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15皿目 死神の恐怖に立ち向かう少女達。
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アンデットの上位種である死神。この魔物の持つ鎌は物質をすり抜け、対象の体から魂を刈り取り餌とする。一度刃に触れれば、魂を引き釣り出すまで刃は体から離れない。
死神に魂を食われたら最後、他の餌を手に入れるために生前の負の感情や記憶を使われる続け消費される。
「あ、主さま…いや、いやぁぁぁ!!」
「あ、あぁ…」
二人の少女が絶望に涙を流した。死神の鎌に貫かれたイエローは力なくその場に倒れた。死神はイエローの体から抜き出した魂を鎌から引き抜き口にした。
「…ずいぶんと薄い魂だなぁ…まぁいい。魂などいくらでもある…」
死神がイエローの魂を口にして腑に落ちない様子だったが、すぐに鎌を持ち直し二人の少女の魂を狩るため歩み寄る。
「そんな、嫌です…主様が死ぬなんて嫌です、嫌だぁ、主様!!」
ランプの中で一人長くいたリーンは死神について知識はなかった。だが、祠にたどりつく前にイエローから聞かされていた。
世間では死神に殺されるくらいなら魔物に食い殺されるか、自ら命を絶った方がマシだと言葉があった。死神に食われた魂は死神の餌の確保や栄養分として消化され消滅するまで、言葉では表せきれない苦痛を与えられるためだった。
「いやだぁ、いやだぁ…また、私、一人なんていやですぅ..」
長く孤独と誰かに理不尽に使役される恐怖から解放してくれた恩人の死に、泣き止まなイース。
「死んだ…ムラサキのせいで、あいつ、死んだ…?」
死神から距離が離れたおかげか、ムラサキは正気に戻っていた。
倒れて動かないイエロー。なぜかムラサキの頬から涙が浮かび、頭の中にカレーをくれたイエローの笑顔が浮かぶ。
「さぁ、ムラサキ…そこの小娘と一緒にこっちにおいでぇ…バァバとずっっと一緒になろう」
死神が取り込んだバァバの記憶を使いムラサキにやさしく声をかける。
一瞬、ムラサキはバァバに手を伸ばしかけたが死神の後ろで動かなくなったイエローが見えて死神をにらんだ。
「おまぇ、バァバじゃなぃ!!」
「何をいっているだぃ? 私はお前を赤ん坊のころから育てた親…」
「うるさぃ!! 優しかったバァバはこんなひどいことしない!! バァバは誰にでも優しかった、けど。おまえは違う!! あいつを殺した!! カレーをムラサキにくれた、あいつを殺した!!」
ムラサキが拒絶して、隣に座りこんでいたイースが死神を睨んだ。
「そうよぉ!! 主様を殺したあなたを絶対に許さない!! 」
二人の少女が互いに手を取り合い死神から一歩も引かなかった。
「何故だぁ…? 何故おまえたちは意識を保てる…? いままで、来た者は全て言うことを聞いて魂を差し出したはずなのぃ…」
死神は戸惑っていた。今まで狙ってきた獲物は全て負の感情の前で正気を失い無抵抗のまま食らってきたはずだった。死神は痺れを切らして早く魂を食らうために鎌を振り上げる。
「もういい…お前らの魂をくらうて…」
「その二人がお前の誘惑に乗らないのは当然よ…だって、私のカレーを食べたんだから」
死神の疑問に誰かが答え、次の瞬間。轟音と強烈な光が死神の背中を襲った。
「ぐぎやぁぁぁ!! な、なに!? なぜ立っていられる!? 」
死神が倒れると、黄色いカプセルをかみ砕き全身に雷を纏わせたイエローが立っていた。
死神に魂を食われたら最後、他の餌を手に入れるために生前の負の感情や記憶を使われる続け消費される。
「あ、主さま…いや、いやぁぁぁ!!」
「あ、あぁ…」
二人の少女が絶望に涙を流した。死神の鎌に貫かれたイエローは力なくその場に倒れた。死神はイエローの体から抜き出した魂を鎌から引き抜き口にした。
「…ずいぶんと薄い魂だなぁ…まぁいい。魂などいくらでもある…」
死神がイエローの魂を口にして腑に落ちない様子だったが、すぐに鎌を持ち直し二人の少女の魂を狩るため歩み寄る。
「そんな、嫌です…主様が死ぬなんて嫌です、嫌だぁ、主様!!」
ランプの中で一人長くいたリーンは死神について知識はなかった。だが、祠にたどりつく前にイエローから聞かされていた。
世間では死神に殺されるくらいなら魔物に食い殺されるか、自ら命を絶った方がマシだと言葉があった。死神に食われた魂は死神の餌の確保や栄養分として消化され消滅するまで、言葉では表せきれない苦痛を与えられるためだった。
「いやだぁ、いやだぁ…また、私、一人なんていやですぅ..」
長く孤独と誰かに理不尽に使役される恐怖から解放してくれた恩人の死に、泣き止まなイース。
「死んだ…ムラサキのせいで、あいつ、死んだ…?」
死神から距離が離れたおかげか、ムラサキは正気に戻っていた。
倒れて動かないイエロー。なぜかムラサキの頬から涙が浮かび、頭の中にカレーをくれたイエローの笑顔が浮かぶ。
「さぁ、ムラサキ…そこの小娘と一緒にこっちにおいでぇ…バァバとずっっと一緒になろう」
死神が取り込んだバァバの記憶を使いムラサキにやさしく声をかける。
一瞬、ムラサキはバァバに手を伸ばしかけたが死神の後ろで動かなくなったイエローが見えて死神をにらんだ。
「おまぇ、バァバじゃなぃ!!」
「何をいっているだぃ? 私はお前を赤ん坊のころから育てた親…」
「うるさぃ!! 優しかったバァバはこんなひどいことしない!! バァバは誰にでも優しかった、けど。おまえは違う!! あいつを殺した!! カレーをムラサキにくれた、あいつを殺した!!」
ムラサキが拒絶して、隣に座りこんでいたイースが死神を睨んだ。
「そうよぉ!! 主様を殺したあなたを絶対に許さない!! 」
二人の少女が互いに手を取り合い死神から一歩も引かなかった。
「何故だぁ…? 何故おまえたちは意識を保てる…? いままで、来た者は全て言うことを聞いて魂を差し出したはずなのぃ…」
死神は戸惑っていた。今まで狙ってきた獲物は全て負の感情の前で正気を失い無抵抗のまま食らってきたはずだった。死神は痺れを切らして早く魂を食らうために鎌を振り上げる。
「もういい…お前らの魂をくらうて…」
「その二人がお前の誘惑に乗らないのは当然よ…だって、私のカレーを食べたんだから」
死神の疑問に誰かが答え、次の瞬間。轟音と強烈な光が死神の背中を襲った。
「ぐぎやぁぁぁ!! な、なに!? なぜ立っていられる!? 」
死神が倒れると、黄色いカプセルをかみ砕き全身に雷を纏わせたイエローが立っていた。
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