【完結】対兄最強兵器として転生しましたが、お兄様は塩対応です

雪野原よる

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17.女神様を改宗させました、そしてその頃お兄様は

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「……女神様、続きはこちらですよ?」

 我ながら、舌なめずりする猫の如く甘く邪悪そうな声だ。内包する邪悪を、蜜のような甘さで包んである。

(女神様を宗旨変えさせてみせるわ……! くくく)

 お兄様を守るためには、この程度の邪悪は標準装備です。……こうして私は、世界一邪悪な妹としての道を躊躇いもなく突き進んでいるのだった。

 まるでフレンドリーかつ有能な敏腕秘書のような雰囲気を醸し出しつつ。

「シリーズものは、のめり込んだら止まらないですよね。このまま勢いに乗って最後まで行っちゃいましょう! 順番通りに読み進められるように、外伝含む関連作をリスト化しておきましたよ」
「まあ、なんと気が利くのでしょう」

 女神様は気付かない。

「女神様が好きそうなタグから検索して絞った上位作リストがこちらです。ふふ、また新たな萌えの扉を開きましたね、女神様」
「くっ……世の中にはまだまだ未知の性癖……いえ、萌えがあるのですね。目が開かされた思いです」

 昂ぶったように呟きながら、女神様の意識が私に向けられることはない。脇目も振らず、ただひたすら、目の前の画面をスクロールして、スクロールして、スクロールし続けて……

 目の前に広がる新たな燃料、餌、もしくは萌えのことしか目に入らない。

 ようするに、何かに嵌ったときのオタクである。

 女神様が元々そういう神様なのだ。私がそそのかしたわけではない。この、概念やら思念体しか存在しない世界の中で、快適にオタク生活を満喫するだけのものはすでに整えられてあった。

 私と女神様の前に、ぼんやりと輝く四角い画面らしきものが聳え立っていて、滝が流れるような速度で細かな文字列が駆け抜けていく。人間界で綴られる創作物全てを一挙検索する機能を備えた夢の神造機器「女神サーチ」──本当に何してるんだろう、この女神様。

 お兄様が世界を滅ぼす/滅ぼさない以前の問題があるのでは?

 だけど、今の私はそんな突っ込みはしない。

「どうでしたか女神様。ハッピーエンドものばかり読んでいると、たまに悲恋が読みたくなりません? そんなときはこちらの一覧です、どうぞ」
「なんと……お見通しというわけですか。めちゃ有能」

 女神様はもはや疑いもせず、私の献上したリストの上から目を通していく。そのリストの中身に私が少しずつ混ぜた毒に気が付くこともなく……

(クックック)

 といっても、大したことはしていない。お兄様が対立する死の神によって造られたというのなら、その対立の構図そのものに萌えてしまうよう、敵対関係ものを多めに仕込んだだけのことである。

「実に良いですね……関係の変化、打ち明けられない苦しみ、それでも燃え上がる禁断の恋。古典的ともいえますがそれゆえに不朽の良さがあるといいますか」
「分かります。……はい、女神様、そろそろ次はハッピーエンド長編とかどうですか。途中はじれじれで早くくっつけ! って叫びたくなるやつ」
「ぐう有能」

 こうして過ごす間に、どれほどの時間が過ぎ去ったのか分からないけれど。

 私は女神様をぐずぐずに洗脳し、様々な萌えに目覚めさせながら改宗させたのでした。完。

 めでたしめでたし。








 ……もちろん、それでは終わらなかった。

「………くしゅっ」

 閉ざした瞼の上に、薄く光が踊る。
 両眼を開いて、目の前の光景を視界に捉えるより早く、私はくしゃみの発作に襲われた。

「う……」

 むずむずする鼻をぎゅっと押さえてから、周囲を見る。濃厚な甘い香り……花の香りがした。茉莉花ジャスミン、それとも夜香木?

 横たえていた上体を起こすと、真珠色の小さな花がぱらぱらと落ちていくのが見えた。硝子張りの天井越しに透けて、淡く濁った陽光の中に溶けている。

(あれ、ここは)

 温室だ。

 私の部屋に併設された植物園。その中央に祭壇のような台座がしつらえられ、そこにふかふかの布団を重ねて、私はその上に横たわっていた。身に着けているのは薄手の夜着のみ。いつ、誰に着替えさせられたのか……深く追及するのはやめておこう。

 散りばめられた花には見覚えがあった。魔法薬の材料の一つで、魔力をよく通し、よく溜め込む。掌の上で転がすと、お兄様の魔力の痕跡が感じられた。

(……お兄様は?)

 私が女神様と共にいたとき、時間の感覚は無くなっていた。その間に、こちらではどのくらいの日数が経過していた? 女神様に呼び寄せられた人間って、この世界ではどういう扱いになってるの? 仮死状態、それとも本当に死んでいたとか?

(それは怖いな)

 じっくり考えていると余計に怖くなるものだ。身体は動くみたいだし、お兄様を探しに行こう。私が勢いをつけて台座から起き上がったとき、

「目が覚めたのか」
「あっ、お兄様」

 綺麗なタイミングで、お兄様が現れた。

 見たところ、どこも変わりがない。少なくとも、その容姿に限って言えば。

 斜めに差し込む淡い光を額に受けて、近付いてくる彼の真珠のように完璧な肌が浮かび上がった。氷がこごって出来た宝石のような瞳が無表情に私を見据えて、その強い眼光が無ければいっそ精緻な造り物だと言われたほうが信じられる、いつも通りに無機質な美貌のお兄様……だから、見た目は何も変わりないんだけれど、ひとつだけ、どうしても無視できないことがあった。

「……お兄様。その剣は何ですか?」
「ん、これか?」

 お兄様が剣を帯びた姿なんて、見たことがない。初めてだ。

 戦いの場で、どこからか巨大な鎌を取り出すのは何度か見た。今更だけど、あれは一体どこから取り出していたの? ……いや、とにかく今は、鎌よりも剣だ。

(邪剣?)

 刀身は無骨な鞘に包まれ、封じ込まれているというのに、目に見えるほどの黒い瘴気が噴き出して外まで溢れ出していた。魔力のない人間でも感じ取れるに違いない。数千人分の血潮を吸った魔剣だ、と言われても信じられそう。

 魔王に相応しい剣といえば、そうかもしれない。しかし、あまりの禍々しさに、私は思わず眉を顰めてしまった。

「勇者が持っていた聖剣の精霊を引き剥がして、適当な剣に寄り憑かせたものだ。なかなか役に立ってくれている」
「聖剣の精霊を? どう見ても闇落ちしてません?」

 闘技場でちらりと見たときには、眩い聖属性の光を放っていたはずだ。それが、一体どんな目に遭わせたら、瘴気が滴り落ちそうな不気味な暗黒オーラを発するようになるのか。

「剣の精霊も得心した上でだ。己の意志で私に力を貸している」
「そうなんですか?」
「そもそもが殺戮の為の道具だ。聖も俗も無いだろう? より実用的な使い手に巡り会うことが、道具としての歓びに決まっている。私としても、神殺しの二つ名を持つ剣の精霊を得られたのはなかなかの僥倖だ。最大限に活かすつもりでいる」
「神殺し、ですか」

 何とも不吉な呼び名だ。

 魔王、邪剣、神殺し。

 足し合わせたら「結論:闇落ち」が導き出されそうなほど、材料が揃い踏みしすぎている。

(どういうことなの)

 長い午睡を貪り過ぎたかのように、まだ幾許かの眠気をひきずってモヤモヤとしていた頭が、こうして仁王立ちしているお兄様を前にして、お兄様の言葉を聞くたびに少しずつ冷えていく。

 分からないことばかりだ。私は頭を軽く振って、思考を整えようとした。

「お兄様。私が眠っていた間に、一体何があったのですか?」
「それはむしろ、私の方こそ問いたいのだが。お前は一週間ほど意識不明の状態にあったが、魂はその間ずっと女神の膝下にあった、そうだな?」
「一週間も意識不明だったんですか……はい」
「ならばやはり、私が各地の女神神殿を破壊したのは的外れな所業というわけではなかったな。無駄骨ではなかった。正鵠を射ていたわけだ」
「はい?!」

 各地の女神神殿を破壊?!

 「せっかく買ったじゃがいもだから肉じゃがを作って消費した」とでもいうような口調だ。喩えがおかしい? とにかく、何度思い返しても、「女神神殿をぶち壊したが無駄にならずに済んで良かった」と言っていた気がする。

 気のせい? 気のせいであってほしいけれど、こういうときにお兄様は冗談を言わない。

「……お兄様、女神様に喧嘩を売ったんですか? 神様に盾突いてしまって、お兄様は大丈夫なんですか?」

 ただでさえ、女神様はお兄様の真名を手に入れたつもりでいるのだ。私が優秀な伝道秘書として、女神様をオタク界の海に埋めてきたばかりの今、少しは時間が稼げるとしても……我に返った瞬間、怒り狂って殴り込んでくるのでは?

「信仰の場が弱まれば、地上に干渉する女神の力はそれだけ弱まる。順調にここまで力を削り取ってきた。後もう少しだ」

 お兄様は表情も変えず、眉一つ動かさずに言い切った。
 
(後もう少し……?)

 何が後もう少しなのか。

(か、神殺しするまで……?)

 いや、お兄様は「神は概念であって次元が違う」とか言ってなかった? 真っ向から対峙する気は無さそうだった。その割に今、ここにいるお兄様から殺る気が溢れて剣気が歪みまくっている、それは紛うこと無き事実で否定できない。私は唇が震えるのを感じた。

「……」

 私の表情を見て、お兄様が僅かに目を眇めた。

「女神は、お前に手を出すべきではなかった。お前の魂を捕え、私の手の届かない場所へ連れ去るべきではなかった。世界の条理の元に立つのであれば、いかに不条理な神であろうとしかるべき報いを受けさせることは出来る」

 つまり。

 「お前を連れて行ったから女神の配下を凹った」としか聞こえないし、多分それで合っていると思う。

(ああ……お兄様が順調に世界を滅ぼす系魔王への道を進んでいる)

「お前が案じる必要はない」

 お兄様が重々しく言い、それからぎこちなく、僅かに唇の端を吊り上げた。

 初めて形作ったとでもいうような、いっそ幼く見える笑みだ。私を安心させようとしたのだろうけれど、この話の流れで、突如たどたどしい笑みをぶち込んでくるとか何なの……お兄様、私をどうするつもりなの……

 混乱の極致。ぐらぐらする頭を抱えながらも、私は目を彷徨わせて、ふとお兄様の好感度ゲージを見上げた。別に何が見たかったわけでもない。身に着いた癖みたいなものだ。もはや上がることもない、そこには不動の9999が表示されているはず──



 魔王アイゼイア・リシツィニアン・ユグノス
 状態:=@&<ЃЄЅ∅³⊆∪∨≫№%&_
 好感度 ✩Є%>'―:7〆29┰/9999



 ……ああ。お兄様がバグってる。
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