったけど。
多分護衛は僕が迷子に成らない様にと思う。
護衛が減ったのは僕がそんなに動き回る子では無いと思われたからかな。
うん潮の香りだ。
独特の泥の匂い。
潮が退いた後のバクテリアによるもの。
それは干潟の匂い。
掘ればゴカイやアサリそれにマテ貝良ければ海老が採れる。
アサリの貝汁(潮汁)は旨いよね。
港に着いてからは馬車をロータリーの有る駅に繋いでから降りて歩いた。
駅にはそれらを管理する人がいて料金を徴収している。
市場で魚や海老それに烏賊などを見ていたら足首の痛みを忘れていた。
東屋の様な建物が並んでいる。
どうやら側の屋台で買った物を食べる所らしい。
僕達はそこで昼食をとった。
タイ米の様な米と魚介類との混ぜご飯は本当に美味しかったよ。
そして船を見たり高台で入り江の全貌を眺めて駅に向かう。
その間僕は何故か言葉がかなり喋れる様に成っていて、兵士さんも護衛さんもそして僕すら驚いている。
そんな時事件は起こった!!。
突如僕らは何者かに唐辛子の入った様な目潰しを投げられ、煙幕弾みたいなのも辺りに投げられた。
辺りに悲鳴が聞こえる。
子供の「助けてー」って声もする。
そして僕は突如口を塞がれ目隠しをされたと思ったら、頭を殴られ身体を誰かに担がれて連れ去られてしまう途中で気を失った。
今度こそ本当に知らない天井だ。
頭が少し痛くボヤ~とする。
気持ち足首も痛い。
そう言えば口を塞がれた時また足首を捻ったね。
回りから子供の泣く声がしている。
上半身を起こして見渡すと、薄明かりの中に8人くらいの子供がいた。
身体が少しふらつく。
頭を殴られたせいかも。
いやこれは床が揺れている。
波の音も微かにする。
「船の中か・・・」僕は1人呟いた。
よ~く目を凝らすと4人程大人の男がいる。
普通に考えたら人攫い達の仲間だろう。
どうやら扉の有る前後で2人ずつ見張っている様だ。
逃げられそうも無い。
どうしようかと考えていたら少し何かに当たる様な振動が有り、暫くすると片方の戸が開いた。
5人くらいの厳つい男達がぞろぞろ入って来たかと思うと、「島に着いたから全員降りろ」と剣で威嚇して来る。
子供達と僕は剣でつつかれそうに成りながら無理矢理船から降ろされた。
降ろされた側から全員縄で手を縛られ繋がれてしまった。
辺りは夕闇に包まれつつ有る時刻。
襲われたのは昼過ぎなので、地球的に考えたら五・六時間は船に乗っていた事に成る。
帆船だったので40キロ進めば良い方かも。
海上を20~40㎞と考えると逃げるのは困難だ。
でも縄で縛ると言う事は、そこそこに大きさの有る島だろう。
宮島くらいかはたまた大島くらいか?。
周防大島くらい有れば隠れられるが、宮島くらいだと1日2日で見つかってしまう。
異世界モノならば魔法が使えないか?。
・・・僕のスキルは魔法属性不明だよなあ。
夜は黒パンと海草の貝汁が出された。
これは助かる。
人は海草を食えば死なないとまで言われる程にミネラルやビタミンが採れるからだ。
ただやはり縄で手を縛られたままは流石に食べ難かった。
用足しは壁際に囲いが有ってそこが厠に成っている。
それ以外は何も無いが、夜の気温がそれ程低く無くて助かった。
夜、目を閉じて考える。
縄をどうにか出来ないか。
魔法がもしも使えたなら・・・火、駄目だ縄を切るのに火傷をする。
風・・・もし手首を切ったらヤバい。
縄を解く魔法なんて有るか?。
腐らす・・・時間が、怪力に成る・・・手がもげそう。
はっ、魔法が使えるかどうかすら解らんのに何考えてんだろ。
何か噛み切れる獣を召喚出来ないかかな。
「ふふふ・・・召喚ってな。あはは」
「チュウ、チュウチュウ」
「何だ鼠か」
カリカリ、カリカリカリ。
!?。
「へっ」
何とその鼠は僕の縄を噛って切ってしまった。
「あの、鼠君皆のも頼めるかな」
「チュウチュウ」
驚く事に鼠君は皆の縄を噛り切ってしまった。
この間に流石に皆も起きた様だ。
さてさて、この掘っ立て小屋の中には監視は居ないが、おそらくあの戸の向こうには居るだろう。
「鼠君壁噛って逃げる穴作れる?」
「チュウ~」
コクりと頷いた。
この鼠賢いなあ。
「お願い」
そう言うと鼠君は木で出来た壁を噛っていく。
速い。
一時間もしたら子供が1人づつ出られる穴が完成した。
鼠君を懐に忍ばせ僕らは小屋を脱出した。
先ずは静かに林の中を行く。
月が明るくて助かる。
海岸線に出た。歩ける道を探しながら進んで隠れられる所を探すが・・・。
狭い。
余りにも小さい。
宮島なんかより余程小さい。
隠れる余地も無かった。
更に間が悪く暗い岩場で僕はまたしても足を挫いた。
「くそっ!」
僕は吐き捨てるように言った。
そして松明の灯が近づいて来る。
「南無三、畜生US-2でも有ったらなあ~」
『US-2を召喚しますか?』
「はあ?」
『US-2を召喚しますか?』
「・・・召喚し・ま・す」
ザッバ~ン!。
「!!・・・アハッアハハUS-2だ本当にUS-2が出たよ」
でもどうやって乗るのさ。
『ご主人様を含めて九名様ご搭乗になられますか?』
「あっ、なられます。はい、なられます」
『九名様ご搭乗~』
フォ~ン。
「「「「「「「「「えっ、ええええー!!」」」」」」」」」
『格納庫に九名様ご搭乗に成られました。自動航行で元の港に帰る事が出来ます。自動航行されますか』
『されます。はいさらさせて頂きます』
無茶苦茶な日本語だが通じた様だ。
グオン、ブロロロン、ブオーオーン。
「「「「「「「「「おわわわっ」」」」」」」」」
グオオオ~ン、ギュ~ン。
「早、離水早!」
松明の灯が揺れて何やら騒いでいるのが眼下に見えた。
「ん、帆船だ。・・・ねえUS-2さん海水を汲んであの帆船沈められる」
『御意。ご主人様私目をこれからはUちゃんとお呼びください。よろしいでしょうか』
「えっと・・・Uちゃん、あの船沈めちゃって」
『皆様格納庫より搭乗席側にお移り下さいませ。只今より着水してこの格納庫を海水で満たします』
僕達があわてて搭乗席側に移ると、下の扉が閉まる音がした。
「「「「「「「「「おっおおお」」」」」」」」」
ゆっくりと下降して格納庫を開けながら、ザブンと着水したUちゃんは満水になると格納庫を閉めて、再び離水を始める。
うん、さっきより時間がかかった。
そりゃそうだ、15トンもの海水をお腹に詰め込んだのだから。
15トンの海水を3回もお見舞いされた帆船は大型と言えど、まさに海の藻屑と消えた。
元居た町の浜にUちゃんは送ってくれる。
人気の無い砂浜には着水から車輪を出しそのまま乗り上げた。
そして僕達は砂浜に足を着けた。
あれ、足が痛く無い・・・?。
『ご主人様送還とお唱え下されば、ご主人様の亜空間ボックスに収納されますよ。そして再度召喚とお唱え下されば出て参ります。陸地でも滑走路が有れば召喚可能です』
「解った。Uちゃん有り難う。送還」
そうして僕達は町の兵舎に夜中に駆け込んだ。
翌日人攫いらは全員捕縛され、自白により組織も壊滅に追い込まれた。
島の位置はUちゃんの海図を僕が記憶していたからすぐに海兵隊が向かったよ。
ざまあ見ソラシド!。
足首の痛みはUちゃん召喚時に無くなったので、鼠君と同じで魔法やスキルを使うと治るみたいだ。
そうそう鼠君の名前も考えないとね。
警護には昨日と同じ3人。
どうやら上官さんの護衛では無かった様だ。
今日は市場で色々な店を連れ回された。
銀貨は日本円の千円くらいで、銅貨が百円その下は青銅貨幣そしてその下が鉄貨幣。
鉄貨幣はおよそ賤貨と呼ばれる物で、丸くは無く四角く小さい貨幣だった。
この日はまた転んでしまった。
本当に困った足だ。
ただ収穫だったのは不思議に言語習得が進んだ事だろう。
挨拶程度なら出来る様に成った。
それに数も解ったし、単位も1万迄解った。
そしてこの町が港町だと言う事も解った。
港迄は距離が少し有るが、広い道も整備されていて、港の見える丘から見る港は大きい。
もしかしたらこの国屈指の港町かも。
港迄は連れて行ってはくれなかったが、それなりに町は堪能出来た。
そして今日も牢宿へ帰る。
犯罪は少ない町なのか、牢屋に他の人は居ない。
そして今日は足首に湿布は無く、幸いにも捻挫は軽かったので助かったと思う。
翌朝少し足首に痛みは残っていた。
昨日は朝に痛みは無かったのにな。
湿布の影響かな?。
今日は馬車で港まで連れて行ってくれたよ。
昨日と同じ兵士さんに護衛は2人に成ったけど。
多分護衛は僕が迷子に成らない様にと思う。
護衛が減ったのは僕がそんなに動き回る子では無いと思われたからかな。
うん潮の香りだ。
独特の泥の匂い。
潮が退いた後のバクテリアによるもの。
それは干潟の匂い。
掘ればゴカイやアサリそれにマテ貝良ければ海老が採れる。
アサリの貝汁(潮汁)は旨いよね。
港に着いてからは馬車をロータリーの有る駅に繋いでから降りて歩いた。
駅にはそれらを管理する人がいて料金を徴収している。
市場で魚や海老それに烏賊などを見ていたら足首の痛みを忘れていた。
東屋の様な建物が並んでいる。
どうやら側の屋台で買った物を食べる所らしい。
僕達はそこで昼食をとった。
タイ米の様な米と魚介類との混ぜご飯は本当に美味しかったよ。
そして船を見たり高台で入り江の全貌を眺めて駅に向かう。
その間僕は何故か言葉がかなり喋れる様に成っていて、兵士さんも護衛さんもそして僕すら驚いている。
そんな時事件は起こった!!。
突如僕らは何者かに唐辛子の入った様な目潰しを投げられ、煙幕弾みたいなのも辺りに投げられた。
辺りに悲鳴が聞こえる。
子供の「助けてー」って声もする。
そして僕は突如口を塞がれ目隠しをされたと思ったら、頭を殴られ身体を誰かに担がれて連れ去られてしまう途中で気を失った。
今度こそ本当に知らない天井だ。
頭が少し痛くボヤ~とする。
気持ち足首も痛い。
そう言えば口を塞がれた時また足首を捻ったね。
回りから子供の泣く声がしている。
上半身を起こして見渡すと、薄明かりの中に8人くらいの子供がいた。
身体が少しふらつく。
頭を殴られたせいかも。
いやこれは床が揺れている。
波の音も微かにする。
「船の中か・・・」僕は1人呟いた。
よ~く目を凝らすと4人程大人の男がいる。
普通に考えたら人攫い達の仲間だろう。
どうやら扉の有る前後で2人ずつ見張っている様だ。
逃げられそうも無い。
どうしようかと考えていたら少し何かに当たる様な振動が有り、暫くすると片方の戸が開いた。
5人くらいの厳つい男達がぞろぞろ入って来たかと思うと、「島に着いたから全員降りろ」と剣で威嚇して来る。
子供達と僕は剣でつつかれそうに成りながら無理矢理船から降ろされた。
降ろされた側から全員縄で手を縛られ繋がれてしまった。
辺りは夕闇に包まれつつ有る時刻。
襲われたのは昼過ぎなので、地球的に考えたら五・六時間は船に乗っていた事に成る。
帆船だったので40キロ進めば良い方かも。
海上を20~40㎞と考えると逃げるのは困難だ。
でも縄で縛ると言う事は、そこそこに大きさの有る島だろう。
宮島くらいかはたまた大島くらいか?。
周防大島くらい有れば隠れられるが、宮島くらいだと1日2日で見つかってしまう。
異世界モノならば魔法が使えないか?。
・・・僕のスキルは魔法属性不明だよなあ。
夜は黒パンと海草の貝汁が出された。
これは助かる。
人は海草を食えば死なないとまで言われる程にミネラルやビタミンが採れるからだ。
ただやはり縄で手を縛られたままは流石に食べ難かった。
用足しは壁際に囲いが有ってそこが厠に成っている。
それ以外は何も無いが、夜の気温がそれ程低く無くて助かった。
夜、目を閉じて考える。
縄をどうにか出来ないか。
魔法がもしも使えたなら・・・火、駄目だ縄を切るのに火傷をする。
風・・・もし手首を切ったらヤバい。
縄を解く魔法なんて有るか?。
腐らす・・・時間が、怪力に成る・・・手がもげそう。
はっ、魔法が使えるかどうかすら解らんのに何考えてんだろ。
何か噛み切れる獣を召喚出来ないかかな。
「ふふふ・・・召喚ってな。あはは」
「チュウ、チュウチュウ」
「何だ鼠か」
カリカリ、カリカリカリ。
!?。
「へっ」
何とその鼠は僕の縄を噛って切ってしまった。
「あの、鼠君皆のも頼めるかな」
「チュウチュウ」
驚く事に鼠君は皆の縄を噛り切ってしまった。
この間に流石に皆も起きた様だ。
さてさて、この掘っ立て小屋の中には監視は居ないが、おそらくあの戸の向こうには居るだろう。
「鼠君壁噛って逃げる穴作れる?」
「チュウ~」
コクりと頷いた。
この鼠賢いなあ。
「お願い」
そう言うと鼠君は木で出来た壁を噛っていく。
速い。
一時間もしたら子供が1人づつ出られる穴が完成した。
鼠君を懐に忍ばせ僕らは小屋を脱出した。
先ずは静かに林の中を行く。
月が明るくて助かる。
海岸線に出た。歩ける道を探しながら進んで隠れられる所を探すが・・・。
狭い。
余りにも小さい。
宮島なんかより余程小さい。
隠れる余地も無かった。
更に間が悪く暗い岩場で僕はまたしても足を挫いた。
「くそっ!」
僕は吐き捨てるように言った。
そして松明の灯が近づいて来る。
「南無三、畜生US-2でも有ったらなあ~」
『US-2を召喚しますか?』
「はあ?」
『US-2を召喚しますか?』
「・・・召喚し・ま・す」
ザッバ~ン!。
「!!・・・アハッアハハUS-2だ本当にUS-2が出たよ」
でもどうやって乗るのさ。
『ご主人様を含めて九名様ご搭乗になられますか?』
「あっ、なられます。はい、なられます」
『九名様ご搭乗~』
フォ~ン。
「「「「「「「「「えっ、ええええー!!」」」」」」」」」
『格納庫に九名様ご搭乗に成られました。自動航行で元の港に帰る事が出来ます。自動航行されますか』
『されます。はいさらさせて頂きます』
無茶苦茶な日本語だが通じた様だ。
グオン、ブロロロン、ブオーオーン。
「「「「「「「「「おわわわっ」」」」」」」」」
グオオオ~ン、ギュ~ン。
「早、離水早!」
松明の灯が揺れて何やら騒いでいるのが眼下に見えた。
「ん、帆船だ。・・・ねえUS-2さん海水を汲んであの帆船沈められる」
『御意。ご主人様私目をこれからはUちゃんとお呼びください。よろしいでしょうか』
「えっと・・・Uちゃん、あの船沈めちゃって」
『皆様格納庫より搭乗席側にお移り下さいませ。只今より着水してこの格納庫を海水で満たします』
僕達があわてて搭乗席側に移ると、下の扉が閉まる音がした。
「「「「「「「「「おっおおお」」」」」」」」」
ゆっくりと下降して格納庫を開けながら、ザブンと着水したUちゃんは満水になると格納庫を閉めて、再び離水を始める。
うん、さっきより時間がかかった。
そりゃそうだ、15トンもの海水をお腹に詰め込んだのだから。
15トンの海水を3回もお見舞いされた帆船は大型と言えど、まさに海の藻屑と消えた。
元居た町の浜にUちゃんは送ってくれる。
人気の無い砂浜には着水から車輪を出しそのまま乗り上げた。
そして僕達は砂浜に足を着けた。
あれ、足が痛く無い・・・?。
『ご主人様送還とお唱え下されば、ご主人様の亜空間ボックスに収納されますよ。そして再度召喚とお唱え下されば出て参ります。陸地でも滑走路が有れば召喚可能です』
「解った。Uちゃん有り難う。送還」
そうして僕達は町の兵舎に夜中に駆け込んだ。
翌日人攫いらは全員捕縛され、自白により組織も壊滅に追い込まれた。
島の位置はUちゃんの海図を僕が記憶していたからすぐに海兵隊が向かったよ。
ざまあ見ソラシド!。
足首の痛みはUちゃん召喚時に無くなったので、鼠君と同じで魔法やスキルを使うと治るみたいだ。
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