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4.食べられかけています
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「……駄目よぉ、妹ちゃん。そんなに簡単に気を緩めたりして。悪い悪魔に食われちゃうわよぉ」
その声は右の耳の横、頭上、正面の三ヶ所から聴こえてきた。
背中には固い壁の感触。
私は細い廊下の壁際に追い詰められていて、巨大な影が上から覗き込むように覆い被さっていた。セージャスさん(変身後)だ。いや、彼は元々この姿が本物で、命じられて人型を取っていただけなのだろう。
圧迫感がすごい。
彼は人としても長身で大柄だったけれど、今ではさらに三倍ぐらいの大きさに膨らんでいる。
「……ええと、悪い悪魔というのは、セージャスさんのことですか?」
悪い悪魔って、言葉がダブってない?
悪い悪い魔?
「うふふ、そうねぇ」
ケタケタ笑っている彼の顔はもはや人のものではなくて、黒い爬虫類めいた鱗に覆われた突起だ。頭と肩からは無数の蛇が伸びて、そのうち数本が脅かすように私の顔の周りでうねっていた。口髭はどうなったかというと、細長い二本の蛇になって左右で揺れている。
うーん、どうしてこうなった。
「セージャスさんに呼ばれたから、ここまで来たんですけど」
彼の後をついて、足を踏み入れたばかりの奥宮を出た。その瞬間、身を護る結界から外れたのが感じられたので、そっと掌に護身符を握り締めたけれど。
こんな風に脅されるとは思っていなかった。
いきなり命の危機だ。
(うーん、これ、お兄様の指示じゃないのでは)
「命を繋ぐだけのものはくれてやる」と言っていたお兄様が、わざわざこんな風に私を始末するとは思えない。
でも、死なない程度に甚振れとか、そんな指示は出ているのかもしれない。私はお兄様に嫌われていることだし。嫌われて……嫌われて……
うう。泣いてない!
私は息を吸い込んで、いざとなったら詠唱できるよう足を踏んばって意識を集中させた。
「私は十三の悪魔の一体でね、割と偉い悪魔なのよ。具体的に言うと、魔王を認定する権限を与えられているの」
「魔王を認定する権限? セージャスさんは、お兄様の配下なんですよね?」
「気まぐれで従ってあげているけどねぇ。あの子、実はまだ不完全な魔王なのよ」
彼の顔(突起)の下辺り、ニタリと黄色い口が亀裂のように開いた。
無数の蛇が、私に向けてくわっと口を開く。
「だから、妹ちゃん、食われて頂戴!」
鋭利な蛇の牙が、私の心臓目掛けて飛び掛かってくる。咄嗟に避けたものの、肩に掠った。掌に握り締めた身代わりの護身符が、パリンと音を立てて砕ける。
(ちょっと掠っただけで一回死んだ?!)
殺傷力が高すぎる。
頭を下げて次の攻撃を躱し、私は守護の呪文を全力で唱えながら駆け出した。パリン、パリン。護符が割れる音が連続する。
(この護符、高かったのに~!)
がむしゃらに張り巡らせた守護陣が、喰らいつこうとする蛇を弾く。ひたすら詠唱を重ねながら、本体の動きを見守った。私が小さくてちょこまか動くので、なかなか捉え切れないでいるようだ。しかし。
(う、痛……)
貧弱な右足首が、ズキリと痛みを訴えた。
本当にいまいましいのだけれど、女神様からのプレゼント(?)というやつだ。「病弱設定付きで、ちょっと足を引きずって歩くところなんか、庇護心を掻き立ててやまない感じで(女神様談)」……そんな思い付きのために、長くは歩けないし定期的に発熱する身体にされた私の身にもなって欲しい……女神様め!
「ぴぎゃっ」
足がもつれて、私はその場に転がった。
すぐに顔を上げて、しかしそこから動けないまま凍り付いて、私は近付いてくる黒い悪魔を見つめた。赤黒く光る両眼が、にやにやと笑み崩れている。たった一撃でも直撃すれば、私は死ぬだろう。つまり、ここで死ぬしかないということで──
「……お兄様!」
「そうそう、そうやって哀れっぽく呼びなさい。ふふ、それでこそ……っ」
カン! と金属音が響いて、セージャスの巨体が後ろに仰け反った。黒いマントがふわりと私の目の前に広がる。いや、マントだと思ったのは黒い蝙蝠めいた翼で、その翼を負っているのは……
「お兄様!」
「……何の真似だ、セージャス」
私をちらりとも見ず、地面に降り立ったお兄様が低い声音で問う。
翼こそ生えていたが、セージャスとは違って異形化していない。細身の人型のまま、翼だけが不釣り合いなほど大きかった。
「何って? 認定戦よぉ。この戦いに勝てば、魔王として認定を差し上げるわぁ」
「……なぜこの小娘を巻き込んだ? こんな脆弱な人間に何の用がある」
「まさか、あんな猿芝居でバレてないと思ってるの? 上手いこと突き放して誤魔化せたと思ってる? ダメダメよ、魔王様」
「……」
へたりこむ私の前で、戦闘が始まった。漆黒の翼、それと同じぐらいの大きさの黒い鎌が空を斬り、石壁を引き裂くように傷を走らせる。弾丸のように何かが飛び、弾かれ、あちこちで小爆発を起こした。セージャスは体格に見合わないほどに素早いが、お兄様も負けてはいない。並の魔道士であれば魔力切れを起こして数ヶ月は寝込みそうな規模の魔法が幾つも飛び交う。
でも。
すぐに分かった。お兄様はあくまで人間としての戦い方しかしていない。ただ魔力量が多くて、巨大な武器の扱いに長けた人間。それだけだ。
魔性と人間。根本の強さが異なる。
「相変わらずねぇ。なぜそこまで脆い人間としての殻にこだわるのかしら。魔の本性を表に顕したくない? そこまで弱体化してるのに? 理解できないわぁ」
「……」
「人の姿のままで魔を従えるなんて無理よぉ。そんなことを考えるから憎まれる。魔族の王として、悪魔の恥晒しとか呼ばれちゃうのよ。こんなのが魔王様だなんて、私も恥ずかしいわぁ」
お兄様は答えない。
パッと、目の前に黒い布のようなものが散った。布?
お兄様の打ち破られた翼の破片だ。ぼろぼろに傷付いて、垂れ下がっている。
思わず悲鳴のような声で叫んだ。
「お兄様!」
「ほら、妹ちゃんも泣いてるわよお。このままでいいの、歴代最弱の魔王様?」
「……」
お兄様がかくっと膝を突きかけて、その前に鎌を地に突き立てて立ち上がった。白皙の顔にはどんな表情も浮かんでいないが、傷付いて流れた赤い血がその頬を伝って、ぽた、と滴った。
私はお兄様に向けて守護呪文を唱え始めた。
「やめろ!」
「え、お兄様……」
「選定戦では従属以外の力を頼ることは禁じられている。私に資格を失わせるな」
低く掠れたお兄様の声。
私は涙ぐんだ。
「でも、でも、お兄様……負けないで!」
──ピッ。
〈スキル発動。涙目(兄限定)、応援(兄限定)、おねだり(兄限定):ランクSSS〉
「……チッ」
お兄様が小さく舌打ちし、地面を蹴った。
カン! と音を立ててセージャスの蛇を払い、鎌で横薙ぎする。その腕が真っ黒な鱗に覆われ、心臓のように脈動して膨張していくのが見えた。
そこだけ巨人の腕になったかのように大きく無骨な、しかし滑らかに動く腕。背後にいる私には見えない角度で、お兄様の顔も変貌したらしい。何が、どんなふうに? 分からない。ただ、金の髪が逆立ち、その合間に角のようなものが伸びていくのが見えた。魔王の本性が人間の殻を一部だけ破って顕れたんだ、と思った。次の瞬間、
「ぎゃぶうっ」
なんとなく可笑しな声を上げて、セージャスが倒れた。
その声は右の耳の横、頭上、正面の三ヶ所から聴こえてきた。
背中には固い壁の感触。
私は細い廊下の壁際に追い詰められていて、巨大な影が上から覗き込むように覆い被さっていた。セージャスさん(変身後)だ。いや、彼は元々この姿が本物で、命じられて人型を取っていただけなのだろう。
圧迫感がすごい。
彼は人としても長身で大柄だったけれど、今ではさらに三倍ぐらいの大きさに膨らんでいる。
「……ええと、悪い悪魔というのは、セージャスさんのことですか?」
悪い悪魔って、言葉がダブってない?
悪い悪い魔?
「うふふ、そうねぇ」
ケタケタ笑っている彼の顔はもはや人のものではなくて、黒い爬虫類めいた鱗に覆われた突起だ。頭と肩からは無数の蛇が伸びて、そのうち数本が脅かすように私の顔の周りでうねっていた。口髭はどうなったかというと、細長い二本の蛇になって左右で揺れている。
うーん、どうしてこうなった。
「セージャスさんに呼ばれたから、ここまで来たんですけど」
彼の後をついて、足を踏み入れたばかりの奥宮を出た。その瞬間、身を護る結界から外れたのが感じられたので、そっと掌に護身符を握り締めたけれど。
こんな風に脅されるとは思っていなかった。
いきなり命の危機だ。
(うーん、これ、お兄様の指示じゃないのでは)
「命を繋ぐだけのものはくれてやる」と言っていたお兄様が、わざわざこんな風に私を始末するとは思えない。
でも、死なない程度に甚振れとか、そんな指示は出ているのかもしれない。私はお兄様に嫌われていることだし。嫌われて……嫌われて……
うう。泣いてない!
私は息を吸い込んで、いざとなったら詠唱できるよう足を踏んばって意識を集中させた。
「私は十三の悪魔の一体でね、割と偉い悪魔なのよ。具体的に言うと、魔王を認定する権限を与えられているの」
「魔王を認定する権限? セージャスさんは、お兄様の配下なんですよね?」
「気まぐれで従ってあげているけどねぇ。あの子、実はまだ不完全な魔王なのよ」
彼の顔(突起)の下辺り、ニタリと黄色い口が亀裂のように開いた。
無数の蛇が、私に向けてくわっと口を開く。
「だから、妹ちゃん、食われて頂戴!」
鋭利な蛇の牙が、私の心臓目掛けて飛び掛かってくる。咄嗟に避けたものの、肩に掠った。掌に握り締めた身代わりの護身符が、パリンと音を立てて砕ける。
(ちょっと掠っただけで一回死んだ?!)
殺傷力が高すぎる。
頭を下げて次の攻撃を躱し、私は守護の呪文を全力で唱えながら駆け出した。パリン、パリン。護符が割れる音が連続する。
(この護符、高かったのに~!)
がむしゃらに張り巡らせた守護陣が、喰らいつこうとする蛇を弾く。ひたすら詠唱を重ねながら、本体の動きを見守った。私が小さくてちょこまか動くので、なかなか捉え切れないでいるようだ。しかし。
(う、痛……)
貧弱な右足首が、ズキリと痛みを訴えた。
本当にいまいましいのだけれど、女神様からのプレゼント(?)というやつだ。「病弱設定付きで、ちょっと足を引きずって歩くところなんか、庇護心を掻き立ててやまない感じで(女神様談)」……そんな思い付きのために、長くは歩けないし定期的に発熱する身体にされた私の身にもなって欲しい……女神様め!
「ぴぎゃっ」
足がもつれて、私はその場に転がった。
すぐに顔を上げて、しかしそこから動けないまま凍り付いて、私は近付いてくる黒い悪魔を見つめた。赤黒く光る両眼が、にやにやと笑み崩れている。たった一撃でも直撃すれば、私は死ぬだろう。つまり、ここで死ぬしかないということで──
「……お兄様!」
「そうそう、そうやって哀れっぽく呼びなさい。ふふ、それでこそ……っ」
カン! と金属音が響いて、セージャスの巨体が後ろに仰け反った。黒いマントがふわりと私の目の前に広がる。いや、マントだと思ったのは黒い蝙蝠めいた翼で、その翼を負っているのは……
「お兄様!」
「……何の真似だ、セージャス」
私をちらりとも見ず、地面に降り立ったお兄様が低い声音で問う。
翼こそ生えていたが、セージャスとは違って異形化していない。細身の人型のまま、翼だけが不釣り合いなほど大きかった。
「何って? 認定戦よぉ。この戦いに勝てば、魔王として認定を差し上げるわぁ」
「……なぜこの小娘を巻き込んだ? こんな脆弱な人間に何の用がある」
「まさか、あんな猿芝居でバレてないと思ってるの? 上手いこと突き放して誤魔化せたと思ってる? ダメダメよ、魔王様」
「……」
へたりこむ私の前で、戦闘が始まった。漆黒の翼、それと同じぐらいの大きさの黒い鎌が空を斬り、石壁を引き裂くように傷を走らせる。弾丸のように何かが飛び、弾かれ、あちこちで小爆発を起こした。セージャスは体格に見合わないほどに素早いが、お兄様も負けてはいない。並の魔道士であれば魔力切れを起こして数ヶ月は寝込みそうな規模の魔法が幾つも飛び交う。
でも。
すぐに分かった。お兄様はあくまで人間としての戦い方しかしていない。ただ魔力量が多くて、巨大な武器の扱いに長けた人間。それだけだ。
魔性と人間。根本の強さが異なる。
「相変わらずねぇ。なぜそこまで脆い人間としての殻にこだわるのかしら。魔の本性を表に顕したくない? そこまで弱体化してるのに? 理解できないわぁ」
「……」
「人の姿のままで魔を従えるなんて無理よぉ。そんなことを考えるから憎まれる。魔族の王として、悪魔の恥晒しとか呼ばれちゃうのよ。こんなのが魔王様だなんて、私も恥ずかしいわぁ」
お兄様は答えない。
パッと、目の前に黒い布のようなものが散った。布?
お兄様の打ち破られた翼の破片だ。ぼろぼろに傷付いて、垂れ下がっている。
思わず悲鳴のような声で叫んだ。
「お兄様!」
「ほら、妹ちゃんも泣いてるわよお。このままでいいの、歴代最弱の魔王様?」
「……」
お兄様がかくっと膝を突きかけて、その前に鎌を地に突き立てて立ち上がった。白皙の顔にはどんな表情も浮かんでいないが、傷付いて流れた赤い血がその頬を伝って、ぽた、と滴った。
私はお兄様に向けて守護呪文を唱え始めた。
「やめろ!」
「え、お兄様……」
「選定戦では従属以外の力を頼ることは禁じられている。私に資格を失わせるな」
低く掠れたお兄様の声。
私は涙ぐんだ。
「でも、でも、お兄様……負けないで!」
──ピッ。
〈スキル発動。涙目(兄限定)、応援(兄限定)、おねだり(兄限定):ランクSSS〉
「……チッ」
お兄様が小さく舌打ちし、地面を蹴った。
カン! と音を立ててセージャスの蛇を払い、鎌で横薙ぎする。その腕が真っ黒な鱗に覆われ、心臓のように脈動して膨張していくのが見えた。
そこだけ巨人の腕になったかのように大きく無骨な、しかし滑らかに動く腕。背後にいる私には見えない角度で、お兄様の顔も変貌したらしい。何が、どんなふうに? 分からない。ただ、金の髪が逆立ち、その合間に角のようなものが伸びていくのが見えた。魔王の本性が人間の殻を一部だけ破って顕れたんだ、と思った。次の瞬間、
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