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いいえ僕はカムトゲ座の男。
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捕まっていた子供達には次々と親御さんが訪れて帰って行きます。
もちろんそれはあの人攫いが捕まる前のことです。
洗濯物のはためく音、実に穏やかな良い町です。
そんな町でもこんな事が起こる世界なのですよ。
いそいそと帰って行く親子連れ、何故か僕の頬から雫が落ちます。
死んだと解っても親に会いたく成ったのだと実感します。
そうです僕は死んだのです。
先ずは間違い有りません。
この日以来港には数日間行かせて貰えませんでした。
だから人魚のあの娘にも会えません。
(いやいませんけどね人魚なんて)
まあメイドはこの世界にもいますが。
僕はまた牢宿に戻ります。
と、思いきや・・・。
「この方は私の知り合いの貴族だ」
「キ・ゾ・ク」
「そうだ、貴族・・・解るか」
「男爵芋とか侯爵とか・・・」
「男爵芋が何か知らないが、私はいちおう子爵位を授かっている。まあ中位でそんなに偉くは無いから楽にしてくれ」
「実は私の家は狭くて家族も五人いるので、泊める部屋が無くてな・・・その牢屋に泊まって貰ってた訳で」
「だからね彼女の頼みで今日からはうちに泊まって貰う事に成ったよ。彼女は冒険者時代の私の命の恩人なのさ」
「こいつ・・・とっ、モルトパーク様は良い貴族だ。安心してくれ」
「こいつって言われるくらいマーサとは気心の知れた仲だからね。安心して」
「まっマーサさん今までアリガトウゴザイマシタ。他の兵士さんの方々にも御礼をお伝え下さい」
一寸辿々しいお礼を述た後に早速子爵邸ヘ連れていかれた。
後で何とかお礼をしなくては。
無言で畏まったまま僕は馬車に揺られた。
「おっきなお家・・・」
「ははは、近隣の町では一番小さいのだけどね。隣のスーホ男爵邸より小さいからね」
子爵様はどうやら余り裕福では無いらしい。
この町の領主はボルドール侯爵と言う方で、ここより北へ2日半歩いた領都にお住まいの様だ。
モルトパーク子爵はその依子でこの町の代官を務めている。
つまりボルドール侯爵の代わりに、港町やその周辺を束ねて、海産物・農産物・工業品そして税の諸々や揉め事の仲裁とか、住民登録等を管理している訳だ。
何故に余り裕福では無いか解る気がする。
それは町がしっかり守られているから。
孤児院もちゃんとしている事が何となく外から見て判る。
道も整備されているし、インフラもこの手の世界ではしっかりしている。
裕福では無いと言うより適正にお金を使っていると思える。
子爵邸に着いて中に入っても華美では無いが、造りはしっかりしている。
質素では有るがある程度良質な家材品。
布地から木地迄しっかりしている。
そこはやはり平民とは違うが、豪商の様な贅沢はしていない。
子爵様は王都には行かない貴族らしい。
そう言うのは侯爵様がなさる様だ。
なのでスーホ男爵は王都のパーティーには参加するが、モルトパーク子爵は領都のパーティーにしか参加しないそうだ。
「マーサは今回の拐われた子供達の救出を随分褒めていたよ。それで孤児院の空きを待つよりはうちに預けて教育を受けさせた方が良いと成った訳だ」
「畏れ入ります」
「言葉は未だ辿々しいけど君は随分頭が良いね。話す事が出来なかったらしいけど覚えが早いとマーサが言ってたよ」
「どっどうもキョ、キョウシュクです」
「うん、ゆっくり勉強しようね。昔うちの家庭教師に来てくれてた人を呼んだから。そう言えばどうやってあの子達救出したの?。何でも凄い魔法を使ったて聞いたけど」
「あっあれはショウカンマホウです」
「召喚魔法か・・・凄いね余り使える人はいないね。何を召喚したの?」
「ヒコウテイ」
「ひ・こ・う・て・い?・・・?」
「空飛ぶ船です」
「空を飛ぶ船・・・?。何それ鳥の魔獣じゃなくてゴーレムなの」
「ゴーレムですね」
「その・・・見せては・・・」
「大きいので広い所で誰もいない所なら」
「じゃあ今度楽しみにしてるね」
「はい」
翌々日マーサさんとモルトパーク子爵様と僕は馬車で人気の無い浜に来ている。
その浜の端の平たい岩場付近にユウちゃんを召喚した。
「凄いなこれは」
「大きい鳥さんて子供達が言ってたけど、鳥じゃ勿論無いわね」
「これが飛行艇です。まあ魔道具みたいなゴーレムですね」
「「ヘえ~」」
ハイ、(ヘえ~)二つ頂きました。
「ユウちゃんタラップお願い」
そう言うとドアが開いてタラップが岩場に出てきた。
「主様その御二人に搭乗許可を出しますか」
「えっ、子供達は要らなかったけど?」
「前回は非常事態と判断しました」
「そうなんだ有り難う。じゃ、搭乗許可をお願い」
「許可しました」
「もう乗れる様なのでタラップを登って下さい」
「意外に狭いな」
「子供達が鳥さんのお腹は狭かったって言ってたわ」
「搭乗可能人数は36名位だと思います。後は燃料が魔力で供給されるので4700kmより長く飛べる様です。その事も有って海水や淡水も15トン積めて消火活動も出来ますし、魔力水で石鹸の泡消火剤も生成されます」
「「・・・少し意味がわからん」キロメ・・・?」
「これで誘拐犯の船を沈めたって聞いたけど」
「この機体自体には攻撃機能は有りませんが、消火用の海水を三度散水して沈めました。水圧で壊れた感じですね」
「戦には使え無いのだな」
「そうですね。水をかけられる程度なので」
『主様いちおう機銃が付いてます』
・・・今のは聞かなかった事にしよう。
そう言えば自衛隊機だった。
「この子は海上救難と山火事等の消火に特化した乗り物ですから、戦には向きません」
水を低空で撒けば一寸した効果は有るし、何より機銃が有っても戦争に使われたら僕が嫌だ。
人なんて殺したく無い。
その後は少し飛行したり、実際に散水して見せた。
「マリフこれは困った時に頼んでも良いか」
「そうですね、人命救助を目的とした魔道具なので、人目に付くのは仕方無いと思います」
「各ギルドから要請が有ると思うが大丈夫か」
「悪用さえなければ」
「それはこのモルトパークの名にかけて阻止、そしてそれを望んだ者は罰しよう」
「有り難う御座います」
「「お前随分会話が流暢に成って来たな」」
「そっそう言えば・・・」
何でだろう・・・あっあれかな挫きスキル。
痛みが無くなった時に願が叶ってるし。
神様願わくば痛くないスキルが欲しかった。
もちろんそれはあの人攫いが捕まる前のことです。
洗濯物のはためく音、実に穏やかな良い町です。
そんな町でもこんな事が起こる世界なのですよ。
いそいそと帰って行く親子連れ、何故か僕の頬から雫が落ちます。
死んだと解っても親に会いたく成ったのだと実感します。
そうです僕は死んだのです。
先ずは間違い有りません。
この日以来港には数日間行かせて貰えませんでした。
だから人魚のあの娘にも会えません。
(いやいませんけどね人魚なんて)
まあメイドはこの世界にもいますが。
僕はまた牢宿に戻ります。
と、思いきや・・・。
「この方は私の知り合いの貴族だ」
「キ・ゾ・ク」
「そうだ、貴族・・・解るか」
「男爵芋とか侯爵とか・・・」
「男爵芋が何か知らないが、私はいちおう子爵位を授かっている。まあ中位でそんなに偉くは無いから楽にしてくれ」
「実は私の家は狭くて家族も五人いるので、泊める部屋が無くてな・・・その牢屋に泊まって貰ってた訳で」
「だからね彼女の頼みで今日からはうちに泊まって貰う事に成ったよ。彼女は冒険者時代の私の命の恩人なのさ」
「こいつ・・・とっ、モルトパーク様は良い貴族だ。安心してくれ」
「こいつって言われるくらいマーサとは気心の知れた仲だからね。安心して」
「まっマーサさん今までアリガトウゴザイマシタ。他の兵士さんの方々にも御礼をお伝え下さい」
一寸辿々しいお礼を述た後に早速子爵邸ヘ連れていかれた。
後で何とかお礼をしなくては。
無言で畏まったまま僕は馬車に揺られた。
「おっきなお家・・・」
「ははは、近隣の町では一番小さいのだけどね。隣のスーホ男爵邸より小さいからね」
子爵様はどうやら余り裕福では無いらしい。
この町の領主はボルドール侯爵と言う方で、ここより北へ2日半歩いた領都にお住まいの様だ。
モルトパーク子爵はその依子でこの町の代官を務めている。
つまりボルドール侯爵の代わりに、港町やその周辺を束ねて、海産物・農産物・工業品そして税の諸々や揉め事の仲裁とか、住民登録等を管理している訳だ。
何故に余り裕福では無いか解る気がする。
それは町がしっかり守られているから。
孤児院もちゃんとしている事が何となく外から見て判る。
道も整備されているし、インフラもこの手の世界ではしっかりしている。
裕福では無いと言うより適正にお金を使っていると思える。
子爵邸に着いて中に入っても華美では無いが、造りはしっかりしている。
質素では有るがある程度良質な家材品。
布地から木地迄しっかりしている。
そこはやはり平民とは違うが、豪商の様な贅沢はしていない。
子爵様は王都には行かない貴族らしい。
そう言うのは侯爵様がなさる様だ。
なのでスーホ男爵は王都のパーティーには参加するが、モルトパーク子爵は領都のパーティーにしか参加しないそうだ。
「マーサは今回の拐われた子供達の救出を随分褒めていたよ。それで孤児院の空きを待つよりはうちに預けて教育を受けさせた方が良いと成った訳だ」
「畏れ入ります」
「言葉は未だ辿々しいけど君は随分頭が良いね。話す事が出来なかったらしいけど覚えが早いとマーサが言ってたよ」
「どっどうもキョ、キョウシュクです」
「うん、ゆっくり勉強しようね。昔うちの家庭教師に来てくれてた人を呼んだから。そう言えばどうやってあの子達救出したの?。何でも凄い魔法を使ったて聞いたけど」
「あっあれはショウカンマホウです」
「召喚魔法か・・・凄いね余り使える人はいないね。何を召喚したの?」
「ヒコウテイ」
「ひ・こ・う・て・い?・・・?」
「空飛ぶ船です」
「空を飛ぶ船・・・?。何それ鳥の魔獣じゃなくてゴーレムなの」
「ゴーレムですね」
「その・・・見せては・・・」
「大きいので広い所で誰もいない所なら」
「じゃあ今度楽しみにしてるね」
「はい」
翌々日マーサさんとモルトパーク子爵様と僕は馬車で人気の無い浜に来ている。
その浜の端の平たい岩場付近にユウちゃんを召喚した。
「凄いなこれは」
「大きい鳥さんて子供達が言ってたけど、鳥じゃ勿論無いわね」
「これが飛行艇です。まあ魔道具みたいなゴーレムですね」
「「ヘえ~」」
ハイ、(ヘえ~)二つ頂きました。
「ユウちゃんタラップお願い」
そう言うとドアが開いてタラップが岩場に出てきた。
「主様その御二人に搭乗許可を出しますか」
「えっ、子供達は要らなかったけど?」
「前回は非常事態と判断しました」
「そうなんだ有り難う。じゃ、搭乗許可をお願い」
「許可しました」
「もう乗れる様なのでタラップを登って下さい」
「意外に狭いな」
「子供達が鳥さんのお腹は狭かったって言ってたわ」
「搭乗可能人数は36名位だと思います。後は燃料が魔力で供給されるので4700kmより長く飛べる様です。その事も有って海水や淡水も15トン積めて消火活動も出来ますし、魔力水で石鹸の泡消火剤も生成されます」
「「・・・少し意味がわからん」キロメ・・・?」
「これで誘拐犯の船を沈めたって聞いたけど」
「この機体自体には攻撃機能は有りませんが、消火用の海水を三度散水して沈めました。水圧で壊れた感じですね」
「戦には使え無いのだな」
「そうですね。水をかけられる程度なので」
『主様いちおう機銃が付いてます』
・・・今のは聞かなかった事にしよう。
そう言えば自衛隊機だった。
「この子は海上救難と山火事等の消火に特化した乗り物ですから、戦には向きません」
水を低空で撒けば一寸した効果は有るし、何より機銃が有っても戦争に使われたら僕が嫌だ。
人なんて殺したく無い。
その後は少し飛行したり、実際に散水して見せた。
「マリフこれは困った時に頼んでも良いか」
「そうですね、人命救助を目的とした魔道具なので、人目に付くのは仕方無いと思います」
「各ギルドから要請が有ると思うが大丈夫か」
「悪用さえなければ」
「それはこのモルトパークの名にかけて阻止、そしてそれを望んだ者は罰しよう」
「有り難う御座います」
「「お前随分会話が流暢に成って来たな」」
「そっそう言えば・・・」
何でだろう・・・あっあれかな挫きスキル。
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神様願わくば痛くないスキルが欲しかった。
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